戦場(1949)
あらすじ
低予算で良質の作品をものにする手腕を買われてMGM入りした元RKOの製作者D・シャーリーが手がけた、ノー・スター戦争映画。ヒロイックな所がまるでなく厭戦的と言っていい戦場での歩兵たちの生活描写が延々と続くユニークな一編で、後のTVシリーズ「コンバット」を思わせる現実味がある。パリ入りを目前にして再び戦地へと舞い戻った第101部隊のある分隊。時は44年も暮れ近く、ドイツが捨て身の反撃に出ていた終戦間際。舞台は霧の立ちこめるバストーニュ一帯。だから、派手な戦闘場面は皆無。敵も暗中模索の状況は同じで、互いにじわじわ腹の探り合いをする描写が、若干の解りにくさを伴いながらも、幻想的な興趣を醸し出す。カリフォルニア育ちで雪を知らないメキシコ系のR・モンタルバンの兵隊が降雪に小躍りするところや、その彼が銃創を負い、敵砲弾の止むまで雪壕でしのぐ間に息絶えてしまう描写など、その最もたるものだろう。霧の中から忽然と現れる兵を自軍が敵の偽装か見分ける場面も、合い言葉の奥を読む丁々発止がユーモラスで、スリルは緩急が効いている。そして、弾の尽きたところで友軍機の補給を待つ一行の苛立ち。だが、霧の晴れ渡るのと同時に、大編隊が間に合って、後は破竹の勢いで敵軍をなぎ倒すだけ。これはチャッチャとストック・フィルムと兵士のクローズ・アップその他を二重露光でつないで終わり。W・A・ウェルマンはあくまで兵士の日常に拘って、要は、霧が晴れる--という気象変化を最大のスペクタクルにしたのである。クリスマスの従軍牧師の説教場面の演出も臭みがなく、彼のうまさが出ていた。アカデミー賞オリジナル脚本賞、撮影賞を受賞した。
キャスト・スタッフ
- 監督
- ウィリアム・A・ウェルマン
- キャスト
- ヴァン・ジョンソン/ジョン・ホディアク/リカルド・モンタルバン/ジョージ・マーフィ/マーシャル・トンプソン/ドン・テイラー/アマンダ・ブレイク/ドニーズ・ダルセル/ジェームズ・ホイットモア ほか
クチコミ
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