☆4.5
「暗黒の10年」と呼ばれる90年代内戦下のアルジェリアを舞台に、ファッションデザイナーになる夢を持つ大学生ネジュマの目を通して当時横行していた弾圧の真実を描いた作品。 「服装は関係ない、その偏見が女たちを殺す」 比喩ではなく、その言葉の通… 続きを読む
「暗黒の10年」と呼ばれる90年代内戦下のアルジェリアを舞台に、ファッションデザイナーになる夢を持つ大学生ネジュマの目を通して当時横行していた弾圧の真実を描いた作品。 「服装は関係ない、その偏見が女たちを殺す」 比喩ではなく、その言葉の通り殺される女性たち。 選択し、何かを決断する事は安全が担保されて初めてできる。本人が行動を起こせるかどうかと社会がそれをどの程度許容するかは別の水準で、本人の行動自体はできたとしても、その行動によって不利益を被るかもしれない社会では結局自由が確保されていないのと同じ。 イスラム原理主義により女性が抑圧される社会でヒジャブで顔を隠せ、身体を隠せ、黙って家にいろ、男に従い許可をもらえ、夜は外に出るな…そんな権威主義的な社会の風向きに流されないネジュマの闘いと成長の物語であると共に、悲劇を経験する事で声を上げることの重要性を再確認した友人たちと拡大していく女性コミュニティの成長物語でもある。また、暴力の連鎖と共に親子、姉妹、友人、先生など数々のシスターフッドの絶望と希望が描かれている。 家父長制と国粋主義と人を救わない宗教はクソ。