普遍的な新しさ
90年代に活躍し、不定期ではあるものの現在でも活動を続ける孤高のダブ・レゲエロックバンド、フィッシュマンズの結成30周年記念ドキュメンタリー作品。 1999年3月15日、ボーカルでフロントマンの佐藤伸治がこの世を去った。 音楽をよく聴くよ… 続きを読む
90年代に活躍し、不定期ではあるものの現在でも活動を続ける孤高のダブ・レゲエロックバンド、フィッシュマンズの結成30周年記念ドキュメンタリー作品。 1999年3月15日、ボーカルでフロントマンの佐藤伸治がこの世を去った。 音楽をよく聴くようになるのが中学生になってからで、フィッシュマンズを知ったのも21世紀に入ってから、つまりサトちゃんが亡くなった後ということになる。 今作では、サトちゃんとは明治学院大学の軽音サークル「ソングライツ」時代以来の付き合いで現メンバーである茂木欣一をはじめ、旧メンバー(小嶋謙介、ハカセ、柏原譲)やシュガー吉永や木暮晋也などのサポートメンバー、プロデューサーを長らく務めたZak、またマネージャーやレコード会社、音楽評論家まで多くの関係者がインタビューに応え、今まで語られたことのなかったフィッシュマンズの真の姿を映し出す。 『Aloha Polydor』というポリドール移籍後のベストアルバムを購入し、なんとなく熱が下がりそうなサウンドだという理由で、中高生の時分、風邪で寝込んでいる時はほとんど常にCDコンポで流していたのを思い出す。 記憶に残っているライナーノーツの内容や、SMAPへの提供曲『それはただの気分さ』のデモ音源が収録されていることに象徴されるように、印象としては「本格的に売れる直前」のバンドだったのだが、今回のドキュメンタリーを観る限りバンドとしては満身創痍と言っていい状態であったことを痛感した。 172分と長尺であるのに加え、長崎セントラル劇場では本編上映前に、FM長崎のタカジュンこと高森順子と茂木欣一の15分にわたるスペシャルトークが放送される大サービスだった。 少し要望を言うなら、もう少し長崎公演の思い出など地方ならではのテーマで話してほしかった。 スピッツの草野マサムネによる「新しさを意識した音楽って、そのほとんどがすぐに古臭くなっていくのに、フィッシュマンズは全然そうならない」とのコメントは、言い得て妙である。