直木賞作家 辻村深月の人気小説を実写映画化した『ハケンアニメ！』の公開記念舞台挨拶が5月21日、東京・有楽町の丸の内TOEIで開催され、吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子、高野麻里佳、主題歌を担当したジェニーハイ（小籔千豊、川谷絵音、新垣隆、中嶋イッキュウ）、監督の吉野耕平が登壇した。
アニメ業界を舞台に、最も成功したアニメの称号「ハケン（覇権）」を手にするべく奮闘する人々を描いた本作。『君の名は。』にCGアーティストとして参加し、『水曜日が消えた』を監督した吉野耕平が監督を務め、地方公務員からアニメ業界に飛び込み、監督として成長していく主人公・斎藤瞳を吉岡里帆、彼女のライバルとなる天才ワガママ監督・王子千晴を中村倫也が演じた。
吉岡は「プロデューサーの方が『（企画立ち上げから）7年かかった』とおっしゃっていた。こんなに長い年月をかけて作る作品もそうそうない。公開出来たのが奇跡と思えるような作品になったと感じています」と喜びつつ、「劇中アニメも本当にすごい。とんでもない多くの方々の努力の結晶なので、それが伝わっていたらいいなと思っています」とアニメの完成度の高さにも触れた。
中村は「なにがどうとか言わなくても、とにかく観ろ！と言える作品に吉野監督がしてくださった」と本作への自信をにじませた。
超クセ者敏腕プロデューサー・行城理を演じた柄本は中村の「佑の役の『ずるカッコよさ』を見てもらいたい」とのコメントを受け、「返す刀で言わせてもらうと、倫也くんの『ずるボディ』。あの風呂上がりの王子監督のボディはいい。引きこもって描き続けている説得力がある。あれで体がバキバキだったら、ジムとか行ってただろ、ってなっちゃいますから」と返答。また柄本は「脚本の段階から、構成のしっかりしたエンターテインメント作品でありつつ、奥行がしっかりあった。想像以上に誰もが共感できる映画になった」とコメント。
王子を献身的に支えるプロデューサー・有科香屋子を演じた尾野は「撮影楽しかったね」と笑顔を見せ、「里帆ちゃんが頑張っている姿を見て、私も一緒に頑張ろう、という気持ちになって走り続けた。あとは、アニメを全編観たい！素晴らしいアニメでしたから」とコメント。
今回、劇中アニメの制作は、『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gをはじめ、日本を代表するアニメプロダクションやトップクリエイター陣が参加し、東映アニメーションが監修を手がけている。
その劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』で人気アイドル声優・群野葵を務め、自身も「ウマ娘 プリティーダービー」を担当するなど人気声優で実写映画初出演となった高野は、監督からアニメ現場について聞かれ、マイクが余計なノイズを拾わないよう、音の鳴る服は避けることなどを伝えたという。「声優役の皆さんの服装を見ていただくと面白いことに気付けるかも。お仕事映画としても勉強になるんじゃないかと思います」と語った。
主題歌「エクレール」を担当したジェニーハイも本日は登壇が出来なかったくっきー！の等身大パネルを持ち、劇中アニメ柄の衣装で登場。豪華出演者と並び舞台挨拶に立ったドラムの小藪は「これからジェニーハイ、売れますわ！」と会場を沸かせた。
プロデューサーでギターの川谷は「映画を観た人が曲を聴いて、もう一度感動できるようにしようと、歌詞にはめちゃくちゃこだわって、何回も書き直した。エンドロールで流れた時、泣きそうになるくらい」と楽曲への強い思い入れを語った。
吉岡も「本当にいい曲だなぁって。歌詞が劇中のクリエイターたちの想いを全部すくい取ってくれている。スタッフが多いのでエンドロールが長めなんですが、大勢で作ったという実感がふつふつとわいてくる。最高の主題歌で、何度も聴いています」と絶賛した。
ゲストヴォーカルで参加した高野は「声優のレコーディングと全然違うディレクション。細かなディレクションのおかげで、私の歌わせていただいたパートもより魅力的になり、皆さんに届いたのかなと。貴重な経験をありがとうございました」と感謝を伝えた。
イベントの最後に吉岡は「皆さんの一言の感想が映画にパワーを与えてくれるので、是非どこかで感想を言っていただけたら嬉しいなと思います。劇中のセリフでも『今すぐじゃなくてもいい、いつか思い出してくれる作品になったら』という瞳のセリフのように、いつか皆さんが今日劇場で観たこの映画のことをふと思い出してくださったらいいなと思っております」と締めくくった。
映画『ハケンアニメ！』は絶賛公開中
公式サイト：haken-anime.jp 公式SNS：@hakenanime2022
