パンチ弱めだが、見応えはある
後世に残る名作とまではいかないが、余韻ある 佳作。戦争(ホロスコート)一色だとつらいが、音楽もメインになっているのがよい。原題でもあり、ストーリーのクライマックスともいってよい、シナゴークでのシーンが心に響いた。 鑑賞後は明るい気分にはならないが、暗い気分になるというわけでもなく。少しなんかもやっとはする。 長尺な邦題はなんとかならないものか。。
国内最大級映画チケット予約サービス アプリで開く
メガホンをとったのは『レッド・バイオリン』『シルク』の名匠フランソワ・ジラール。アカデミー賞®ノミネート俳優ティム・ロスとクライヴ・オーウェンが豪華競演した本作。 ブルッフ、バッハ、ベートーヴェン、パガニ ーニなどのクラシック楽曲とともに紡ぐハワード・ショアの音楽、そして21世紀を代表するヴァイオリニスト、レイ・チェンによる演奏。美しい旋律に導かれてロンドン、ワルシャワ、ニューヨークを巡る、極上の音楽ミステリー。 第二次世界大戦中のロンドンに住む9歳のマーティンの家にポーランド系ユダヤ人で類まれなヴァイオリンの才能を持つ同い年のドヴィドルが引っ越してきた。宗教の壁を乗り越え、ふたりは兄弟のように仲睦まじく育つ。 しかし、21歳を迎えて開催された華々しいデビューコンサートの当日、ドヴィドルは行方不明になった。 35年後、ある手掛かりをきっかけに、マーティンはドヴィドルを探す旅に出る。彼はなぜ失踪し、何処に行ったのか。その旅路の先には思いがけない真実が待っていたー。
© 2019 SPF (Songs) Productions Inc., LF (Songs) Productions Inc., and Proton Cinema Kft
後世に残る名作とまではいかないが、余韻ある 佳作。戦争(ホロスコート)一色だとつらいが、音楽もメインになっているのがよい。原題でもあり、ストーリーのクライマックスともいってよい、シナゴークでのシーンが心に響いた。 鑑賞後は明るい気分にはならないが、暗い気分になるというわけでもなく。少しなんかもやっとはする。 長尺な邦題はなんとかならないものか。。
久しぶりのクライヴ・オーウェンが(出番多くないものの)素晴らしい!登場した瞬間、あの眼差し、あの声で、一気に全てを納得させてくれる。(ヴァイオリンの演奏ぶりがイマイチなのは大目に見ましょう。彼は演奏家ではありませんから。わたしは眼を閉じ、胸を締め付けられるその調べと音色に集中します。涙がこぼれます。) 防空壕での少年と青年の競演をはじめ、ヴァイオリンの音色を何度も聴けるのも嬉しい。余談ながら、ヴァイオリンを教えている友人によると、ヴァイオリニストにはユダヤ系がとても多いのだそう。(音色が民族性とマッチするからなのだろうか、流浪を宿命づけられているからなのだろうか…。) ホロコーストを直接ではなく、こういう視点から描いたものは少ない気がする。ラジオで聴く拡大する戦禍と故国へのナチスの侵攻。故郷に残された家族の安否は不明。隠し持った家族の写真を胸に、少年はひとり密かに涙を流す。どれほどの不安と恐怖と悲しみに苛まれているのかは、傲岸不遜に見える彼の虚勢と強がりから窺うことしかできない。 愛する家族の安否がわからないという苦しみ。そしてそれに終止符が打たれるとき、彼は再び神を見いだす(神が自分を見つけた、と彼は言う)。もはや人間同士の繋がりや恩義や約束事、自らの天才ヴァイオリニストとしての栄誉などどうでもよくなってしまうくらいの、絶望的な深い悲しみのなかで…。 原題となっているthe song of names、これが素晴らしい。全て歌われると5日もかかるという名前の歌。so many names…。この歌を聴くためだけでも、この作品を見る価値があると思う。この歌と重ね合わせられるように最後に奏でられる白鳥の歌とともに。
普通のミステリーだと思ったら、さにあらず。胸に響く声、ヴァイオリンの音、そして心が痛む種明かし。 予告編は、現代のようだったから、ナチスとかユダヤ人とか、そういう話になるとは思ってませんでした。 子どもの頃の彼の、あの虚勢をはった感じ。そうしないと淋しくて、泣いちゃうもんね。ヴァイオリン対決も圧巻だったけど、ユダヤ人のラビのあの声!感動しました。あの心に響く歌声がなければ、成り立たない映画です。いろいろな人に見てもらいたい名作です。
少年二人の仲が変化するのが唐突。父親に愛される少年に反発していたはずなのに、私、何か見落としている?だからマーティンのドヴィドル失踪に執着する理由が分からない。名前の歌にたどり着いたとき、歌は美しく悲しくて感動はした。消えた理由の方はうなづけるものの、ドヴィドルの痛みとか、ユーゼフの絶望とか、えぐって来ない。まあ、謎解きとして楽しめた。しかしマーティンの妻が、あのことを告白する意味は分からない。まあ、その可能性は感じていたけれど、どうしてあそこで言うのか。何のマウント。
「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」 この長いタイトルはやはり、邦題。原題 song of names レッドヴァイオリンのジラール監督。 これは、ミステリーというよりは、最近流行りのホロコーストもの。song of namesとは、沢山のユダヤ人達に送る鎮魂。超絶技巧だけの天才が、不遇な形で本物の音楽を奏でるようになっていく。 印象的だったのは、「個」を捨てたという言葉。全てを失い、先の見えない世界で自分すら捨て、神に帰依する。鎮魂でしかなくなったその音楽の説得力は凄まじい。やはり、音楽とは生き様なのだ。 ティム ロスが名演の海の上のピアニストを彷彿とさせ、懐かしかった。