☆3.6
starstarstarstarstar - 3年前
この基金について邦題キャッチコピーの“感動の実話”の部分だけ描いて良いのだろうか。この後アメリカが始めた戦争で犠牲になったイラク国民に対する基金などあるわけもなく、国自体が壊滅したイラクやアフガニスタンでは基金など設立できない。後のアメリカ… 続きを読む
この基金について邦題キャッチコピーの“感動の実話”の部分だけ描いて良いのだろうか。この後アメリカが始めた戦争で犠牲になったイラク国民に対する基金などあるわけもなく、国自体が壊滅したイラクやアフガニスタンでは基金など設立できない。後のアメリカの過ちという“苦味”も加えた方が、アメリカ国内でウケるご都合主義の“プロジェクトX”の一例に留まらず9.11というテーマの大きさを活かしたり歴史的な意義も描けたりしたと思う。
あと、ファインバーグ弁護士本人の特徴的な発音のイントネーション(アーィ、オーゥと母音を伸ばす)に寄せて欲しかった。ニューイングランド訛り、マサチューセッツ訛りのユダヤ人という本人のパーソナリティが出て第一回説明会の遺族からの蔑視発言がより強調されたのでは。
【2/14(火) TBSラジオ『荻上チキsession』】
映画のモデルとなったケネス・ファインバーグ弁護士インタビューより
※アメリカ政治の前提や当時の状況がわかっておすすめ
Q.これまでの係争事案との違いは
A.9.11の基金プロジェクトほど挑戦的な基金の管理はなかった。なぜなら9.11があってから13日しか経っていないのに議会が基金を設立したから。被害者や遺族に亡くした人を悼む時間が足りず、悲劇とほぼ同時期に始まったことが仕事をより難しくした
Q.被害者たちの「私たちの家族の値付けをするなんてひどい」「なぜ他の被害者と自分の家族の金額が違うのか」という怒りにどう向き合ったのか
A.被害者の感情の赴くまま表現してもらう、つまり良き聞き手となり、共感することが大事だと思った。個別に面談に来た人のほとんどはより多くの補償金がほしいという動機ではなく、主に
①人生の不公平さに対する怒りの思いを聞いて欲しい②亡くなった方の記憶を改めて分かち合う、または認めてもらいたい、だった
Q.役人的に計算式に当てはめる合理さに納得してもらおうとする役から、だんだんセラピーのカウンセリングを重ねるようになった。ミッションに対する取り組み方の変化は実際あったのか。どうして変えたのか
A.映画はクリエイティブに描いている為、非常に冷たい弁護士が非常に理解のある聞き手になっていく道のりが実際より大袈裟に描かれている。
ただ、プログラムが進むにつれ、当時は議会も司法も全く気付いていなかった「被害者の話を聞くこと」の必要性をより強く感じていた
Q.チャールズ・ウルフとは実際どういう人物でどんなやり取りをして合意に至ったのか
A.彼は実際にWTCで妻を亡くした遺族で、プログラムに皆に見えるかたちで批判的な立場だった。映画ではアプローチを変えるきっかけとしてややヒーローのように描かれている印象。今は友人でもあり、彼がプロジェクトをもっと良くしなければという強い決意の持ち主であったことと、多くの人に基金に参加するよう説得することに大きく貢献したことは確か
Q.同性パートナーの補償の件など、法の限界についてどう思っていたか
A.非常に不公平だと感じた。
私が被害者の親との仲裁に入って交渉した結果、補償額のほとんどは親に支払われたが、部分的にパートナーにも支払われるかたちになっている。ただ、(作中のように)叶わなかったケースもある。今日ではそうならないアメリカの司法は当時から進化しているとも言える(2015年最高裁で全州で同性婚が認められている)
Q.この基金がもたらした影響や変化はあるか
A.その後は変化はほとんど起きていないと思う。この基金はアメリカの歴史でも珍しく、他の事件の基金と違って個人の募金や献金ではなく国民の税金が使われている。また全ての命は等しい価値として扱われ同額が支払われている。本件はアメリカと世界の人々を巻き込んだ悲劇に対する独特なレスポンスだった。
《余談》
★原作「命に〈価格〉をつけられるのか(ハワード・スティーヴン・フリードマン著,慶應義塾大学出版会」
★家でリラックスしながらソファで音楽を聞く時にネクタイを緩めただけで背広を着たままだったのが違和感
★sorryには色々な意味があるな、と。
Sorry?(えっ?)
I ‘m sorry.(お悔やみ申し上げます/ごめんなさい)
I 'm so sorry.(大変申し訳ありません)
(字幕翻訳:髙内朝子)
観てる間ずっとしんどい
starstarstarstarstar - 3年前
完璧な公平などないのはわかってるが、それぞれの想いがわかるのでつらい。
やっぱ最後は相手への敬意か。
役者さんは皆素晴らしかった!
Worth of Life
starstarstarstarstar - 3年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
命の値段を算定する
そんなことはどう考えたって不可能
それでも失った人や時間は戻らない
お金で補償する以外に手はない
集団訴訟を起こしても結局手に入るのはお金で
その額が大きくなる可能性があるに過ぎない。
航空会社や政府に責任を追及しても負ける可能性すらある。
前に進むために、生きていくために、
たとえそれが命の価値付けだとしても
お金を受け取るということを決断しなければならない。
国や被害者のために最初はエゴだったかもしれない
それでも変えようのない法に立ち向かって、
1人でも多くの被害者の声を拾って、
それが最善の道と信じて出来うる限りの対応をする。
人によって価値観は違うのだから
個々人の事情に配慮して補償金額を算定するのは不可能
一定のルールを決めてその中で基金を運用するというケンの考えは決して間違ってなかった。
ウルフや多くの被害者が求めていたのは僅かでも個人の状況に応じた対応であって、誠実に補償金の算出をするという敬意を示す事だった。
失ったものはもう戻らない。
落としどころを見つけて前に進むしかない。
それでも法は完全ではないから
救いの網から漏れる人はでてしまう。
そんな人を1人でも減らそうと邁進するプロジェクトチームの心労は計り知れない。
人と向き合うということは尋常じゃないパワーが必要。
公平なルールの中で裁量の許す限りのことをする。
そう決断することは簡単なことじゃない。
実話をベースにしていると言うことは
ここには描かれない、涙を飲んだ人もきっといる。
一方で基金のおかげで救われた人もたくさんいるはず。
人生の価値を決める
哲学でも宗教でもセラピーでもない
明確な数字を導きださなければいけない
9.11に関わらず今までもこれからも
誰かが裁定する側になり
誰かが裁定される側になる。
「命の値段」はどうつけられるのか
starstarstarstarstar - 3年前
9.11テロ被害者は6000人と言われている。その賠償金支払いを政府から一任されたマイケル・キートン演じるファインバーグ弁護士。
さっきネットで死亡時の賠償金計算とやらをみつけたのだけれど、「年収」と「年齢」と「扶養人数」から導き出される… 続きを読む
9.11テロ被害者は6000人と言われている。その賠償金支払いを政府から一任されたマイケル・キートン演じるファインバーグ弁護士。
さっきネットで死亡時の賠償金計算とやらをみつけたのだけれど、「年収」と「年齢」と「扶養人数」から導き出される計算式だった。
被害者には、高年収のビジネスマンから清掃員、救出にあたった消防士達等々、色んな人達がいる。
年収の差が命の値段の差なのか。
最初はその計算式を持って遺族と対面するが、当然上手くいかない。怒らせてしまい、関係は悪化する一方だった。
しかしその後、彼は被害者の話を聞いて、傷つく自分に気づく。そうして行動が変わってゆく。
政府から提示された3年という短期間でなんとか解決へと導いてゆく。
痛みを知った彼の行動とは?
火中天津甘栗拳
starstarstarstarstar - 3年前
間違いなく首を突っ込みたくない案件。
あえて火中の栗を拾う。
ケンのその決断力には感服致したします。
劇中、自己の功名心だけでなく社会に貢献したいという思いがあったと示された。
ここがポイントでたぶん己のためだけであればこの結果にはなってな… 続きを読む
間違いなく首を突っ込みたくない案件。
あえて火中の栗を拾う。
ケンのその決断力には感服致したします。
劇中、自己の功名心だけでなく社会に貢献したいという思いがあったと示された。
ここがポイントでたぶん己のためだけであればこの結果にはなってないと言いたいのであろう。
これは実話であったらしいが本当にそうだったのかと斜めに見てしまう不埒な自分がいます(笑)
マイケルキートンの掴みどころのなさがそうさせたと思われます。良くも悪くも。
マイケルキートン以外のただ従っていた人たちが方向転換した時の安心した仕草が全てを物語っている。
この決断もまた良かった。
問題提起がガツンとすざましい映画です。
命の値段という副題がまたなんとも。