☆3.2
人間が作り出し他者を感動させ魅了して止まないという共通点がありながら、一見遠い存在の数学と音楽。これらを繋ぐ円周率から作られた“πソング”のピアノ演奏の発想・演奏ともに素晴らしかった。 《余談》 ① ラブコメっぽさは必要?ボラムの存在が完… 続きを読む
人間が作り出し他者を感動させ魅了して止まないという共通点がありながら、一見遠い存在の数学と音楽。これらを繋ぐ円周率から作られた“πソング”のピアノ演奏の発想・演奏ともに素晴らしかった。 《余談》 ① ラブコメっぽさは必要?ボラムの存在が完全に違和感 「ハン・ジウのことが好きなんです」 「喧嘩するほど仲が良いなら結婚しろ」 古ーーい!何時代の台詞?それ要る?何のために? そもそもボラムがジウと会話する最初から唐突で謎。初めて交わす会話で「ヘタレ」「そんなの友情じゃないよ!」などと言ってくる。クラスメイトといってもまだ交流1年未満で特に親しくもない相手からこんな無礼で馴れ馴れし過ぎることを言われたら会話の応酬より「お、おう…(何こいつ)」という反応になるのでは。ジウを好きになった動機もなければ後日談にも登場しないし、本当に無理矢理お飾りの女子高生要素を捩じ込んだ感しかない。幼馴染や小中学校で一緒だったとか部活が同じとか描写しておかないと、その後の行動も含めてボラムの存在が突然現れた空気の読めない無礼者になってしまうと思う。(実際そうだったと思う) チャミスル3人組(勝手に命名)のうちの1人がPC室なら、もう1人がジウと同じ母子家庭だけど裕福、もう1人がピアノ弾ける、とかでも良かったしパシリ的な扱いからお互いを知るうちに真の友情に繋がる展開の方が自然では。 キャストの演技は良いのに登場人物の背景が薄すぎる、というか言葉で説明し過ぎで取ってつけた設定が多かった印象。ジウが友達を作れなかった経緯やハクソンの息子の喧嘩の理由など、「異物」の肩身の狭さや日常感じる薄らとした「自分はここにいるべき人間じゃない」という居心地の悪さもっと日常の中に描写してほしかった。 一方でハクソンの「友人の話をしたい」の言葉に韓国の数学者が「(もしかして自分のことかな?)」と、そわっとする動きが良かった(あと可愛かった)。ああいった台詞ではなく視線や表情、動作で思いがわかるシーンを入れてほしかった。 ②1カ月という時間軸の謎 1カ月の描写が薄い。1カ月どころか茂った葉が紅葉して落ちるほど特別授業の時間が進むのだが、その間は数学への観念的な台詞があるくらいで具体的に習う内容はなく、成績が良くなった理由に説得力が欠ける。あと退寮してた1カ月間、実家に戻らないのにどうやって過ごしたのか? この辺りは『スーパー30 アーナンド先生の教室』くらい日々の中に数学の問いを散りばめるとか、ふと目にしたものを数学的に考える癖がつくとか描写すれば良かったのでは。 ③先生の動機が謎 給料低いの?ブランド物を身につけたり遊んでたり金遣いが荒い感じでもないし、高級車に乗ってるわけでもなさそう。指輪もしてないし独身っぽい。当然想定できる口の軽い生徒からの漏洩や告発リスクを犯してキャリアを危険に晒してまでするほどのこと?逃げ口上もあまりに小物。学校に恨みがあるとか、それこそ生徒が噂してた個人的なコンプレックでもあるとか描いてくれた方が説得力があったと思う。 劇伴、特にラストの感動的演出のBGMがかなり大きく、良く言えばわかりやすい、悪く言えば単純でベタな一作だった。 (字幕翻訳:朴澤蓉子)