見えない部分が見えてくる
starstarstarstarstar - 2年前
ギャガ様から試写会へ招待されました!
ものすごく心が掻き乱されて、観た人それぞれに別々の物語が完成する映画でした。
始まりは愛だったはず。
表面に見えている事がらは、氷山の一角でしかない。
複雑な要因が絡み合い蓄積した結果の、ほんの一部し… 続きを読む
ギャガ様から試写会へ招待されました!
ものすごく心が掻き乱されて、観た人それぞれに別々の物語が完成する映画でした。
始まりは愛だったはず。
表面に見えている事がらは、氷山の一角でしかない。
複雑な要因が絡み合い蓄積した結果の、ほんの一部しか見えていないのに、そこから単純に判断されがち。
目の見えない息子が物語のキーとなりますが、
表面に見えている部分があることが、むしろ物事の本質を曇らせていると思えてきます。
=それぞれの立場からの真実=
表面に見えていないものが徐々に見えてくる面白さ!
法廷劇としても楽しめます。
どんどん出てくる新事実に二転三転。
はたして真実を言ってるのか?一度疑いだすと、とめども無く疑惑が広がり、そもそも真実なんて無いようにも思えてきます。
それぞれの主観が真実なわけで、立場が変われば真実も変わる…
まるで黒澤明監督の『羅生門』を彷彿とさせる内容ですが、本来なら死人に口なしのところを、巫女の口寄せとは違う方法で死人に語らせます。その手があったか!あくまでも“目には見えない”ところも徹底しています。
不意にカメラがズームするのに驚きますが、ドキュメンタリーを撮られていた監督だけに、臨場感のある映像に引きつけられました。
しかし裁判って、どっちが勝っても負けても、パーソナルな部分が人前に晒されて、消耗して疲れ果てて…良いことないね。
途中からは、検察官がなんとか有罪にしようとやっきになっているようにしか見えないし。皆んながそれぞれ自分の立場からの“真実”に着地させようと法廷で戦っている図式も見事。
そして、サンドラ・フラーさんの演技力。
ちょっとした仕草や視線から、映画には描かれていないシーンまで見えてくるから凄い。
「そうは言ってるけど、本当は…」夫婦のパワーバランスも見えてくるし
「反対もしないけど協力もしない。冷たい態度を取ってたんじゃないの?」などなど…過去にあったであろう夫婦間の様々なやり取りを、観客側に想像させてくる!
じわじわ蓄積した“過去”の説得力がすごい。
夫婦は一番近い他人。
一緒に暮らす為には、お互いに譲れるところは譲り合わないと成り立ちません。
2人の関係を大事にしたいから相手を尊重して譲ったはずなのに…じわりじわりと我慢が蓄積して不満へと変わる。
ここも、見えていない部分が見えてくる感覚でした。
彼女の物言いにスカッとする反面、決してどちらか片方のせいとは言い切れない心理が複雑に絡み合います。
社会的立場への嫉妬や、自分への不満、苛立ち。
表面に見えている肩書きで人は評価されがちで、育児や家事や介護など家族の為に割く時間はなかなか評価されにくい。
私の場合は15年間映画を観る時間も取れないほどでしたが、一昔前の人間なのでそれが普通だと思っていたし、何より家族にとって必要不可欠な存在だと思えていた。
この映画を観て強く感じたことは、状況や立場が変わった時、自分の中に新たな存在意義や存在価値を見出せるか否か?がとても重要で
それには周囲からのリスペクトが必要不可欠。
「ありがとう。あなたがいてくれて本当に良かった。」そう思いあえることが何より大事だと感じました。
あと、この映画を更に一筋縄ではいかなくさせているのが、作家という生き物。
無から創造物を作りあげるパワーと覚悟。
産みの苦しみ。
一般人には計り知れない部分がありますが…だからってそんな事までする?
どうにも不自然で引っかかる部分があって、
仕組まれた復讐にも思えます。
怖っ。
見せない部分の妄想が止まらない。
観た人それぞれに別の物語が完成する、エキサイティングな映画でした!
興味がわかなかった
starstarstarstarstar - 2年前
長い話で単調だったのか3分の1は寝てしまった
不快で魅惑的
starstarstarstarstar - 2年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
アカデミー賞脚本賞受賞とのことで期待して鑑賞
結論、そこまでではなかったが面白かった。
大音量の音楽や不律な音楽が不気味な不快感をもたらす。
ズームしたりカメラを振ったりドキュメンタリー調の映像が真実を見つけようと必死な観客のように振る舞う。
結果、自殺か他殺かは関係ない。
というかどうでもいい。
大切なのはどう解釈するか。
人によって視点が変わり、それを判断する価値観も違う。
何が真実かなんて誰にもわからない。
唯一わかるとすれば死んだ夫だけ。
冒頭から死んだ夫は一切出てこず、検察側と弁護側の言い分が述べられ続ける。いたちごっこのような審理は不毛にも思えて見てるこちらも徒労感を覚える。
やはりこの世に客観的という概念は存在しないのだ。
誰かがある証拠から、"〜と考えられる"と述べた時点で
それはその人の主観であり、客観的とは言えない。
間違いなくあるのは人が死んだとか、血痕が残ってるとか、何がそこにあったのかという事実しかない。
検察側は終始誘導的に弁論を行い、何でも可能性がゼロではないとして思い描く結論に結びつけようとする。
検察側の証人は特にその色が強く、血痕の分析官も主幹刑事もあくまで被告が殺害したという前提で論理を組み立てる。
弁護側はそれに対して再三注意を促すが、結果的に弁護側も想像に身を任せるしかないとして心理的に訴える。なんて馬鹿馬鹿しいのか。
客観的事実の検証などなく、どちらの言い分に妥当性があるのか、どちらの物語の方が最もらしいか裁定してるにすぎない。裁判とは文学であると言わんばかりに。
現行の裁判制度を批判しているようにも思えた。
また警察や検察が無能だと殊更にアピールしているようでもあった。
作中では何が真実かわからないが、
事実として妻は殺してる。
(そう言い切れるのはそれを物語として望んでいるから)
それが直接的か間接的かはわからないが殺してる。
自殺だったとしてもそこに追い込んだのは間違いなく、
本人もそれを自覚してるのに無実になって安堵してるラストはとても後味が悪い。
無論、夫が死んで悲しい側面も間違いなく存在していたと思うが、そうではない側面もあったはず。
それが正しいか正しくないかはもはやどうでもいい。
作中で死んだ夫が映像で出来たのは2回だけ。
録音された妻と口論するシーンと息子の記憶の中。
口論のシーンは個人的に身につまされる気持ちだった…
上手くいかない状況を変えるために引っ越しを決めたのも自分だし、執筆が上手くいかないのも自分だし、息子の勉強を見ないといけないと思ってるのも自分自身。その上で自分の時間がないという主張は我儘で自分勝手にも思える。
一方で、そんな夫の気持ちなど我関せずといった具合に、執筆にあてる時間を確保することが当たり前だとする妻。夫の不満は夫自身が自滅してるだけで人のせいにしてないで書けば良いじゃないかと迫る。法廷で英語を使うのも私に合わせてくれという強要に他ならない。少しずつ譲歩させて自分の領域を広げていく。無意識に夫の配慮に甘えて、胡座をかいて、自己を正当化してる。
個人的には夫に感情移入できるので(ジェンダーなのかな…)こちらの気持ちも汲んでもっと協力してくれと思う気持ちもわかるし、それが言い訳でしかなくて上手く行ってる妻に嫉妬してる気持ちや自分の無力さに打ちひしがれる気持ちもよくわかる。
だから明確な悪者がいるわけではない。
価値観が違うだけ。それで人が死ぬ。
でもたぶん妻は殺してる。自殺ではないと思う。
あれだけ不快な大音量なのに耳栓して寝れちゃう点
前日に口論をして暴力的に攻撃をしてるいる点
現場検証などで矛盾点が多く証言が二転三転してる点
冒頭学生が聞いた小説と事実の一致をはぐらかしたことからも小説はかなり自身の心情を表してると思われる点
検察側が立証できなかっただけで確かなアリバイがない点
そして何より息子の追加の証言。
なぜ弱視の息子が思い出した記憶の中で父は鮮明なのか。
息子は裁判をよく理解してる。
それは作り上げられた記憶であって、主観的なお気持ち表明だとしても裁判官らに与える影響は絶大であるとわかっている。
息子はもしかすると母親が父親を殺す瞬間すら聞いていたかもしれないが、息子は無罪の母を望んだ。
殺したか殺してないかは関係ない。
自分が望む結末になるように証言の日まで母を遠ざけ、犬に実験をして自らの証言の確実性を高めた。
身の毛もよだつ母子である。
まあ、これも主観的想像でしかない。
私のような想像力豊かで残虐な結末を面白いと思って選択する悪辣な観客ほど楽しめる映画だと思う。
何とも嫌な気分だが、なぜだか笑みが溢れる。
レズビ毒母はしたたかなのよ
starstarstarstarstar - 2年前
タイトルは残酷で、本作は本当に亡くなった人の苦しみを悲しんでいるのか、どうか不明です。
女性監督が男性嫌悪を描きたかった。
マウントを取り自分が上ではないと気がすまない女性特有の業を描きたかったのか。
死亡は殺人か自殺か事故かを明らかにはし… 続きを読む
タイトルは残酷で、本作は本当に亡くなった人の苦しみを悲しんでいるのか、どうか不明です。
女性監督が男性嫌悪を描きたかった。
マウントを取り自分が上ではないと気がすまない女性特有の業を描きたかったのか。
死亡は殺人か自殺か事故かを明らかにはしない。
素直にそう観たほうが無難なのだろうか。
容疑者は、どうやって殺したか。
その点からボヤケていて、よく直接的証拠もないのに検察側は容疑をかけたのか不思議であった。
こんなに、いい加減な警察ってあるのかい。
その点をボカシて話を進めるので、大人しく観ていた。
(カンヌ等、賞も沢山獲っているからね。
衝撃の作品に違いないと期待を持続しました。)
ただ裁判劇も肝心の事件より暴露話がスキャンダラスで、
ハンディキャップのあるひとり息子が再び証言するというクライマックスは邦画の名作『疑惑』を期待したが、
そんなエンタメは本作の狙いではない。
(ワンコを幼稚な実験に使うのは悲しかった。映画であっても辛かったです。)
ダンナを殺したとされた容疑者は女流作家で、身の上話を作品に反映させているバイセクシュアル。
って氷の微笑のシャロン・ストーンじゃん。
犯人じゃん。
主役の女優さんがケイト・ブランシェットを薄くしたような方で、私の中ではケイト・ブランシェットにしか見えなかった。
なぜ主人公はダンナと別れず、女性と浮気してもダンナと別れず、
苦しいと病んでゆくダンナと都合よく距離だけおいて、
それでも別れなかったのは、どうしてどうして。
その部分をもっとハッキリしっかり描いてほしかった。
愛とするには、共感はされまい。
自己中心的なパーソナリティが一貫されているし、
ラストシーンのふてぶてしさもあるから、
そういう女性像を現代に描きたかった、のだろうか。
(今村昌平監督の作品で、この手の女性像は既に観ているぞ。)
冒頭から女子大生と場所を替えてヤル気マンマンのレズビ毒母は
自ら殺めた(とされた)夫の悲しみより己の無罪判決に安堵したが、
そんな方と生きなければならない息子とワンコが不憫でならない。
タイトルを良い意味で裏切る
starstarstarstarstar - 2年前
法医学観点からの法廷劇だろうと大ラスの大オチを期待するミステリ脳だと、おや⁈ここで終わるのかとなるかもしれません。
アナトミーはメタファー的であったとは。
良い意味で予想を裏切りました。
圧巻の演技力で最後まで目が離せず、鑑賞後の心のざわつきがすごいです‥。