究極の自由
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
アメリカらしい「放浪」への憧れ。文明や物質に頼る道を断ち、自然と限りなく同化していく。支配されることをどこまでも拒絶して。怒りを生の力へと転化して。トルストイとジャック・ロンドンとソローをたずさえて。ロンドンが描くトランプもマッチョで無敵だけれど、「スーパートランプ」の生き方もまさに超人。ソローのように愛よりも、金よりも、名声よりも、真実を求める生き方。こういうストイックさに私はどこまでも憧れてしまう。荒野の罠にはまったマッカンドレス、最後に空を見つめていた視線が強烈すぎて、胸にこびりついて離れない。文明に毒されてしまった、フィルターのかかった見方しかできなければ、なんてあっけない最期なんだと思うかもしれない。しかし、荒野に分け入り自然の中で生きる(生かされる)ことの意味を知っている者にとっては、生の意味を輝かせる過程で辿った強くて完全な最期。 この映画を見て、「放浪」とは究極の意味で「革命」なのだと、改めて実感した。 (そして、この映画を見てトルストイを読んでみようと思った。)