芳醇で色彩豊か
starstarstarstarstar - 1年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
めっちゃ良かったかも
なんか上手く言えないけどすごい良かったかも
ほとんどが2人の会話で構成されていて、ゆっくりと時間が流れながら徐々に死へと向かっていく。
お互いに激しく傷つけたり、怒り狂ったりすることはなく、冷静に自分の気持ちと相手の気持ちに折り合いをつけて意思決定をしていく姿は淡々と見えるけど互いに大きな愛がある。
家も家具も本も花も服もフルーツも、画面に映るものはどれもカラフルでエネルギーに溢れているのに、2人の会話は終始モノトーン。マーサの死についてだけでなく、子どもの話、戦争や気候変動など生死(白黒)に関連する話題が続く。
殺人や自殺幇助を疑われることを見越して、イングリッドが外出している時に消えゆく姿は一際美しく尊厳のある最期に見えた。
自殺は犯罪であって幇助の疑いがあれば追及するのは当然で、信心深いクリスチャンの警官からすれば尚更だが、セックスについてオープンに話したり、同性への愛を尊重したり、尊厳ある死を受け入れられる彼女らの世界を警官が理解することはできない。
互いにリスペクトのある2人の世界に死を迎え入れることでまた新たな物語が始まるような終わり方だった。
ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアはアップの画が多用されているのにナチュラルな美しさで映画全体がなんだか香り高く、ウィットで、奥行きのある感じ。寒い空気が鼻を抜けてスッキリした後味があるのに、どこか少しグロテスクな感覚も残る不思議な気分。
アルモドバル作品は
starstarstarstarstar - 1年前
だいたい見てるが、本作のヴェネチアの金獅子賞は過去の名作に対する功労賞?それと有名女優2人の起用。誰も文句の言えない物語の内容。しかしこれまでの映画のような人間に対する応援歌のような感じがしない。実際にこの病気と闘っている人から見ると、どう… 続きを読む
だいたい見てるが、本作のヴェネチアの金獅子賞は過去の名作に対する功労賞?それと有名女優2人の起用。誰も文句の言えない物語の内容。しかしこれまでの映画のような人間に対する応援歌のような感じがしない。実際にこの病気と闘っている人から見ると、どうなのかと思う。
以下はネタバレさせていただきます。↓
そもそも、この事件に付き合った側(ジュリアン・ムーア)の理由は、当事者の昔の男を今は隠れて付き合っている後ろめたさが原因に見える。ティルダは美しく力強くこの世を去るが、遺産を友人に残すのは、本件の疑いを増幅させるので、普通は遠慮するんじゃないのかな。
死にゆく友に寄り添うこと
starstarstarstarstar - 1年前
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』以来5ヶ月ぶりのアルモドバル。前作も良かったが、この作品も素晴らしかった。彼の作品はもしかすると観るひとを選ぶのかもしれないし、作品によって出来不出来もあるかもしれない。が、常に自分の立つ場所から作品を送… 続きを読む
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』以来5ヶ月ぶりのアルモドバル。前作も良かったが、この作品も素晴らしかった。彼の作品はもしかすると観るひとを選ぶのかもしれないし、作品によって出来不出来もあるかもしれない。が、常に自分の立つ場所から作品を送り出してくる彼のぶれることのない作家性、アルモドバルらしさからは、いつも他では得られない何かを教えられる。
この作品、ゴダールのことを思いださずにいられなかった。そう、そうなんだね…と。
地味でスタティックなポスターがミスリードである気がする。アルモドバルの世界はもっとカラフルで、死を中心に据えた物語でも、暗く湿ったものではなく、生の躍動を内包する。この作品でも過去の日々が描かれ、その上での最期なのだ。
ジョン・タトゥーロ演じるデイミアンがイングリッドに言う言葉「きみはひとに罪悪感を抱かせずに苦しむ方法を知っている」が心に残る。
ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアの競演が素晴らしい。
逆説的に「生きること」について
starstarstarstarstar - 1年前
とても良かったです
先日観た「敵」もある意味で「死」とたたかう映画でしたが本作も「そのとき」を題材にした、逆説的に「生きること」についての映画でした
抗うこと
受け入れること
尊厳を保つこと
自分なりの方法で闘うこと
ティルダ・スウィ… 続きを読む
とても良かったです
先日観た「敵」もある意味で「死」とたたかう映画でしたが本作も「そのとき」を題材にした、逆説的に「生きること」についての映画でした
抗うこと
受け入れること
尊厳を保つこと
自分なりの方法で闘うこと
ティルダ・スウィントンもジュリアン・ムーアも1960年生まれ、マーサもイングリッドも芯が強くでもイングリッドはいい感じに柔らかくこなれていてマーサは尖っていて
マーサ(ティルダ・ウィンストン)が腹を括ったシーンの美しさといったら!
老いた女優の信念に依るもの
starstarstarstarstar - 1年前
スクリーンいっぱいに顔。
そこに存在がある。
執拗にアップで老いた女優(失礼)を晒す。
皺のひとつひとつに人生あり。
嫌だろうなあと思う本人たちは。こんなにもアップでみんなに見られる。と、いうのは一般市民の思うところ。たぶんこの方たちはそれ… 続きを読む
スクリーンいっぱいに顔。
そこに存在がある。
執拗にアップで老いた女優(失礼)を晒す。
皺のひとつひとつに人生あり。
嫌だろうなあと思う本人たちは。こんなにもアップでみんなに見られる。と、いうのは一般市民の思うところ。たぶんこの方たちはそれぞれ人生に真剣に取り組み自分の意志でしっかり歩いてきた方たち。胸を張ってどうだ!と言わんばかり。それがスクリーンからもしっかり伝わりますよね。滲み出る人間性。そうか、監督の狙いもそれか。
芯には揺るぎない毅然たる確固たる圧倒的な強さがあります。自分なりに完成された信念に依るものがありそれ裏切らない強さ。
以上が土台にあり、そして物語を紡ぐ。
もう身を委ねました。
その行く先を。
自分の考えはいらない。
というのもひとつの見方です。