この旅は無駄では無かった
starstarstarstarstar - 1年前
原題は「不虚此行」(ぶきょしこう)「この旅は無駄ではなかった」という意味。だそうである。『来し方 行く末』というタイトルをよくつけたものだと感心します。ついつい原題直訳のタイトルの方が良さそうに思えたりするからです。
↓以下はネタバレます… 続きを読む
原題は「不虚此行」(ぶきょしこう)「この旅は無駄ではなかった」という意味。だそうである。『来し方 行く末』というタイトルをよくつけたものだと感心します。ついつい原題直訳のタイトルの方が良さそうに思えたりするからです。
↓以下はネタバレますので見た人だけで↓
実は見る前から果たして中国だからとて、弔辞の代筆業が成立するのだろうか?興味はこの一点でした。書くのは大学院まで出たけれど、脚本家としては成功しなかった。しかし弔辞書きの評判の良い男。という設定だ。
古今東西「弔辞の代筆業」は聞いた事がない。記憶に新しい所では、安倍晋三当時総理が暗殺された後の席に座った菅義偉が、葬式でなかなかの弔辞を読んだら、テレビ朝日のスーパー平社員の玉川徹が「その弔辞に電通が入ってる」と軽口を叩き。のちに電通に謝罪した事ぐらい。この時玉川徹の当て推量は外れ、大恥をかいた。その後の玉川はテレビコメンター界隈では群を抜いて言葉に責任を持つ男になった。と思う。
大人の成長物語
starstarstarstarstar - 1年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
全体を通してスモーキーカラーの柔らかい色合いの映像が心地よく、殆ど意味がわからない中国語の音と共に、前半は軽い眠気に誘われた。
かつて脚本家を志した主人公の聞善が、弔辞を書くことを生業としているという興味深い設定。丁寧で誠実なリサーチを通して少しでも正確な故人の姿を描こうとするのだが、縁のある人から話を聞くにつれ、「人は関係を持った人たちそれぞれに、違う姿を見せている」と気づく。
こうして淡々と丁寧に、弔辞のエピソードが綴られる作品かと思ったら、物語のフォーカスは徐々に聞善自身へと移っていく。
同時に、謎の同居人 “小尹”にもフォーカスが当たる。この同居人について、何の説明もなく物語が展開し、その存在がいよいよ不自然に感じてきた頃合いで、実は聞善が書けずにいた脚本の主人公であると同時に、聞善自身であることがわかる。(この解釈は人それぞれだろう)
“小尹”は言わば、書けなかった、書かなかったが故に燻っていた 聞善自身の苦しみや葛藤、諦めや希望、そんなもやもやの象徴とも捉えられる。
弔辞執筆の仕事を通じて様々な人生に触れることで、「普通であることは、特別なこと」と気づいた聞善は、主人公に新たな名前をつけて脚本を書き始める。
そのとき、 “小尹”は聞善の家にはもういなかった。もやもやが吹っ切れたかのように、聞善のもとを去ったように思えた。
「君は主人公になれる」という最後のフレーズが、この淡々とした会話劇のラストを引き締める。続けて流れるエンディングの曲がまた良かった。
中国語の響きがこんなに心地いいと思ったことは初めてだ。
死後の世界からもこの世のことが見えていることを願う
starstarstarstarstar - 1年前
主人公があらゆる遺族から故人との思い出を聞き、追体験として終わらせずに第三者の立場でその人を送り出す姿勢がかなりよかった。弔辞はどんなにがんばっても本人には決して届くことのない言葉の羅列でしかないのに
「どんな愛の表現も急いだ方がいい〜♪」が染み渡る、いいエンドロール
弔い
starstarstarstarstar - 1年前
故人とはどんな人間だったのか、優しい人、厳しい人、変わった人、etc
遺された人それぞれの思い出や想いに触れながら、丁寧に故人への最後の言葉に落とし込む姿が印象的でした。
弔うとは、遺された人たちが1つの区切りをつけることなのかもしれない。… 続きを読む
故人とはどんな人間だったのか、優しい人、厳しい人、変わった人、etc
遺された人それぞれの思い出や想いに触れながら、丁寧に故人への最後の言葉に落とし込む姿が印象的でした。
弔うとは、遺された人たちが1つの区切りをつけることなのかもしれない。
止まった時間と対照的に、
ゆったりと明確に進んでいく抗うことのできない"生きる"という有限な時間。
聞善自身が弔辞の代筆を通して、自身の漠然とした"今"にどう向き合っていくのか、気づけばどっぷりと入り込んでいました。
散りばめられた弔いの言葉が、終わった後にじわじわと心に染み渡り、少しの寂しさとたくさんの温かさに満たされました。
静かに進む素敵な作品
starstarstarstarstar - 1年前
自分の弔辞も考えておこうかなと考えてしまいました。
作家さんのトークショーにも参加して、本当に深い作品だなと感じました。
弔辞
starstarstarstarstar - 8ヶ月前
あれラストどうなった
ウー・レイ
starstarstarstarstar - 1年前
ウー・レイを観たくて映画を見たけど、出番が少なく残念。でも中身は、いい内容でした。
不虛此行
starstarstarstarstar - 1年前
コロナ禍の北京で弔辞を書くために取材を重ねる脚本家の聞善。故人の生前の姿も家族や同僚、友人それぞれの側から見るとブレがあったり、仕上がった後で弔辞についての異議を申し立てられたりと、彼と故人をめぐる人々との会話で進行していくが、そこから立ち… 続きを読む
コロナ禍の北京で弔辞を書くために取材を重ねる脚本家の聞善。故人の生前の姿も家族や同僚、友人それぞれの側から見るとブレがあったり、仕上がった後で弔辞についての異議を申し立てられたりと、彼と故人をめぐる人々との会話で進行していくが、そこから立ち上がる故人の姿が興味深く、淡々とした会話劇でも飽きることはない。「同居人」小尹との会話は自らの内面に降りていくようだと思ったら、なるほどという展開。物語を生むのは多くの見聞と人々との交流。死を思い、考え、見ることで人は生を得て、前に進める。普遍的なテーマで心に染みる良作だった。
足跡をたどる旅
starstarstarstarstar - 1年前
こうした中国作品を見たのは初めてかもしれない。
弔辞の代書という仕事は今の日本では想像しにくい仕事だが、「死」という普遍的なテーマだけに心が入っていく映画だった。
1人の死にはそれだけの歴史があり、関わる人にとって多様な見方がある。亡く… 続きを読む
こうした中国作品を見たのは初めてかもしれない。
弔辞の代書という仕事は今の日本では想像しにくい仕事だが、「死」という普遍的なテーマだけに心が入っていく映画だった。
1人の死にはそれだけの歴史があり、関わる人にとって多様な見方がある。亡くなったことで思い出の一つ一つの欠片をどう集めていくか。そこには現代の人間関係も絡み、「自分ならどんな弔辞を書いてもらえるだろうか」と考えさせられる作品だった。
ここまで「弔い」と「生き方」を考えさせられる中国作品に出会ったことはなかった。いまの日中間にはいろいろな問題が横たわるが、中国の日常の一面を知ることができる素敵な作品だった。こんな作品をもっと見たい。
今のところ、今年一番
starstarstarstarstar - 1年前
その人の死後に周囲の口から語られる証言で彫り上げられていく人物像が、その人の人生の評価になる。それ故、人は油断なく生きねばならないと思わされる。
猫がかわえぇ。