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ブラジル軍事政権 赤狩り
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1970年代、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセは、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。だが、スイス大使誘拐事件を境に政情は一変し、抑圧の波が市⺠を覆ってゆく。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束され、過酷な尋問を受けることとなる。数日後に釈放されたものの、夫の消息は一切知らされなかった。沈黙と闘志のはざまで、それでもなお、彼女は夫の名を呼び続けた。自由を奪われ、絶望の淵に立たされながらも、エウニセの声はやがて、時代を揺るがす静かな力へと変わっていく。
© 2024 VIDEOFILMES / RT FEATURES / GLOBOPLAY / CONSPIRAÇÃO / MACT PRODUCTIONS / ARTE FRANCE CINÉMA
ブラジル軍事政権 赤狩り
なせ今頃70年代の軍事独裁の記憶を辿るのが? 本来古臭い話が古くならない現実が今の世界にある。 戦争がなけれはいい論者が蔓延る現在の世界に、じゃぁこんな世界に貴方は生きられるか?を突きつけてくる。
鑑賞すると、自分を見失わずにすむ作品かもしれません。 自分ではこっちが正しいと思っていても、周りが違う方向に大合唱の時、流されずに緻密な手順を踏んで、慎重に舵取りしていきたい...。 異国の実話ではありますが、どこか他人事に思えないのは、この国にも冤罪で人生を奪われた人たちがいるからでしょうか。対岸の火事のようには思えないのです。
ブラジルの軍事政権時代は1965年から85年までだったというので、冷戦の影響が及んでいたとはわかるが、どうしてもベトナム戦争周辺に目がいってしまうアジア人としては、ラテンアメリカの状況まではどうしても気付きにくい(この時代を舞台にした文学作品もあるのに)つまり知らなかった。 軍事政権下にあっても人々は自由を謳歌できたが、一旦締め付けが始まると、自由が制限され、人権が侵される。映画でのこのくだりに台湾の白色テロや、現在香港でかつての民主化運動に関わって逮捕・拘束された人々が重なった。 その中で一家の主が逮捕・連行されて後に残された家族の視点から映画が描かれ、その事件を辛抱強く追及していった母の姿には驚かされる。理不尽さに悲しまず、声をあげていくことの重要さは昔も今も同じということだが、軍事政権下で逮捕されて処刑された人々に対して軍部からは今も証言等が出ていないというようなことが字幕で明らかにされたことで、負の歴史が総括しきれないのはいずれも同じか…と気が重くなった。
2025年の第97回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞したのも納得の正攻法長編作品だった。26年前のサレス監督作品『セントラル・ステーション』がフィクションの感動作だったのに比べ本作は21年前のヒット作『モーターサイクル・ダイアリーズ』寄りの、実話をもとにした社会派大作だ。 50年以上前、地球の裏側の南米大陸の国々は軍事独裁政権の支配下にあり、人々の言論、内心、表現の自由がいとも簡単に踏み躙られていた。今までに、チリ、ボリビア、アルゼンチンの軍事政権時代を描いた作品は数多く観てきたが、ブラジルも事情はまったく同じ。 今も某政党が呼びかけている「スパイ防止法」が濫用された世の中はこんなだろうなとか、事情は異なるが日本にも行方不明の家族を探し続ける拉致被害者家族の方々がいるなあ、と想像力を掻き立てられる。でも1番印象的だったのは1970年代からの約50年間の家族史で、同じ時代を地球のこちら側で生きてきた自分の歴史と重ね合わせると自然に胸が熱くなった。 リオデジャネイロ、サンパウロを舞台にしたブラジル映画らしく、カエターノ・ヴェローゾら同時代のMPB(ブラジルポピュラー音楽)がふんだんに使用されている音楽映画としても楽しめた。