O OTASUKU 不可能は可能になるか?
starstarstarstarstar - 2ヶ月前
「イヤなタイトルだなぁ」と、癌患者は思うだろな。なぜなら「急に具合が悪くなる」のは、進行癌の患者には回避出来ない必定だからである。そんなんで見るのに少し抵抗があった。
いろいろ意外な作品だが、長塚京三氏のフランス語のセリフの堪能には感服致… 続きを読む
「イヤなタイトルだなぁ」と、癌患者は思うだろな。なぜなら「急に具合が悪くなる」のは、進行癌の患者には回避出来ない必定だからである。そんなんで見るのに少し抵抗があった。
いろいろ意外な作品だが、長塚京三氏のフランス語のセリフの堪能には感服致しました。濱口竜介という監督は若いのに、癌患者の事、介護士の事、看護師の事、認知症の事も、自閉症の事、精神病院の問題もよくわかっているし、何より構造への挑戦者だった。今回ばかりは映画がファンタジーで終わって欲しくない。
「資本主義が少子化を産む」説明は、大変判りやすかった。だが日本経済のバブル後の長い停滞は、高度成長が理由ではない。バブルの放置と崩壊後の一部都市銀行だけへの公金投入。その後も大企業のみを延命させ、その当時のスタートアップ企業を踏みつぶしてきた癒着政策のツケなので、次回はコレらもわかりやすく説明してくれる意欲作に期待したい。
ひ ひる
濱口監督の新境地?
starstarstarstarstar - 2ヶ月前
相変わらずの長尺、今までにないくらい具体的なテーマが前に出ている分、これまでの作品で観られた寓話姓は抑え目。主役二人が出会った途端に心が通じ合い、自分の分身のようにお互いがお互いを無くてはならない存在と感じる。絶えることのない会話が続き(し… 続きを読む
相変わらずの長尺、今までにないくらい具体的なテーマが前に出ている分、これまでの作品で観られた寓話姓は抑え目。主役二人が出会った途端に心が通じ合い、自分の分身のようにお互いがお互いを無くてはならない存在と感じる。絶えることのない会話が続き(しかもバイリンガル)、無駄のない脚本と丁寧なセリフ運びは濱口節で楽しくはあるが、介護の理想と現実から資本主義と少子高齢化、果ては格差社会と世界の未来まで語り合うので、内容はかなり現実的。心が通じ合う二人なので、会話のすれ違いもなく、ユーモアは低めなのは致し方ないか。役者が上手い分、前作よりは好み。
ヘ ヘルヴァ 心と脳に染みる知的エンタメ
starstarstarstarstar - 2ヶ月前
とても美しい映画だった
アクション的なエンタメではないけれど 優れた知的エンタメだと言いたい
不可能を可能にする方法 は決して諦めないことなのだろう
私はこの映画がとても好きだ!
蛇 蛇鶴八歩 映画に時間は関係ない
starstarstarstarstar - 1ヶ月前
映画に時間は関係ない。
時間という概念はあってないようなもの。
終わってみたら、あっという間の気もするし、一年くらい経った気もする。
と、こんなことを考えることも無意味であるように思う。
現実の中では決まった時間であったとしても、映画の中で… 続きを読む
映画に時間は関係ない。
時間という概念はあってないようなもの。
終わってみたら、あっという間の気もするし、一年くらい経った気もする。
と、こんなことを考えることも無意味であるように思う。
現実の中では決まった時間であったとしても、映画の中では無限。この感覚が大好きです。
不思議な映画だった。
いわゆるライン上に起こる起承転結をそのままなぞるわけではなく、少し物語からズレてズレたままそのまま違う方向に引っ張られていくような。かといって全く正史とは違う物語になっているわけではなくきちんと伝えたいことは伝えている。
映画を見終えてから「急に具合が悪くなる」の原作を読んだ。基本的に往復書簡(はじまりとおわりにある程度説明はあるにしても)。
設定が全く違う。それでもこの映画の原作はこれに違いないというのはなんとなくわかる。
これがなんとなくではなくきちんと説明できる人がきちんと核心を掴んでいる人なのでしょう。残念ながら私にはそこに辿り着くることができなかった。
往復書簡を担う1人、人類学者の磯野真穂さんが何かのインタビューで言ってました。「この映画は、この原作の中にある言葉をそのまま使うことではなく、中核を掴んで表現してくれている」と(言葉が「中核」だったか「本質」だったか定かではない。本当に粗末な自分の記憶を司る器官を恨む。「本当に伝えたいこと」を表現してくれたという意であったと思う)。
原作者がそういうのだから間違いない。きちんと監督なりの方法で物語の正史を辿ったのだろう。
今、呆然としている。
内容については触れない。というか触れたくない。たぶんこの映画は観た人それぞれが自分なりの解釈を持つような映画だ。
それぞれの解釈をお楽しみください。
g gosco
終わって欲しくない映画
starstarstarstarstar - 1ヶ月前
序盤の公演シーンでじんわり胸うたれ。
ずっと思考を掴まれ続け。
あ、おそらくこの映画が終わる頃に彼女は亡くなるのだ、と思い、いつまでも映画が、二人の会話が続いて欲しかった。
ど どするん boltネタバレ
なんだかよくわからないが
starstarstarstarstar - 1ヶ月前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
よかった気がする。
なんだかよくわかってないけど、でもそれでいい気がする。
すごく手触りのある映画だった。足触りか。
手をとって、視線を落として、足も揉む。
触覚を感じる映像だったように思う。
ふとしたことから出会い、惹かれあって意気投合する2人は少ない言葉で互いの環境や考えを共有しあって数日で人生のパートナーのような絆が生まれる。
一緒に歩いて、パンを食べて、タバコを吸って、時間を共にすることで2人の境界が曖昧になっていく。2人の内と外はなくなっていくように。
それでも末期がんは真理を離さない。
一緒に朝焼けに照らされながらカップ麺ができるまで、死への恐怖を認める真理とそれをも抱え込んで一緒に生きようと願うアン=マリーの会話はとっても素敵だった。
現場の疲弊と中間管理職の組織改革と経営陣の利益追求は介護に関わらず現代においては何処でも起きている問題で、互いにプロとしてリスペクトを持って接することでしか進展は望めない。
資本主義と民主主義が一体となっていて、自然などの外部に依存することで成り立つ今の社会は外部に限界があるため内側は縮小し、自然は壊れ貧富の差は拡大していく。境界線を引き直す試みもいずれは行き詰まりを見せる。少子高齢化は日本に限らず人類にとって避け難い未来であり、介護というテーマで社会の在り方、構造を考えさせるのは強いメッセージ性があった。
最後に中庭で行われた演劇は、ワークショップにならってみんなが足を揉み出し、誰もが狂っていることを実演したカオスな空間だったが、それこそが健康な人間であるということの答えでもあるようで、合ってるのかはわからないが混ざりたくなった。笑
そして、ラストまた運が巡ってくるのも可笑しかった。
みなさん素敵な俳優さんばかりだったが、長塚さんがとっても魅力的だった。
一緒に生きた一瞬一瞬があれば、それでいいじゃないかと。私もコーヒーを淹れる間に語らうような友人がほしいな。
T Takako Motohashi soudain:All of a Sudden
starstarstarstarstar - 1ヶ月前
初めて出会った相手と意気投合し、社会の理不尽やそれによって生じる不可能を可能とすることへの努力についてなど、夜を徹して語り合えるという経験は滅多にあることじゃないし、それにも増して強烈である。しかしその相手は「急に具合が悪くなる」人で、いつ… 続きを読む
初めて出会った相手と意気投合し、社会の理不尽やそれによって生じる不可能を可能とすることへの努力についてなど、夜を徹して語り合えるという経験は滅多にあることじゃないし、それにも増して強烈である。しかしその相手は「急に具合が悪くなる」人で、いつまでも一緒にいられない。命尽きようとする彼女をどう支えるか、そして自分の抱える問題をどう解決していくか。終末治療や介護現場の大変さ、資本主義の現在など極めて社会的なトピックを語り合いながら希望を捨てずにいること、被介護者の人権を尊重していくこと、難しさはあっても前向きに考えられるのは、映画がまだ捨てたものではないという可能性を持っているものであるからだろうか。
m m78
長さは感じない
starstarstarstarstar - 2ヶ月前
原作本のエッセンスはそのままに、いろんな角度から人と人が向き合うことの大切さが、描かれて。
3時間越え、全く長く感じなかった。
r ryuotokame
ソウルメイト
starstarstarstarstar - 2ヶ月前
安直だが、昔流行ったソウルメイトという言葉を思い出した。淡々と流れていく。日常の景色と会話が心地い。
か かみやしろ 京都での朝方のカップヌードル
starstarstarstarstar - 2ヶ月前
"構造"と闘う介護施設長マリーとガンと闘う舞台演出家マリ。
施設入居者と向き合いながらゆっくりサポートする経営方針にはうなずける。しかし医療現場との温度差が生まれるのは世界共通なんだな。
2人のマリはお互いを理解し合いながら各自が直面する悩… 続きを読む
"構造"と闘う介護施設長マリーとガンと闘う舞台演出家マリ。
施設入居者と向き合いながらゆっくりサポートする経営方針にはうなずける。しかし医療現場との温度差が生まれるのは世界共通なんだな。
2人のマリはお互いを理解し合いながら各自が直面する悩みと共闘していく姿はなるようにしかならないことを前提に決着に向かっていく。
施設名ともなっている「自由の庭」の庭で繰り広げられるの足裏のツボ指圧をする風景は自由過ぎて滑稽。
それにしても3時間18分はちと長い。
2026.6.20
ぼ ぼぶ boltネタバレ
構造に取り込まれない挑戦
starstarstarstarstar - 1週間前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
"真理が急に具合が悪く"なってから。
now/here,Cityの外側に配置されたNature,Bodyをnow/hereに取り込む真理の挑戦は、「自由の庭」の利用者とスタッフの心と身体を解していく。
安定的な施設経営と理想的な介護(ユマニチュード)の狭間で、お金の問題(the poor)で諦めざるを得ないと思われた現実にさえ、緩やかにそして確実に変化を起こしていく。
"急に具合が悪くなる"前に、
「この世界に何も残さずに死ぬのが悔しい」と言っていた真理は、ひとつの介護施設に未来への希望の光を灯した。凝り固まったマリー・ルーの心と身体を解きほぐし、スタッフとの関係性を修復し、解きほぐされた空気が施設全体に行き渡るような通り道を築いた。
中庭での公演のシーンは、真理とマリー・ルーの信念と挑戦、その途中経過を静かに賞賛するように描かれている。
細部の演出に心の中で拍手を送りながら、自分も観客の一人として、展開を見守った。
境界線が流動的な世界観の最たるものは、向かい風での散骨シーンだ。
遺骨を顔面に被りなが、笑顔で散骨する清宮さんとトモキ。
既成概念に縛られず、組み換え可能で、関係性の中で変動可能な価値観。
人を固定的なカテゴリーに閉じ込めない世界。真理が望んだ世界を描いているように思えた。
そして、“急に具合が悪く"なってから、ずいぶん頑張れたもんだ、と作品を振り返って気づいたのだ。
真理が最初に倒れたとき、あのままパリの病院で亡くなっていたのではないか。
そう考えると、真理が部屋に迷い込んだ青い鳩を空高く放ち見送るシーンが鮮明になる。
死を間際にした真理を取り巻く出来事が数日刻みで進行する違和感や、6月に真夏のように蝉が鳴く違和感も解消された。
何がすごいって、映画を観ている間はこんなこと一切考えずにいられたことだ。
それだけ、ストーリーに引き込まれ、登場人物に寄り添っていたのだ。
な なおき
この映画に出会えてよかった
starstarstarstarstar - 2週間前
観た後世界が変わる映画
この作者の授業を受けていたが、まさにそこで習ってた内容が映画でも繰り広げられていた
前提知識がない観客にも丁寧に新しい世界の見方を説明してくれるので、その知識を得た後、それを元に映画を見ていく仕組みが親切であり、新鮮だった。
人生を通して
何回も観たい
k koomy
どう考えたってこの世界が最高
starstarstarstarstar - 4週間前
◯2人の対話の中で、資本主義のこの世界の閉塞感が語られるけれども、その中に生きる人はそれでも生きたいと願ってる。真理の「どう考えたってこの世界が最高」の言葉が、根源的な生への欲求として、心を捉えた。
◯施設という存在を疑問視する視点は無い… 続きを読む
◯2人の対話の中で、資本主義のこの世界の閉塞感が語られるけれども、その中に生きる人はそれでも生きたいと願ってる。真理の「どう考えたってこの世界が最高」の言葉が、根源的な生への欲求として、心を捉えた。
◯施設という存在を疑問視する視点は無いように思えたけど、それでもバザーリアが時間と対話によって精神病院を無くす改革を成し遂げたのを、監督はよく理解していると感じた。
◯空を見上げて木のざわめきと光を捉えるカメラワーク、不穏かと思ったら温かったりその逆だったりする石橋英子さんの音楽、そして素晴らしい俳優の方々、全てがセンスの良い映画だった。
こ こまちこまち
リアル
starstarstarstarstar - 1ヶ月前
福祉の世界で生きる者として
とてもリアルな映画でした
出会いについては…
映画的なストーリー感は否めませんが
素敵な心温まる時間でした♡
ら らっこ 良い映画だった
starstarstarstarstar - 1ヶ月前
長回しでの会話シーンがすごかった。
役者さんって凄いなぁと、最優秀女優賞に選ばれたのも納得。絶え間なく交わされる2人の会話によって、心の距離が近くなっていく様子が自然に演出されていた。
真理が『生きたい…』と弱音を溢すシーンでは涙が溢れた… 続きを読む
長回しでの会話シーンがすごかった。
役者さんって凄いなぁと、最優秀女優賞に選ばれたのも納得。絶え間なく交わされる2人の会話によって、心の距離が近くなっていく様子が自然に演出されていた。
真理が『生きたい…』と弱音を溢すシーンでは涙が溢れた。助かることのない命、薬で痛みを緩和して死を待つ真理の心情、怖さなんて、まるで想像できない。
つい最近、乳がん闘病について綴られた小説『くもをさがす』を読み終えたばかりだったから、そっちの主人公の思いや辛さが思い出されて、いっそう心に刺さった。
不可能は不可能
だけれど、不可能だと最初から諦めるのではなく、可能にできる抜け道をどうにかもがいて探して足掻くような人生を歩んでいきたい。リスクを恐れて安全地帯に身を置いているばかりでは、なにも変わらない。
目線の高さを合わせて、やさしい声のトーンで、やさしい気持ちでどんな人にも接したい。
そう思わされる映画だった。