一度は訪れたい
一度は行かなければと思っているアウシュビッツ。その想いをまた強くした。 過去に触れたくない父と、父や亡き母の思い出を辿りたい娘。難しい父娘関係のイライラと悲しみとお互いへの愛。出会った人たち。良い映画でした。ちょっとお涙頂戴的な部分が気になったのでそこで⭐︎マイナス。そう感じたのが、単に娘の話し方が私の好みじゃなかったせいなのか、本当にお涙頂戴すぎたのかはよくわからない。
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1991年、両親の故郷であるポーランド・ワルシャワにNY生まれのルーシー(レナ・ダナム)が初めて降り立つ。ホロコーストを生き抜き約50年ぶりの帰郷となる父エデク(スティーヴン・フライ)も一緒だ。自身のルーツを探りたいルーシーの計画を次々に潰していく父に、ルーシーは爆発寸前。アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れ初めて父の口から恐ろしい記憶を聞くも、2人の心の溝は埋まらない。ついに父と別れNYへ帰ると決めたルーシーを、父は思いがけない場所へと連れていく——。
©︎ 2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAIKU FILMS
一度は行かなければと思っているアウシュビッツ。その想いをまた強くした。 過去に触れたくない父と、父や亡き母の思い出を辿りたい娘。難しい父娘関係のイライラと悲しみとお互いへの愛。出会った人たち。良い映画でした。ちょっとお涙頂戴的な部分が気になったのでそこで⭐︎マイナス。そう感じたのが、単に娘の話し方が私の好みじゃなかったせいなのか、本当にお涙頂戴すぎたのかはよくわからない。
覚え書き 今から40年近く前のポーランドの貧しさにまず驚く。使用済み歯ブラシを売りものに?しかし戦前の、つまり50年以上前の磁器、コート!の美しさ。ヨーロッパの底力。 ベジタリアンで7時以降、食べないダイエットしてる36歳の体型、夜中に自分で入れ墨、『第三帝国』を読むところに闇を感じた。 何を刻んでいるのか分からない入れ墨。 鉄道旅を嫌がっていた意味が分かって胸が痛くなる。飛行機に乗り遅れたのも、とぼけていたけど、やはりまだ帰国することが辛かった。ただ娘を守るため、決行したということ。
なんだか息苦しくなるような娘。 愛し愛されることに素直になれない。もう若くもなく美しくもないけど、まだ少女のような潔癖さが自分を苦しめてる。 父親に対して期待する気持ちはわからなくはないけど、お互い大人なのだから、むしろ日々を楽しんで生きようとしている父の姿勢を喜んであげるべきかも...。 生きてきた軌跡をたどろうとするのが父親ではなく娘だというのが、ね。そもそも父にとって痛みを伴うこの旅は忘れたい記憶では。 思ったよりみっちりとした重さのある作品、悪くないけど。
ギクシャクした親子のドタバタ珍道中の先に見えてくる、深い家族の絆と愛。 ラストは涙が止まりませんでした。 戦争の傷は次世代にも連鎖する。 一度始まった戦争に終わりは無い。 戦場にいた兵士のPTSDについて知る機会も増え、とくに去年は戦後80年の節目で、日本兵のPTSDについても多く語られる機会があったように思います。 その中に「今から思うと酔っ払って暴力を振う父親はPTSDだったのかもしれない。」という証言を聞いてショックでした。 愛したいのに愛せない。 愛された記憶が無いから愛せない。 「戦争さえ無ければ」と何度も何度も強く思う映画でした。 最初は大人になった娘との距離が掴めないマイペースな父親かと思いましたが、列車に乗ろうとするシーンで明らかフラッシュバックが起きていることに気づかされます。(スティーブン・フライの演技力!!列車の車輪がきしむ音!) おそらくルーシーの母親はPTSDのフラッシュバックが度々起きていて、明らかにルーシーにも影響を及ぼしていた。 そんな母親の死をきっかけに、ルーシーは母親を苦しめていた過去を知る旅に出たのだと思うのですが 実は明るく見えていた父親も現在進行形で苦しんでいたことを知ることになり… これまで2人がそれぞれ別々に抱えて苦しんでいた問題の原因が実は同じところに端を発していたことを知る。 この親子の関係を通して、自分の抱えている問題は決して自分だけのものではなく、自分が問題を抱えていることによって周囲にも影響を与えているのだと知りました。 (イラついたり強引な行動に出たり、上手く愛せなかったり) なので、勇気を持って自分の問題と向き合うことは、周りの人をも救うことになる。 もちろんそれには時間がかかりますが、母親の存在と死を通して、この親子は前に進み理解し合えることが出来たと感じました。 そして何より、封印されていた家族たちの美しい記憶も蘇ることが出来た。 亡くなっていった人々にとっては、忘れ去られることの方が辛いに違いない。 母親の実家の窓を見上げるシーンも大好きです。 まるでロミオとジュリエットのバルコニーのような、ロマンティックな若い2人の思い出が素敵で、心なしか父親が若々しい青年のように見えました。 あと、ストーカー的な人生の先輩お姉様方のセリフはいちいち良いです。 後悔することもあっただろうけど「自分で選択した」がなんとも力強い! ルーシーに核心をつくセリフは、観客側が2人の親子関係を見直すターニングポイントとなるセリフだったと思います。 笑えるシーンもたくさんあって、決して重いだけの映画ではないのですが、アウシュビッツのアウシュビッツの埋もれたレールが強烈で、あたかもその場に巻き込まれているような臨場感がありました。 戦争体験者は加害者であっても被害者であってもPTSDを抱えている。 でも、そのことが子供にまで影響を与えていることを知りショックでした。 戦争は終わらない。心の傷として代々引き継がれていく。愛されることを知らない子供は愛し方がわからない。 もしかすると自傷行為やネグレクトの原因は、命が軽んじられた時代に遡り、負のループを招いているのかもしれない。 戦争の影響が世代を超えて地続きに繋がっていく恐ろしさ。 一度始まった戦争に終戦は無いのだと感じました。
旅の終わりのたからもの、ホロコースト生存者の父の生まれ故郷を父娘と旅するロードムービー。旅先で恥ずかしい振る舞いをしたり、目を離すと勝手に誰かに話しかけちゃってる、ちょっとめんどくさいお父さん、娘とのチグハグなやり取りは身につまされるが笑ってしまう。旅先で色々なトラブルや出会いを経て、この親子の旅の真意が不意をつく形で露見して、思わず涙。このグータラなお父さんに泣かされるとは。原作があり、実話にヒントを得て、とありましたが、珍しいホロコースト作品でした。