アギトファンとしては及第点。映画ファンとしては…
いよいよ公開という事で、早速初日の初回で観て来ました。 まず、結構驚きだったのが「満席」だった事。 アギト放送25周年、仮面ライダー放送55周年作品とは言え、まだまだマニア向け作品な印象のある「特撮ヒーロー作品」に相当する「一般劇場作品」… 続きを読む
いよいよ公開という事で、早速初日の初回で観て来ました。 まず、結構驚きだったのが「満席」だった事。 アギト放送25周年、仮面ライダー放送55周年作品とは言え、まだまだマニア向け作品な印象のある「特撮ヒーロー作品」に相当する「一般劇場作品」にこんなにも多くの人が関心を寄せてくれていたなんて…(しかも今見る限りでは、2回目上映も満席、3回目以降もほぼ満席状態!) 私の様な特撮好きがいつの間にか多少なりとも増えたならば、これ以上の喜びはありません。 これを機にアメリカの様なメジャーヒット作品郡に成り上がってくれたら言う事ないですが。 さて、本編ですが、TV版アギトを観た(憶えている)方ならニヤリとする場面が満載で、台詞やカメラワーク、表情など懐かしくも楽しませてくれました。 ゲストも特に特撮好きからすると豪華で、これまたニヤリとさせられます。 また、本作の一番の見所であろう「仮面ライダーG7の活躍」も申し分無いと感じました。 氷川誠を主人公にしたのも『仮面ライダーアギト』の裏テーマ「覚醒(進化)するモノに対処する者達の葛藤と行動」をより深く考えさせるにはうってつけの適役だったと思います(超越者ではなく生身の人間という意味で)。 ゆうちゃみも基本、初演技で台詞回しや動きがぎこちない感はありましたが、何と言っても「かわいい」ので許しますw レギュラー陣はもう安定してましたね。 出てくるだけで絵に成ります。 そして東映特撮ならお馴染みのシークレットサプライズも満載で、あの方やら、あのフォームやら、あの場所やら、ファンなら狂喜乱舞する場面もてんこ盛りでした(ゆうちゃみのあの姿は私も結構驚きましたw)。 ただ(実は此処からが本題)、「劇場版仮面ライダー作品」としては制作費も上映時間(単独で97分)も潤沢で、スタッフ・キャスト・ゲストも豪華で最上位クラスの作品であるのは確かですが、わざわざタイトルから「仮面ライダー」を外し仮面ライダーを知らない(馴染みが薄い)一般観客を意識したスタイルとしてはどうか? まず台詞回し。 必要以上に説明台詞が多いです。 当然周りの状況を分かり易くする為(元々が児童・低学年を対象とした作品である為)必要に思われたのでしょうが、本作は規制がPG12ではあるものの本当のメインターゲットはもっと上(25周年を鑑みると)30歳以上の成人だと思われます。 説明台詞が多いと分かり易くはありますが、表情や動作の機微が薄れてしまいます。 個人的な意見ですが、良い(一般的に評価の高い)作品はそれらが無くても表情や仕草でそれを伝えてくれていると思います。 本作は分かり易くはあるが、本当のターゲットから考えると、深みが足りない感じがしました。 次に演出・構成。 多分、東映TV特撮を観慣れた方にはあまり感じないかも知れませんが、「一般映画作品」として観ると演出が淡白過ぎます。 劇場映画作品としては重厚感が足りない感じ。 全体的にのっぺりとした感じに見えました。 長らく東映で活躍されている田﨑竜太監督には申し分無いですが、すでに染み付いている演出方法はそれはそれで良いですが、もっと演出に凝って欲しかった。 私が本作を観る前から危惧していたのはこの二つです。 特撮ファン、ライダーファン、アギトファンには受け入れられるかも知れませんが、東映がもっと先(上)を目指すのであれば、もっと攻めて欲しかった。もっと脚本・演出共に凝って欲しかった(まぁ言っても色々と制約はあるでしょうが)。 「これ(本作)は、単なる子供が観る特撮ヒーロー映画ではないぞ」 「全世代、全世界が観ても通用する娯楽大作だぞ」 「日本の、世界の、アカデミー大賞も狙える傑作だぞ」 と思わせてくれる作品が観たかった。 「ライダー映画」としては及第点ですが、日本映画界を揺るがす様な傑作・良作には成り得なかったのではないかと私は感じました。 全ての日本特撮作品をこよなく愛する者(私)として、一映画ファンとして、もっともっと感動できる、もっともっと誇れる作品を観てみたいなと率直に思いました。