佳作
落ち着いた演出、今こういう映画が良い
国内最大級映画チケット予約サービス アプリで開く
第一次世界大戦下のイギリス北部ヨークシャー。徴兵で多くの団員を失った合唱団は、存続の危機に瀕していた。若者や町の人々を迎え入れ、“歌うこと”を通して再び心を結び直そうとする。新たな指揮者に選ばれたのは、敵国ドイツで活動していた医師ヘンリー・ガスリー。偏見と不信を背負いながら、彼は退役軍人、売春婦、敬虔なボランティア、徴兵を控えた少年たちなどの寄せ集めの団員たちと向き合い、熱心な指導のもとで、失われたつながりと希望を取り戻していく。やがて彼らは、前代未聞の“ある挑戦”へと踏み出す。しかし、再び徴兵通知が届き始め、ようやく芽生えた平穏は、戦争の影に呑み込まれていく。
落ち着いた演出、今こういう映画が良い
ザ コラール、レイフ・ファインズ主演とのことで鑑賞。驚くほどカリスマ性を隠した演技で、普通の偏屈なおじさんになっていて驚き。様々な理由から集まった寄せ集め楽団の話なら、ほかにも楽しい作品があるが、この作品の背景には常に第一次大戦の影があり、要所要所で差し込まれる。ダウントンアビーなどにも出てくるような優雅なお茶会や、川遊びシーンなどは観る価値あり。ヨーロッパの国同士の感覚、敵国側の船沈没のニュースで思わず歓喜の歌が溢れ出すシーンなど、ちょっとこの演出どうよ、と日本人的には理解に苦しむ部分も。すごい美人もイケメンも出てこないところも残念。
ウクライナで白鳥の湖が今は嫌われているように、イギリスでバッハやベートーヴェンが避けられたのか。 片腕を失い、故郷に戻った若い兵士は恋人の心変わりを知り、戦場で見た地獄も忘れられず、歌どころではない。しかし、指揮者は、だからこそ歌え、だからこそ歌える歌があると。人生はクソ、だから芸術がある。芸術で救われるとかではなく、芸術に引き寄せられる。
イギリスの歴史や文化、宗教事情をもっと分かってればとは思う。それでも合唱の場面は理屈抜きに感動する。日本語訳があっさりしすぎていて、もう少し説明っぽくしてもいいかも。どん底だから歌う、心に響く。