友だちはラジオ時計
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早くに両親を失い、叔母さんに育てられ、その叔母さんも亡くなり、最低賃金以下の賃金で見習いタイピストとして働くマカベーア。ホットドッグとコーラが定番昼食のもうすぐ19の18歳。女家主の家のシェアルームで3人の女性たちと共に暮らしている。 仕事先では、タイプを打った書類がミスだらけ、書類が汚れていると社長に文句を言われ、「顔が可愛くない、萎びた果物みたいな顔だ」などと陰口叩かれるものの、間に立つ上司は思いやりある男でほっとする。 けなされてばかりいるマカーベアだけれど、公園で知り合った男オリンピコと付き合うようになる。かなり変わり者の男だけれど、マカーベアは苦にしない。けれどマカーベアの同僚に心変わりしたその男は、マカーベアを貶めて傷つけ、別れる。彼と付き合ってくれる女性など、マカーベア以外にはいないことも自覚せずに。 なぜ皆マカーベアをけなすのだろう?なぜ皆彼女の美質に気づかないのだろう?この映画に出てくる登場人物たちのなかで、わたしはマカーベアが一番好きだ。友だちになりたいくらい。(ズル休みして、ひとり部屋で踊っているマカーベア、なんと可愛いいことか。「自分が自分であることに慣れてないんです」なんて言うひと、滅多にいない。友だちになったら、ハンカチとティッシュケースをプレゼントしよう。) ラストの驚くような急展開。女占い師はなぜ途中から憑かれたようにあんなことを言い続けたのだろう?マカーベアが、前に別の客グローリアに自分がした助言(「贖罪のために、同僚の恋人を奪え!」)の被害者だと気づき、後ろめたさに苛まれたのだろうか?あるいは、同僚に痛みを訴えるマカーベアに何としても幸福を授けようと、天が占い師に働きかけたのだろうか? 結んでいた髪を下ろし、新しく買ったドレスを着て、夢見る乙女マカーベアは歩き出す。夢のなかへ。占い師の予言に点火された夢のなかへ…。別人のように幸福感に花開いて、マカーベアは走り出す。いとおしく、切なく、駆け寄って抱きしめたいほどだ。