人それぞれ向かうゴールに正解は無い
絶対に自分自身では味わえない天才芸術家の苦悩や生活を垣間見たくて今回チョイスしました。 静かに淡々と進んでいくタイプの作品でしたが、俺が見たいと思っていた天才画家の苦悩がしっかり描かれていたので、最後まで自分を忘れ夢中で鑑賞してました。特に… 続きを読む
絶対に自分自身では味わえない天才芸術家の苦悩や生活を垣間見たくて今回チョイスしました。 静かに淡々と進んでいくタイプの作品でしたが、俺が見たいと思っていた天才画家の苦悩がしっかり描かれていたので、最後まで自分を忘れ夢中で鑑賞してました。特にジャコメッティに肖像画のモデルを頼まれ、彼に翻弄されるロードの視点は何の違和感もなく自分に置き換える事が出来たので、自然と映画の世界に入り込めたように思います。 映画を観る前にある程度画家ジャコメッティと作家ロードについてどんな人物だったのか下調べをして鑑賞しました。 ジャコメッティは目で見た通りのものを形にする事を考え、見えるものの本質を追求するあまり細部を削ぎ落とし、彼の代表的な彫刻のような細い線の人物になったと書かれてました。劇中でも18日間に及ぶ肖像画の製作シーンで何度も描いては修正を繰り返し、彼の気分次第で中断や中止となる日もありモデルとなったロードはアメリカへ帰る飛行機の便を何度もキャンセルしてました。 ジャコメッティに見えている世界はどんな風なのか想像しましたが、他人の見えているものはいくら考えてもわかる訳ないと思う。だけど一つわかった事はモデルの変化もそうだし天気や外の状況だって違う。ましてやジャコメッティ自身の体調や感情というパラメータでも変化するものだからゴールが無いんだと思いました。 俺の想像を軽く超えた完璧主義者で妥協を許さない人なんだと思います。 ロード、奥さん、弟とのやり取りはとてもコミカルでクスっと笑ってしまう要素も沢山ありましたが、なんといってもクライマックスの締め方があまりにもあっけなくて笑ってしまいました。とても純粋なんだなぁって。 映画を鑑賞した後、毎日の生活で時間を無駄にしないよう必死であたふたしている自分に対しちょっと考えを改めようかなと感じました。とてもステキな作品でした。