次作以降に繋ぐ力を感じる作品でした
シリーズ最新作をずっとここで観続けたいという「願掛け」の気持ちもあり、いつも本シリーズの公開初日に毎回訪れるシネマート新宿の「スクリーン1」で観ることにこだわることにし、4月20日(金)上映最終日に観た。 率直に、『闇金ドッグス8』はシリ… 続きを読む
シリーズ最新作をずっとここで観続けたいという「願掛け」の気持ちもあり、いつも本シリーズの公開初日に毎回訪れるシネマート新宿の「スクリーン1」で観ることにこだわることにし、4月20日(金)上映最終日に観た。 率直に、『闇金ドッグス8』はシリーズのこれからの作品の展開の意志を感じさせる内容となっていたと感じた。 まず、キネマ旬報NEXTNo.19のインタビュー中でも山田さん自身が語っていたように、とある場面で、ト書きにもないのに、忠臣自身としてその家族の滑稽な様子を思わず笑ってしまった事により、安藤忠臣という人が次の物語へともう動き出してしまったという事も共感出来た事であった。それから、甘口のカレーが好きなんだ、と零れた言葉にも、彼の孤独な生い立ちが垣間見えてしまうようだったし、この先の物語とこの言葉との繋がりを思わず期待せずにはいられなかった。山田裕貴という役者と安藤忠臣という人物がシンクロして呼吸を重ねて深まっていることを感じられる作品であるからこそ、観る側もこの先の更に行き着く所まで観たい、見届けたいという思いが強まる作品となっていると思う。 また、『8』は今までの切り口とは少し異なり、観ている私たちに直接問いかけをしてくる内容となっている。 「働く事は正義ですか」 「あなたが掲げる労働へのモチベーション それは本当に何かの誰かの役に立っていますか」 「家族って何ですか」 本作以前もその時の社会問題を捉え、それと忠臣と司の闇金稼業をクロスオーバーすることで人間の業の深さを浮き彫りにするといった内容だったけれど、捉えるテーマが社会の闇部分であるばかりにどうしても、観る側と作品との距離が残る気がしてならなかった。 「欲に翻弄される人間を傍から観る人間」というシュールな構図がこのシリーズの持ち味なのかな、とも思ってさえいたけど、この距離を埋めなくてはならないんじゃないだろうかと思う率直な気持ちをどうしても無視できなかった。特に「介護」を取り上げた回に於いては。その思いもまた、人間らしい気持ちだと思っていたから。 ところが本作品は、先に触れたように、これまでとは違い、観てる側をこのテーマの核心にグイグイ引き込み問いかけてくる。距離を作らせない。 この事が、これから更にこのシリーズがたくさんの人の心を動かし、たくさんの人の心に切り込んで行こうとする意志を感じさせると思えた。 これらの、これからの展開への様々な布石が込められた「闇金ドッグス8」を観て率直に感じた事から、この作品がシリーズの最後の最後に繋ぐものであることを心から期待してやまない。