K KUBO 大杉漣、最後の熱演
starstarstarstarstar - 7年前
今日は2本見たから帰ろうかと思ったら、雨がザーザー降りだしたから、もう一本!
大杉漣さんの遺作ということで話題の「教誨師」。
全編、ほぼ室内。しかも「教誨室」という同じ部屋。その部屋の中での6人の死刑囚と教誨師の会話だけで、こんなに面白… 続きを読む
今日は2本見たから帰ろうかと思ったら、雨がザーザー降りだしたから、もう一本!
大杉漣さんの遺作ということで話題の「教誨師」。
全編、ほぼ室内。しかも「教誨室」という同じ部屋。その部屋の中での6人の死刑囚と教誨師の会話だけで、こんなに面白いのだから、映画はやっぱり脚本だな。
もちろん、演技が伴わなければ、いくら良い脚本だってろくな作品にはならないが、また俳優が良い。主演の大杉漣を始め、光石研、古舘寛治、烏丸せつこ等、名バイプレイヤー総出演でそれぞれの死刑囚に血を通わせる。
特に素晴らしかったのは、これが映画初出演という玉置玲央。太々しい態度を取りながら、言ってることには一理ある憎たらしい奴を好演。彼と会話している時の、大杉漣演じる教誨師が、自らの自信が揺らぐような目の演技も良かったなぁ。それがまた教誨師自身が自らの過去に向き合うきっかけとなる。
「教誨師」なんて言葉は初めて聞いたが、パンフレットによれば、「刑務所や少年院などの矯正施設において、被収容者の宗教上の希望に応じ、所属する宗教・宗派の教義に基づいた宗教教誨活動(宗教行事、礼拝、面接、講話など)を行う民間の篤志の宗教家のこと」だそうだ。
玉置玲央演じる死刑囚の台詞に、おそらく一番主題につながる言葉が多いと思うが、「EU加盟の条件に『死刑廃止』があること」や「全ての命が等しく大切と言いながら、神が作りたもうた死刑囚の命を人が奪ってもいいのか?」というような理屈を捲したてる。
ただただ彼らの話を聞くだけしかできない教誨師。だが対話を繰り返すうちに、皆それぞれ心を開き、人間味も見せてくれるようになるのだが、その先にあるのは「死刑執行」しかない。
私は死刑廃止論者ではないので、諸手を挙げて賛成はできないが、「死刑制度」を考えてほしいという本作のメッセージは受け取った。
テーマを投げかけて終わる余韻あるラストシーンも素晴らしい。
今日はこの作品を見られて良かった。
大杉漣さんのご冥福をお祈りします。
g geta-yuki 「生きているから、生きるんです」と説く故大杉漣に挑む6人の演技者達の記録。
starstarstarstarstar - 7年前
とにかく「圧巻」の一言。
スリラーやホラーじゃないのに
これだけ息を詰めて見入った作品も
ないかもしれない。
舞台はこの映画で唯一と言ってもいい
非常に限定的な場所である
教誨師による説教と懺悔のための謁見室。
そこでじっくりと、
ほん… 続きを読む
とにかく「圧巻」の一言。
スリラーやホラーじゃないのに
これだけ息を詰めて見入った作品も
ないかもしれない。
舞台はこの映画で唯一と言ってもいい
非常に限定的な場所である
教誨師による説教と懺悔のための謁見室。
そこでじっくりと、
ほんまにじっくりと繰り広げられる
大杉漣扮する教誨師(牧師)と
死刑確定者たちの懺悔ともつかないような
対話の日々。
およそ5分〜10分程度の長回しで
一人一人による教誨師への共感や拒絶、
荒唐無稽な空想話や禅問答まがいのものまで
あらゆる話を聞くのを通して
いつしか自分にもある
人に言えない過去を炙り出され
教誨師としての立場と揺れ動く心の葛藤に
苦悩しながらも向き合う教誨師の男。
やがて語られる受刑者の過去から
ゆっくりとしたペースで、徐々に、
本当に徐々に彼ら彼女らが
どうして死刑を求刑されるに至ったかが
明らかになっていく。
オムニバスとも言えるようなこの手法、
観てるこっちはどんどん引き込まれ、
謁見の度に明るみになる事実に
息を呑むように吸い込まれていく。
そんな永遠にも続くかのような
穏やかな対話の日々はやがて
「刑の執行」という当然の結末によって
ぶっつりと断ち切られてしまう。
そこに居合わせる教誨師、刑務責任者、
そして受刑者のありようは
それまでの通常の謁見室の時のような
クリアな映像でなく
いかにも雑な画質の照明に切り替わり
いつもと分断された時間だと気付かされる。
すべてが作られたドラマでありながらも
主演、共演陣の文句のつけようのない演技で
とにかくリアルに観ている側に迫ってくる。
そんなスゲー秀作を観てしまった思い。
まさかこの作品が撮っている間には
夢にも思わなかったであろう故大杉漣さんの
だがどこか人生の最後にふさわしいかのような
演技に打ちのめされるのと共に
また一人偉大な演技者が
もうこの世におらず
新しい演技を永遠に
観ることができなくなってしまった
寂しさと辛さと喪失感。
そのことを大いに感じた2時間でした。
改めて故人のご冥福をお祈りしたい。
[10:45]アップリンク渋谷
P.S.
本作品のパンフレットを入手したのだが、
これがまた素晴らしい。
数々の"いい"劇中シーンを
数多く収録してるのはもちろん
まるで謁見室で直接こちらが謁見しているような
6人の囚人達の、なんだったら毛穴まで
分かっちゃうような大胆な顔のクロースアップで
まるまる6ページが使われている凄さ。
加えて、本作カメラマンである
山田達也氏による撮影秘話を読むと分かるのだが
いかにこの映画を撮るのに出演者&スタッフが
わずかな時間に凄まじいエネルギーと
情熱を込めて撮りきったかということが
よく分かる。
さらに「役者・大杉漣」という男の人柄も。
映画も映画なら、パンフレットも秀逸という
恐ろしい作品であることを
付記しておきたかったの追伸しました。
(800円)
k kaopunx555 最高傑作
starstarstarstarstar - 7年前
何度観ても毎回呼吸を忘れる程緊張感で最後まで集中しています
もっともっと世界中の方に観て欲しい
M MIU とても深い
starstarstarstarstar - 7年前
人を殺すのはなんでダメなのかを改めて考えた。
また、殺人者を含めて、人は平等であるべきなのかも考えた。
平等を求めても世の中は不公平だし。
そういう複雑な気持ちを優しく淡々と伝えてくれる映画。素晴らしいね!
M Marco Me Mi-So 300の顔を持つ男・最期の主演作品
starstarstarstarstar - 7年前
『教誨師』、鑑賞。
大杉漣、最期の主演かつ唯一のプロデュース作品。
(日本における)教誨師とは、刑事収容施設法第68条を法的根拠として存在し、死刑確定者に対して自分が犯した罪を悔い改めることで、安らかな最期を迎えさせるために対話をする者を… 続きを読む
『教誨師』、鑑賞。
大杉漣、最期の主演かつ唯一のプロデュース作品。
(日本における)教誨師とは、刑事収容施設法第68条を法的根拠として存在し、死刑確定者に対して自分が犯した罪を悔い改めることで、安らかな最期を迎えさせるために対話をする者を言う。
失礼ながら光石研以外どこかで見たことあるようで分からなかったが、玉置玲央、烏丸せつこ、五頭岳夫、小川登、古舘寛治演じる6名の死刑囚が、それぞれのアプローチで「300の顔を持つ男」こと大杉漣に挑む。
こちらも風邪薬を飲んで挑んだにも関わらず、最後まで刮目してしまった。
敢えてこの言い方になるが「すごい」作品だと思う。後味は決してすっきりするものではないが、やはりこういうラストは好みだ。