心が痛くて息苦しい
アレッポという地名は日本人女性ジャーナリストが爆撃によって命を落とした地として聞き覚えのある地 アレッポ大学に通う学生だったワアドは 友達と参加したデモをスマホで撮影した事からジャーナリストの道へ進もうと決意する。 (後に彼らは平和なデモ… 続きを読む
アレッポという地名は日本人女性ジャーナリストが爆撃によって命を落とした地として聞き覚えのある地 アレッポ大学に通う学生だったワアドは 友達と参加したデモをスマホで撮影した事からジャーナリストの道へ進もうと決意する。 (後に彼らは平和なデモと呼ぶ) いつも笑顔を絶やさない親友のハムザは一から病院を建設し、懸命に命を救うタフな精神を持つ医師だ。 彼と行動を共にし、ワアドはカメラを回す。 ある時は川から遺体が引き上げられたと聞き広場へ行くと そこに横たわっていたのは数百体もの亡骸。 平和な国に生きる私にとってはそれだけで未曾有の惨事だ。 ある時は瀕死で運ばれて来た少年に、虚しい治療を施す様子を撮影中、泣いてしまったワアドに、いつもは穏やかなハムザが 「泣くなら出ていけ」と声を荒げた。 別室で泣いていたワアドに駆け寄ったハムザは 「これ以上君の泣き顔は見たくない。愛しているんだ。結婚してくれ」とプロポーズをした。 こんな時にも着飾って部屋を飾り二人のために歌い踊り祝福する。人間って素晴らしい。 ある時は血だらけで運び込まれた少年の亡骸に追いすがって泣き崩れる少年たち。 「僕たちの弟なんだ、何もしていないのに」彼らの悲痛な叫び。 ワアドのカメラは悲惨な状況を写すだす。 何度も途中で耐えられず出ようと思った。 妊娠9ヶ月の女性が意識の無い状態で運ばれて来た。 帝王切開で胎児が取り出され必死の蘇生を試みる 「生きろ、生きろ!」と叫びながら… 私も思わず「お願い。泣いて」と祈りを込めた。 この子が目を開けなかったら、これ以上は無理だ、劇場を出ようと思った。 病院が爆撃を受け、救急車が狙撃される。 街は瓦礫にあふれ、道路は砂埃に塗れる。 こんな光景は『戦場のピアニスト』や『トゥモローランド』と似ている。が、ここは映画のセットではない。 ここには生活があり、命がある。 無抵抗な普通の人々の日常がある。 ワアドのSNSには6800万件のいいねが寄せられるというが、誰も助けてはくれない。 そんな中での妊娠。 こんな世界で子供を産んでも良いのか? 自問自答の中、娘、サマは生まれた。 サマは空。 太陽が出て、雲が浮かぶ空爆のない空。 その大きな瞳には平和な世界を映してほしい。 涙が止まらずエンドロールが終わっても席を立てずにいた。 最後まで見られて良かった。 この投稿の前にワアドのSNSを覗いたらそこには家族の笑顔がある。