西川の佳作
西川といえば、ゆれる(2007)が秀逸であった 今回もそれに近い演出で映像は美しく、ライティングも完璧 ゆっくりと独自の世界観を奏でる佳作 桜木との画がとても良い
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「復讐するは我にあり」で直木賞を受賞した佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、西川美和監督が役所広司を主演に迎え映画化。13年の刑期を終えた三上(役所広司)を待っていたのは、目まぐるしく変化する、想像もつかない世界。三上に近づき、彼の姿を面白おかしく番組にしようする2人の若手テレビマン(仲野太賀&長澤まさみ)。まっすぐ過ぎるが故にトラブルばかりの元・殺人犯が、いつしか彼らの人生を変えてしまう……。
(C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
西川といえば、ゆれる(2007)が秀逸であった 今回もそれに近い演出で映像は美しく、ライティングも完璧 ゆっくりと独自の世界観を奏でる佳作 桜木との画がとても良い
役所広司さんのイジメを見過ごす演技は、一般社会の無情を噛み締めていて心に刺さりました。仲野太賀さんが役所広司さんの背中を流すシーンは格好良くてシビれます。職場で波風たてない事や、喧嘩などに巻き込まれない為には見て見ぬふりが良いのでしょうね。現実社会でも電車内で喫煙を注意した高校生が、殴られ土下座までさせられた事があったけど、周りは見て見ぬふりだったのでしょうね。まさに、すばらしき世界。
一度つまづくいた人にとって高すぎる「普通」のハードル。服役者の社会復帰の難しさ、母子家庭問題、曰く付きの人が集うアパートや人が人を助けるはずの介護現場で、弱い者がさらに弱い者を虐げる現代社会の世知辛さを緻密に描いている。役所広司、仲野太賀を始めとしたキャストの演技は台詞がなくても呼吸や目の動きで言葉にできない憤りや困惑、葛藤が伝わり、素晴らしかった。 《その他ツッコミ》 ★長澤まさみが一貫して台詞頼みの棒読み演技。怒鳴るシーンも声が大きいだけ ★ストーリーのリアルさに対して女性の服装の解像度の低さに違和感。 女がストラップも付いてない細いヒールで、スニーカーを履いた全速力で走る男を追いかけて追いつくって忍者だろうか。転んだりつまづいたりしても良いシーンだったと思うが、上から下まで終始綺麗なまま台詞だけ必死でちぐはぐ。 焼肉屋での吉澤のノースリーブ、三上の元妻・久美子(安田成美)のスーツ、迷子に駆け寄る母親の上下の服など、女性の着ている服の色が真っ白、オフホワイトやアイボリーですらない。裁判で三上の無罪(=白)を願って久美子一人だけとかならともかく、揃いも揃ってその白を着ないと思う。
こんなに言葉にできない余韻は久方ぶりだわ。 まず、タイトルが素晴らしい。で、役所さん、太賀くんをはじめ、役者陣が素晴らしい。これがないと話にならない。出所してきた人が生きづらい世の中であることをテーマにされてる映画は数あれど、そこにとどまらない。ポジティブとネガティブ、本音と建前、そして風刺のバランス。それを描いた西川監督が素晴らしい。
タイトル通り1人の男が諦めずに"すばらしき世界"を求め、もがくドラマ