びしょ濡れの白いキャンパス2枚
starstarstarstarstar - 5年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
冒頭、海に落ちたキャンパスを自分で取りに海に飛び込む。周りの男たちは手伝わない。労いの言葉もない。最終的に邪険に扱われ放って置かれる。
それがこの時代の女性の立場だと描かれる。
男性はここしか出てこない。
あとはラスト近くの展覧会での邪魔な傍観者くらい。
びしょ濡れの白いキャンバスが2枚。
それを丁寧に丁寧に拭き取る。
それがスタートだ。
2人の心理的な状況のメタファーだ。
ゆっくりと距離を縮めていく2人。
「理由が必要?」
エロイーズがなぜ嫌がっていた肖像画のモデルをすると言いだしたのかと母に問われて返した一言。
恋に落ちた理由を尋ねられた時の答えはこれか正解だ。
そこに理由をつけるからラブソングは売れると奥田民生が言ってた。
ギリシャ神話のオルフェウスの話。
これの捉え方が三者三様で面白い。
バカな夫に怒るソフィ。芸術のため思い出にしようとしたとマリアンヌ。妻がワザと振り向いてと声をかけたとエロイーズ。コレがのちのち効いてくる。
ここが肝ですねこの映画の。
ラストは、わかってたでしょう。あえて見なかった、振り返らなかったエロイーズ。
長いシーン。
ヴィヴァルディの四季、夏。
この曲はこの時に使われるために作られたと言っても過言ではないでしょう。
秘めた恋。
完成度高し。
感服いたしました。
事前に作品の詳細を知る必要はあるかと
starstarstarstarstar - 5年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
東京国際映画祭にて鑑賞。率直な感想としては非常に分かりづらく難しかったかなというのが率直な感想である。
予告である通り同性愛に対する心の開きを非常にアートチックにゆっくりと描かれるわけだが、事前にそのような作品と知っていないと前半の描写とかどう写るのか疑問に感じた。事前にそういう作品だと言うことは僕は認識していた為、彼女らの行動、言動、表情を深く深く見ようとしてるが、事前に知らされてないと中々分かりづらさはあるようにも思えた。
劇中に男性は殆ど出て来ず(最初の小舟、最後の肖像画の運び屋、展覧会の客程度か)女性だけでゆっくりと丁寧に心情を描くところは非常にアートチックで惹きつけられるが、まだまだこのタイプの作品には未熟であり創造が追いつかなかった。
ポプュラーではなく、非常に観客を選ぶ作品であるのは間違いないだろう。
お芝居の力
starstarstarstarstar - 5年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
映画と舞台の違いは歴然として存在する。
もはや語る事が愚かとも言える。
その大きくは映像の場合、カメラによって100から1という画を切り取ることと、編集によって後から演者の芝居を操作出来ることにある。(個人的な意見です)
この作品を見て、海外・国内問わず最近の映画がしてこなかった、又は出来なかったものが自分の中でハッキリした。
無論、芝居だ。
生身の芝居に比重を多く置く舞台にだって、照明はあるし音楽だってある。その点では映画・ドラマと同じ。但しあくまで、芝居ありきだと言うことを除けば。
芝居(感情)があってスポットが当たり、音楽がかかる。
当然と言えば当然なのに、ここ最近の作品はストーリーの為に芝居があり、音楽があり、画作りがある気がしてならない。
逆、全てが。いくら技法が進化してそれだけで見せものとして成り立つようになっても、感情をおきざりにしてしまっては只の一過性のものにしかならない。(例えに出すのは失礼だけどアバターのようなもの)
芝居を中心に据え敬意を持って扱えば、全ての歯車は淀みなく回り、作り手の意図や狙いを的確にスクリーンに映し出す。
この作品の凄いのは、LGBTがきちんと入口としての作用しか果たしてないこと。いまの時代、それだけでいいし、それ以上は必要ない。
きっと男が極端に出てこないのは色々理由はあるだろうけど、男が出てしまう事で彼女たちの自由さや彼女たちだけの世界は脆く壊れてしまうと考えたんじゃなかろうか。
自分を観察者だと疑ってなかった主人公が、実は自分も観察対象である事を知る。
そして経験のある子供を堕す場面を描写させる事により、徹底的なまでに自分と向き合うことにある。
この時代、子供を堕す事がどれほどまでの意味を持つのか測りかねるけれど、少なくとも、もう結婚が出来なくなるくらいではあるんじゃないだろうかという推測はできる。その点では、主人公と女中は同じだ。(見当違いならごめんなさい)
圧倒的に違う立場だった2人が男の存在のないあの場所で暮らす事で、なんの制限もない、誰にも縛られない生き方が出来たんだなあと。
あとこの作品、気のせいでないなら一言も『愛』って言ってないですよね?
それ凄ない?(急に語彙力)
語ることが出来なかった音楽の場で果たす再会。
見ていないのに見てるという芝居。
言葉のいらない愛がそこにあった。
絵画のように美しい
starstarstarstarstar - 5年前
どの場面を切り取っても、光の陰影と相まって美しい。
そして女性が美しい女性を観る視点でみて、みられる快感。
あまり深く考えずに、身を委ねて観ることを勧めます。
多くの女性は揺さぶられるレセプターを潜在的に持っているのでは。
最後の盛り上げ方
starstarstarstarstar - 5年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
フランス映画で女性監督とくるから趣味に合わないだろうなと思いつつ、高評価な百合映画ってことで観た。百合関係に陥る過程が不鮮明だが、炎の象徴表現で示されている。でもやはり自分には合わないなあと思っていたら、ラストで一気に挽回された。