12歳の少年が両親を告訴… ナディーン・ラバキー監督作『存在のない子供たち』7月公開

映画『カペナウム(原題)』が、『存在のない子供たち』の邦題で7月に公開されることがわかった。

存在のない子供たち

その年のパルムドールに輝いた是枝裕和監督作『万引き家族』とともにカンヌ国際映画祭を震わせ、コンペティシ ョン部門審査員賞、エキュメニカル審査員賞を受賞。その後も本年度ゴールデン・グローブ賞ならびにアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた本作。

両親を訴えたい。こんな世の中に僕を産んだから。少年ゼインは自分の誕生日を知らない。中東の貧困、移民などの社会問題を描き、世界を揺るがした衝撃作を監督したのは、『キャラメル』で監督・脚本・主演の一人三役を果たし、カンヌ国際映画祭の初上映で話題をよび多くの映画賞を受賞したナディーン・ラバキー監督。女優としても活躍しており、本年度のカンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員長も務める。

リサーチ期間に3年を費やし、主人公ゼインをはじめ出演者のほとんどは、似た境遇にある素人を集めた。感情を「ありのまま」に出して自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとった結果、リアリティを突き詰めながらも、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を観る者の心に深く刻み込むことに成功。今も全世界へと広がり続けている絶賛の波が、ついに日本へも押し寄せる。

目をそらしたくなる貧困の生々しさの中で、必死に生きようとする彼らの強いまなざしやその歩みに胸を打たれずにはいられない。断ち切ることも抜け出すこともできず巻き込まれるしかなかったちいさな存在が起こすセンセーショ ナルな展開に感情を揺さぶられ、いまできることは何かと深く自身に問わずにはいられない衝撃作となっている。

映画『存在のない子供たち』は7月よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開

(C)2018MoozFilms

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