成長を否定した14歳の美しい少年たちの愛憎の物語と、少女と機械の純愛を描いたダークファンタジー！伝説の舞台を元に創り上げた、鬼才・古屋兎丸によるカルト的人気を誇るロングセラーコミック「ライチ☆光クラブ」が満を持しての映画化される。
少年同士の愛など、センセーショナルな話題に富む本作に挑んだのは、新進気鋭の監督・内藤瑛亮。長編一作目となる『先生を流産させる会』では、過激なテーマで世論を騒がせたが、夏帆、野村周平を主演に迎えた第2作『パズル』も話題を呼び、その才気溢れる映像表現が新たな才能として注目される。今回、原作の圧倒的世界観を精緻にすくいあげながら、さらにオリジナルを掘り下げるような音と色彩感覚で迫った作品を完成させた。
物語は黒い煙と油にまみれた町・螢光町で、廃工場の秘密基地に集う「光クラブ」を結成した少年たちの、大人になる前の脆く、残酷で多感な思春期を描く。光クラブを率い、大人のいない世界を理想とするカリスマ・ゼラや、謎めいた美少年ジャイボ、ゼラの思想に反発をおぼえていくタミヤなど、14歳を目前にした９人の少年たちによる裏切りと愛憎の物語が耽美に、時にユーモアを交えて展開する。そして物語のキーとなるのは、永遠の美の象徴として囚われる美少女カノンと、少年たちが作り上げた思考する能力を持つ機械ライチ。巨大で恐ろしい見た目と裏腹にカノンへ優しい愛情を抱き、人間らしくありたい意志と、プログラミングされた宿命の狭間であがく機械ライチの切なさが胸に迫る。
そして物語の世界観を支えるのは、最旬の若手俳優たち。内藤監督とは『パズル』以来２度目のタッグとなり、「恋仲」、『ちはやふる』など話題作への出演がつづく野村周平が、光クラブのリーダー・タミヤ役を演じる。物語を牽引するゼラ役には、９頭身の帰国子女でミスター慶應という、超ハイスペック俳優の古川雄輝が、好青年ぶりを封印し、徹底した非道キャラを熱演。今回、紅一点のヒロインとなるカノン役には、花王メリットピュアン、ポカリスエットのＣＭで“宇宙一かわいい”と話題の中条あやみを抜擢。ファースト写真集が異例の販売部数を誇り、人気急上昇中の間宮祥太朗による妖しい美少年ジャイボも見どころだ。そして、機械ライチに命を吹き込んだのは、『銀魂』坂田銀時役などで人気の声優・杉田智和。その他にも役者として活躍を期待される次世代を担う若手俳優たちが集結し、現場でしのぎを削り合った演技合戦に注目される。
さらに大ヒット日本映画を支えたスタッフが、ノスタルジックで耽美な世界を表現している。美術を担当したのは『るろうに剣心』シリーズなど大友啓史監督作品で注目を集める橋本創。衣装・キャラクターデザインを手掛けるのは、『るろうに剣心』シリーズや三池監督作品などを手掛ける澤田石和寛。そして、ライチのキャラクターデザイン及び特殊メイク・造形を担当するのは『寄生獣』、『進撃の巨人』など日本映画界を代表する特殊メイクアップアーティストの百武朋。さらに編集を、矢口史靖監督や西川美和監督のほとんどの作品を手掛ける宮島竜治が担当。監督をはじめ撮影、録音など若手チームで編成されたスタッフで作り上げた世界観を、大ベテランの手腕で、一大エンターテイメント作としてまとめあげている。
【STORY】
工場から黒い煙が立ちのぼり、油にまみれた町、螢光町。この貧しい地の廃墟へ、深夜に集まる９人の中学生がいた。この秘密基地の名は「光クラブ」。強いカリスマ性と天才的頭脳を持つゼラが、他の８人を感化し従えている。彼らはある夜、この秘密基地を覗いてしまった女を捉えた。拘束された女は彼らが通う螢光中の先生だった。光クラブのメンバーは醜い大人を否定し自分たちだけの世界をつくるため、兵器として機械を開発していた。巨大な鉄の塊で作られた機械が動く燃料は、楊貴妃が好んだ永遠の美を象徴するライチの実。その機械は「ライチ」と名付けられ、悪魔の数列666でいよいよ起動する。ライチに与えられた目的は、光クラブに美しい希望をもたらす「少女の捕獲」。だがライチは美の概念を知らず、掴まえてくるのは人間以外や、美しくない大人ばかりで失敗が続くー小学生の頃、ダフとカネダの3人で光クラブをつくりクラブのリーダーであるタミヤは、ゼラの思想に危険性を感じはじめていた。一方ゼラは、光クラブに裏切り者がいることを疑い、ジャイボに不安を打ち明ける。そして、誰よりゼラを信奉するニコは、タミヤの行動に疑いをもち敵意の目を向ける。
公開日：2016年2月13日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
公式HP：www. litchi-movie.com
出演：野村周平／古川雄輝／中条あやみ／間宮祥太朗／池田純矢／松田凌／戸塚純貴／柾木玲弥／藤原季節／岡山天音
監督：内藤瑛亮
原作：古屋兎丸「ライチ☆光クラブ」（太田出版）
配給・宣伝：日活
©2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会
