“熟年離婚”をめぐり大騒動を繰り広げる家族の姿を、滑稽かつ温かく描いた山田洋次監督作『家族はつらいよ』の続編が、2017年初夏に『家族はつらいよ2』のタイトルで全国公開される。橋爪功×吉行和子、妻夫木聡×蒼井優らおなじみのメンバーに加え、新たに劇団ひとりの出演が発表された。
熟年離婚の危機を乗り越えた夫婦役の橋爪功×吉行和子をはじめ、長男夫婦を西村雅彦×夏川結衣、長女夫婦を中嶋朋子×林家正蔵、次男夫婦を妻夫木聡×蒼井優が引き続き出演。新たに橋爪扮する周造の高校時代の友人・丸田役に小林稔侍、居酒屋の女将・かよ役に風吹ジュンが参戦。さらに、山田組初参加の劇団ひとりが、小林演じる丸田が突然死を遂げてしまったことから平田家のもとに捜査にやってくる敏腕刑事役で出演する。
劇団ひとり コメント
【9月3日 クランクイン時インタビュー】
──初めて山田組に参加されるということですが、今の気持ちを教えて下さい。
劇団ひとり:本当に尊敬する山田監督の作品に出演できて、凄く嬉しいです。 以前、一度対談をさせて頂いたことがあるんですが、結構熱烈なラブコールを送っていて、 今回やっと念願が叶ったという感じです。
【9月25日 クランクアップ時インタビュー】
──山田監督の映画に初めてご出演されたご感想はいかがでしたか?
劇団ひとり:僕はとにかく『男はつらいよ』の大ファンなんですが、直に山田監督に演出を付けてもらったり他の人に付けている のを見てると、本当に『男はつらいよ』もこういう風に作っていたんだろうなというのがわかったんですね。というのも、僕が階段を登って2階に上がって行くシーン。セリフはもともと無かったんですが、現場でこういう捨て セリフを言おうかとおっしゃって。「あなたが良い、他のはダメだ」というセリフを現場で言ってと言われたんです。『男はつらいよ』って、階段を登って行く時に寅さんが捨てセリフをよく言うんですよ。そして、それがまた面白いんです。こうやって映画も作られていたんだなというのがよくわかったし、なんとなくもうちょっと気楽に、成り行きでやってらっしゃるのかなと思いきや、実はもう指先一つまで細かく指導されているんだなというのが凄く驚きでした。寅さんとたこ社長の喧嘩とかも、そんな風に作られていたのかなと思いました。
──今回ひとりさんは刑事役ということで、映画の中でも見所となる騒動の渦中にある平田家にやってくるわけですが、 平田家メンバーの皆さんとは共演されていかがでしたか?
劇団ひとり:そうですね。皆さんもうベテランばっかりですので非常に緊張しましたが、胸を借りるつもりでやらせていただきました。あれだけ凄い人達なのに、山田監督はさらにもっと偉大な人ですから、容赦無くダメ出ししていくんだなと...。なかなか他の現場では観られない光景を見れました。
──緊張されたりとか、不安だったところはありますか?
劇団ひとり:当然緊張しました。以前、山田監督とは雑誌の対談をさせていただいて、とにかく本当に柔らかい雰囲気で優しい方だったんですよね。その印象だったので、現場入って顔つきがクッと変わって、いわゆる怒号みたいなのが多少飛び交っているのを見て。あ、現場に入るとこうなるんだなぁというのもあって、より緊張したんですが、山田監督と付き合いの長いスタッフさんが、「監督ああいう感じだけど、あまり物怖じしないで、頑張ってね」って言われて気が楽になりました。
──監督から声をかけられたことで何か覚えていることやエピソードとかはありますか?
劇団ひとり:本当にわずか15分くらい前なんですけどね。僕が出たシーンのラッシュ(ある程度編集したもの)をご覧になって、「本当に君にお願いして良かったよ。凄く君のおかげで締まったよ。」という言葉を監督から言っていただいて。本当にあの言葉だけでしばらくは夢心地というか。なんでああいう時にメイキングを回して無いのかっていうね。これ僕の戯言で終わっちゃうかもしれないですけど、実際言って下さったんですよ。まぁ僕だけの素敵な思い出として取っておきます。
──映画の公開を楽しみにされているお客様にメッセージをお願いします。
劇団ひとり:とにかく本当に上質なコメディです。ただ面白いだけじゃなく。説教臭くなく、人生のちょっとしたことを考えさせられる本当に素晴らしい映画だと思います。ぜひご覧下さい。
映画『家族はつらいよ2』は2017年初夏 全国公開
【CREDIT】
原作・監督:山田洋次 脚本:山田洋次 平松恵美子
出演:橋爪功 吉行和子 西村雅彦 夏川結衣 中嶋朋子 林家正蔵 妻夫木聡 蒼井優 風吹ジュン 小林稔侍 劇団ひとり 他
制作・配給:松竹株式会社
©2017「家族はつらいよ2」製作委員会