【第89回アカデミー賞】デンマーク×ドイツ合作『ヒトラーの忘れもの』外国語映画賞ノミネート

2017年1月24日

昨年の第28回東京国際映画祭にて最優秀男優賞を受賞したデンマーク×ドイツの合作映画『ヒトラーの忘れもの』が、第89回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。

本作は、昨年の第28回東京国際映画祭にて最優秀男優賞受賞（映画祭上映時タイトル『地雷と少年兵』）、本年度アカデミー賞外国語映画賞のデンマーク代表作品として選出されているデンマーク×ドイツの合作映画。1945年のデンマークを舞台に、ナチが埋めた200万個の地雷撤去を命じられた10代の少年兵たちと、5年間に及ぶ残忍な侵略を受けたドイツ人を憎悪しているデンマーク軍軍曹・ラスムスンの姿を描く。

監督は本作で長編映画3作目となるマーチン・サントフリート。次回作にジャレット・レト、浅野忠信、椎名桔平を迎え、第二次大戦後の日本のヤクザ社会に身を投じるアメリカ人兵士の運命を描く『ジ・アウトサイダー/The Outsider（原題）』を控える注目の新鋭監督だ。

歴史上の事実でありながら、デンマーク国内でもほとんど知られていなかった悲劇を題材にした本作は、デンマークのアカデミー賞にあたるロバート賞で作品賞や監督賞を含む最多6部門を受賞。さらに第28回東京国際映画祭でローラン・ムラ、ルイス・ホフマンが最優秀男優賞を受賞するなど、世界各国で絶賛を博したヒューマン・ドラマ。舞台となる海岸は実際に地雷が埋められていた場所で撮影され、映像の美しさと、スリリングな物語というコントラストで観客を惹きつける。また、ほとんど演技経験のない新人俳優たちのみずみずしい存在感が本作に眩しいほどのバイタリティーを吹き込んでいる。