常に時代の先端を突き進む鬼才・園子温監督の構想25年を経て手掛けた、モノクロSF作品の最新作『ひそひそ星』の5月14日(土)公開と同日に、園自身にスポットを当てたドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』が、新宿シネマカリテで公開されることが決定した。
監督を務めるのは、2014年にMBS「情熱大陸 映画監督・園子温」を手掛けたドキュメンタリー監督・大島新が「地上波では園子温の面白さは伝えきれない」と決断し、映画化された本作。
50歳近くまで、ニッチなカルト監督の一人だった園子温が、2011年公開の『冷たい熱帯魚』を皮切りに、『ヒミズ』から『新宿スワン』のわずか5年間でヒット作を連発し、国際映画祭での賞レースの常連にまで変容する道のりを、カメラが密着。
さらに、女優・神楽坂 恵との結婚、小説やバンド活動などの幅広い才能を持つ姿を捉えながら、染谷将太、二階堂ふみ、田野邉尚人(別冊「映画秘宝」編集長)、安岡卓治(映画プロデューサー)、エリイ(Chim↑Pom)、神楽坂恵らによる証言も交えながら、園子温という人に迫っていく作品になっている。
そして、今回は本作の監督を務める大島新からコメントが到着している。
<監督 大島新 コメント>
私は2014年1月から5か月間、園子温の活動を取材し、6月にMBS「情熱大陸」で放送した。番組は園の映画への熱い思いや「俺の映画」を作っているという自負、そしていたずらっ子のような素顔を映し出し、視聴者や関係者から大きな反響を呼んだ。私としても内容的に満足のいくものだったが、テレビ番組という枠組み、正味24分という尺の中では、園という人物を充分に描き切れなかったという思いも残った。そもそも「地上波でのテレビ放送は一度もない」という園映画。人間としての園も、映画同様、テレビサイズには収まりきらない魅力(と、ハチャメチャさ)に溢れていた。いま、世界基準の日本人映画監督とは誰なのか。残念ながら、かつての黒澤明、小津安二郎、今村昌平、大島渚といった作家たちと同じような存在感で語られる日本人監督はいなくなってしまった。いや、ひとりいるではないか! 国内よりも海外での注目度が高い超個性派カルト監督。毀誉褒貶も多く、時にボロクソに言われることも彼にとっては褒め言葉だ。そう遠くない未来に、世界基準となる可能性を秘めた園子温。このドキュメンタリーは、稀有な才能を秘めた珍奇な生きものの記録である。
映画『園子温という生きもの』は、5月14日(土)新宿シネマカリテにてロードショー
(園子温監督作品『ひそひそ星』と同時ロードショー!)
【プロフィール/大島新】
ドキュメンタリー監督、株式会社ネツゲン代表
MBS「情熱大陸」やNHKドキュメンタリーなど数々のテレビドキュメンタリー番組を手がけ、2007には「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」で劇場映画作品を初監督。本作は2作目の劇場作品にあたる。
【CREDIT】
監督:大島新
出演:園子温/染谷将太/二階堂ふみ/田野邉尚人/安岡卓治/エリイ(Chim↑Pom)/神楽坂恵
プロデューサー:小室直子/前田亜紀
撮影:髙橋秀典
編集:大川義弘
整音・効果:高木 創
音楽プロデュース:菊地智敦
企画・製作:ネツゲン/日活
制作プロダクション:ネツゲン
配給:日活
宣伝:ミラクルヴォイス
2016/日本/カラー/ビスタ/97分
公式HP http://sonosion-ikimono.jp/
©2016「園子温という生きもの」製作委員会