キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの部隊に実在した日系人フレディ・前村の生涯を、阪本順治×オダギリジョーのタッグで映画化する『エルネスト』の製作が決定。没後50年の節目を迎える2017年秋より全国公開することが発表された。
本作は、キューバ革命の英雄チェ・ゲバラから＜エルネスト＞と名付けられ、自由と愛のために戦った日系人“フレディ・前村”の知られざる生涯を描くヒューマンドラマ。物語は、1941年10月に裕福な家に生まれるも貧しい友達を気遣う少年時代を送るフレディが、人々のために医者になると決めてキューバの医学校に留学するところから始まる。その学校でフレディの人生を変える人物、偉大なる革命家チェ・ゲバラと出会い、彼の人生が少しずつ変わっていく。そんな矢先、母国ボリビアの軍事クーデターを聞き、チェ・ゲバラの革命軍に＜エルネスト・メディコ＞として参加し、国民のために命を捧げる決意をするフレディの姿に迫っていく。
フレディ・前村を演じるオダギリジョーは、全編スペイン語のため語学練習を重ね、並々ならぬ意欲で本作に挑む。「役者になる前から阪本監督の作品が好きで、20代で仕事をしたことがあり今回オファーを来た時は、すぐに引き受けました。ただし、主役と聞いたときはビックリしました。キューバ撮影や、自分が演じる役はすべてがスペイン語という大変な役柄であるからこそ今回引き受けました。今までやったことのない苦しそうな現場に身を置きたくなる。それが映画出演のモチベーションになります」とコメントを寄せた。
これまで『KT』『闇の子供たち』『団地』のなどの問題作を製作し続けた阪本順治は「オダギリさんには『心（しん）の強さがあり、静けさも感じた』主人公のフレディを演じるにはオダギリさんにも共通の部分があると思った」とオファーした意図を明かし、「ボリビアの日系移民を調べたら、ゲバラと戦ったフレディを発見しました。私にとって長編映画で、ひとりの実在する人を題材にするのは初めてです。本当はもっと世間に知られるべきフレディに光を当てて映画化したかったのです」と製作に至った心境を語った。
2017年はフレディ・前村とチェ・ゲバラの没後50年にあたり、日本だけでなくキューバなどの中南米、フランス、スペインなどのヨーロッパ諸国でも公開される予定。
映画『エルネスト』は2017年秋全国公開
【CREDIT】
監督：阪本順治
主演：オダギリジョー
配給：キノフィルムズ 公式サイト：www.ernesto.jp
