池井戸潤が徳間書店発行の月刊小説誌「問題小説」にて2006年から2009年にかけて連載していた「アキラとあきら」。単行本化されていなかったその作品が、オリジナル文庫として刊行されるのに合わせ、7月にWOWOW「連続ドラマW」としてドラマ化されることがわかった。主演を向井理、斎藤工が務める。
WOWOWが池井戸作品を手掛けるのは「連続ドラマW 空飛ぶタイヤ」(09年/全5話)、「連続ドラマW 下町ロケット」(11年/全5話)、「連続ドラマW 株価暴落」(14年/全5話)に次いで4作目。今回はその中でも最長の全9話で制作され、スリリングな展開と重厚な人間ドラマが持ち味の池井戸作品をじっくりと堪能できる。
物語は、大企業の御曹司として約束された次期社長という“宿命”にあらがう階堂彬(かいどうあきら)と、父の会社の倒産から夜逃げなど過酷な“運命”に翻弄されながらも理想を育んできた山崎瑛(やまざきあきら)という2人を主軸に展開される。2人が幼少期から青年期にかけて経験する人生の選択を、バブル経済とその崩壊、激動の時代を背景に「アキラとあきら」の“宿命”のドラマを描き出す。
彬役に向井理、瑛役に斎藤工抜擢され、2人は今回が「連続ドラマW」初登場となる。なお、原作は大幅な加筆修正を加え、2017年5月31日に文庫判で発売される予定。
向井理 コメント
──WOWOW連続ドラマW初のご出演について感想をお願いします。
長いことWOWOWを視聴者として見ていましたし、特にドラマWはいつも観ていたので、出演させていただくことは素直に嬉しいです。出演する事が目標の一つでもあったので、撮影が本当に楽しみです。
──池井戸潤さん原作ドラマに初めてご出演されるお気持ちについて、お伺いさせてください。
池井戸さんご自身のご経験からいつもとてもリアリティがあり、尚且つエンターテインメント性もある作品なのでとても楽しみでした。また、本作のような同世代の友情、そして一見するとライバル関係、主人公2人のタイプが違うからこそお互いが認め合うお話は今までになかったと思うのでとても新鮮です。
──斎藤工さんとの共演について、印象やお気持ちをお伺いさせてください。
共演するのは本作で4作目になりますし、同じ年でプライベートでも話はしています。初めての時は変な人だなって思って見てました(笑)。しっかりと対峙して2人芝居に挑戦するのは本作が初めてで不思議な感じですが、楽しんでやれればと思います。
──視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。
職業物の骨太なストーリーとエンターテインメントの要素、そしてすごく芯の通った作品だと思います。WOWOWに初めて出演させていただきますし、最後まで楽しんで見ていただけるよう、とにかく気合を入れて頑張っております。また、ドラマを通して僕も銀行について初めて知った部分が沢山あります。僕の叔父はまさにこの時代に銀行員でしたので、色んな話を聞いて現場に臨んでいます。また、バブルを境に価値観やファッションなど日本は変わったと思いますが、今回スーツも時代に合わせて太さやディティールにこだわっています。リアリティとエンターテインメントの両方を楽しんでいただけると思います。
斎藤工 コメント
──WOWOW連続ドラマW初のご出演について感想をお願いします。
WOWOWではずっと「映画工房」という番組でナビゲーターを務めさせて頂いていますが、一視聴者として、WOWOW制作のドラマには映画のような作品が多いと思っていました。俳優として自分自身も、いつかそこに触れてみたいと感じていたので、今回ご出演させていただけることは非常に光栄です。
──池井戸潤さん原作ドラマに初めてご出演されるお気持ちについて、お伺いさせてください。
原作本がこれから発売されるというのは非常に珍しい機会ですし、本作では池井戸さんご自身のご経験も含んでバブル時代を経た日本が描かれているかと思います。その映像化作品に出演させていただくことに何か特別な意味を感じていて、去年でも来年でもなく今、出会うべき作品だなと思っています。
──向井理さんとの共演について、印象やお気持ちをお伺いさせてください。
俳優をされている方々の中で数少ない同学年です(笑)。向井さんは客観性を持っていて良い意味でクールな部分もあり、階堂彬に通じているところがあると思います。また、俳優としての彼の歩みの奥に隠れたうごめくものが同時にあるなと感じています。彼自身がどういう道を歩んできて、そしてどこにいくのか興味がありますし、そうした中で今回、初めて深く関わっていけることはとても楽しみな現場です。
──視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。
このドラマは2時間に集約できない映画に関わっている感覚がすごくあります。また、根が太くて強いところから始まっているので、風が吹いたり、雨が降ったり、太陽を浴び過ぎても、根がしっかりしている体制の中で臨めるということは現場としてとても幸せです。その想いがそのまま作品に宿ると思いますし、日本の特別な時期を描く中で、その時代を見て、ぜひ今と未来が見える体験をしてほしいです。僕ら自身が実際に体感させていただいているように、視聴者の方々にもしっかりリンクするテーマだと思っています。
池井戸潤 コメント
『アキラとあきら』は10年以上前に書き、眠っていた作品です。今回それを「発掘」していただき、WOWOW「連続ドラマW」の一作品としてクオリティの高いヒューマンドラマとして世に出せることは、喜びに堪えません。出演者の皆さんの熱い演技を期待しています。
「連続ドラマW アキラとあきら」はWOWOWプライムにて7月放送
【CREDIT】
原作:池井戸潤「アキラとあきら」(徳間文庫 2017年5月31日刊行予定)
脚本:前川洋一(「連続ドラマW 沈まぬ太陽」「連続ドラマW 下町ロケット」)
監督:水谷俊之、鈴木浩介
音楽:羽岡佳
出演:向井理、斎藤工ほか
特設サイト:http://www.wowow.co.jp/dramaw/akira/