『さよなら歌舞伎町』『ヴァイブレータ』で知られる廣木隆一監督が、「どうしても描きたかった」という自身の処女小説を映画化。『彼女の人生は間違いじゃない』が7月15日(土)に公開されることがわかった。
本作は、震災から5年後の福島を舞台に、戻る場所もなく進む未来も見えない者たちが、もがきぶつかり合いながらも光を探し続けるさまを描く。週末になると高速バスで福島から渋谷へ、デリヘルのアルバイトをしにいく主人公・みゆきが、ふたつの都市を行き来する日々に求めたものとは。
主人公・みゆきという体当たりの難しい役どころに全力で挑んだのは、『日本で一番悪い奴ら』に出演した瀧内公美。日常に戻ることなく役になりきるため、撮影中は一度も家には帰らなかったという。亡き妻を今も慕うみゆきの父親役に光石研、素性を隠すデリヘルの従業員・三浦役に高良健吾、みゆきの同僚で市役所職員・勇人役で柄本時生が共演する。
廣木隆一監督 コメント
朝起きて何気ない毎日が始まることと思っていた。5年と言う歳月はあっという間に過ぎていく。そんな時代に産まれた僕らの記憶と記録。今を生きている僕らの映画にしたかった。大げさに何かを言うのではなく、何かを伝えられる映画というものを信じるための映画にしたかった。ただ、その地に行って撮影して帰ってくるのではなく、その地に立って感じたことを全て描き切ること。ここには正直に向き合ったキャスト、スタッフの姿があるはずです。そして、それは『彼女』の人生の一部かもしれないが、今でも『彼女』はその一部の人生を生きているのだと確信できる映画になってくれたらと思います。劇場でその瞬間に立ち会ってもらえたら嬉しいです。
瀧内公美 コメント
この作品に参加できて、感謝と共に実りある時間を過ごせました。今でも撮影していた時の事を思い出すと、溢れそうな想いに胸がいっぱいになります。私は福島出身ではありません。その私がこの題材を表現することが出来るのか、緊張して棒人間になっていた私に、「これは福島だけの話じゃない」と言ってくださった 廣木監督の言葉が、私を前に向かせてくれました。廣木監督が描く本や言葉、眼差しはいつだって優しくて、本当の優しさや想いが映画にたくさん詰まっていると思います。その想いを感じながらも、本に描かれていることを表現することは難しくて、今の福島を見て聞いて感じて、撮影中、ずっと心が止まったり動いたり、無になったり、感じる事をやめたくなったり、いろんな想いがいっぱい生まれました。私は、本当に不器用な人間です。でも、伝えるのが下手でも手を差し伸べてくれる人が世の中にいて、廣木監督がいて、スタッフの方々がいて、その優しさや想いが映画になって、観てくださる皆様へ届けられたら、何か感じていただけたらなと思います。
映画『彼女の人生は間違いじゃない』は7月15日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
【CREDIT】
監督:廣木隆一
原作:廣木隆一「彼女の人生は間違いじゃない」(河出書房新社)
出演:瀧内公美、光石研、高良健吾、柄本時生
提供:ギャンビット、ギャガ/配給:ギャガ R-15
(C)2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会