ノーラン初の実話『ダンケルク』本ポスター解禁、ヒッチコック『海外特派員』など新作に影響与えた名作11本を自ら紹介

ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』のクリストファー・ノーランが初めて実話の映画化に挑んだ新作『ダンケルク』が9月9日(土)より全国公開される。この度、劇場用本ポスターが解禁となり、ノーランが本作に影響を与えた11本の傑作映画について寄せたコメントの全文が到着した。

ダンケルク

本作は、第二次世界大戦中の1940年5月26日から9日間、860隻の船舶でイギリス軍・フランス軍の兵士約40万人以上もの命を救った史上最大の救出作戦「ダンケルク作戦」の史実を描くスペクタクル・サスペンス。陸海空の3視点でストーリーが同時に進行し、時間描写において他と一線を画すノーラン監督ならではの緊迫の映像がIMAXカメラによって映し出される。出演は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『レヴェナント 蘇えりし者』のトム・ハーディを筆頭に、『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスほか、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、ワン・ダイレクションとして活躍していたハリー・スタイルズらが名を連ねる。

ダンケルク

解禁となったポスターは、空爆によって火花が散り、砂塵が舞い、兵士たちがうずくまる絶体絶命の中で這いつくばる若き兵士の横顔をアップでとらえた高インパクトなビジュアルとなっている。この若き兵士とは、劇中で観客の案内人となる役で、今回が映画初主演となるフィオン・ホワイトヘッドが演じている。本ポスターは7月1日(土)より全国の上映劇場(※一部を除く)で掲出される。また、同日からムビチケカードも発売される。

ノーランは「『ダンケルク』を生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択しました。芝居がかった大仰な演出による映像で現実世界の戦闘を見せることの危険性がすぐにわかるはずです」と語っており、本作へ揺るぎない自信をのぞかせている。

ダンケルク

クリストファー・ノーラン コメント(全文)


皆さんは戦争映画のセレクションを期待するかもしれません。しかし、私は『ダンケルク』を生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択しました。ジェームズ・ジョーンズのエッセー「Phony War Films」(イブニング・ポスト:1963年3月30日付)を読めば、芝居がかった大仰な演出による映像で現実世界の戦闘を見せることの危険性がすぐにわかるはずです。ジョーンズ曰く「戦争が人間性を失わせる」と最初にして最高の手法で描いたのは『西部戦線異状なし』(1930年、ルイス・マイルストン監督)です。あの傑作をもう一度観れば、過剰な戦闘描写や恐怖の表現がより優れていたとは言えなくなるはずです。私にとって、あの作品は、登場人物たちがそれぞれの運命における意義と論理を見つけ出すという、これまでの戦争映画の常套表現に抵抗する力を示してくれるのです。

今回のセレクションは、2つの異なる、しかし重複するカテゴリーに分類できます。『恐怖の報酬』(1953年、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督)や『エイリアン』(1979年、リドリー・スコット監督)など、緊張感のある確立された古典的な作品から、より最近のハラハラドキドキする『スピード』(1994年、ヤン・デ・ボン監督)や、トニー・スコット最後の監督作品となった『アンストッパブル』(2010年)まで。この映画祭は観客の反応を物語へ導くサスペンスの技巧と手法を探求します。

その他のタイトルは、純粋に視覚的なストーリーテリングの可能性を探求するものです。エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の『グリード』(1924年)やF・W・ムルナウ監督の『サンライズ』(1927年)などの美しいサイレント映画では文字通り”視覚的な”可能性を、そして『ライアンの娘』(1970年、デヴィッド・リーン監督)では、ぞっとするような吹きさらしの浜辺や砕ける波の場面が象徴する、映画に登場する映像の力がそれにあたります。

アルジェの戦い』(1966年、ジッロ・ポンテコルヴォ監督)はキャラクターに感情移入せずにはいられない、時代を超越して影響を与えるドキュメンタリー・タッチの作品です。映画を観ていると登場人物たちが直面する現実や勝算に夢中になるという単純な理由から、彼らに共感してしまうのです。ヒュー・ハドソンの『炎のランナー』(1981年)は、華麗な映像、複雑な物語、そして敢えて時代に逆行した音楽で英国の傑作となりました。

映画的なサスペンスや視覚的なストーリーテリングの探求はヒッチコックなくして完成しません。『海外特派員』(1940年)での飛行機が海に墜落する様を描いたヒッチコックの才能は、我々が『ダンケルク』で試みたことの多くにインスピレーションを与えてくれました。

これら全ての映画は、35ミリもしくは70ミリのフィルムで上映されます。素晴らしい映画を栄誉あるアナログの姿で鑑賞することができる貴重な機会を、皆さんに楽しんでもらえるよう願っています。

ノーランのコメント原文は下記を参照
「Christopher Nolan curates BFI Southbank season of influences on new film Dunkirk」
http://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/announcements/christopher-nolan-presents-dunkirk


映画『ダンケルク』は9月9日(土)より全国公開

【CREDIT】
監督・脚本・制作:クリストファー・ノーラン
出演:トム・ハーディ、マーク・ライランス、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズ
公式サイト:http://dunkirk.jp

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