『幼な子われらに生まれ』浅野忠信がパパ顔に、算数の宿題で浅野家のルールを明かす

映画『幼な子われらに生まれ』のプレミア試写会舞台挨拶が2日、都内・ニッショーホールで行われ、主演の浅野忠信をはじめとする、田中麗奈、宮藤官九郎、南沙良、鎌田らい樹、新井美羽、そして監督の三島有紀子が登壇した。

幼な子われらに生まれ

満席の会場に拍手で迎えられた浅野は「台本をもらってすぐにやりたいと思った作品。女性の監督と仕事をするのは初めてだったが、監督がとても面白い形で詰め込んでくれた」と本作をアピール。 三島監督は「一瞬でもお芝居に見えるようなところがないようにしようと思った。セリフや動きが突然変わってもいい、そのとき感じた気持ちを大事にワンテイクで撮ろうというのを目指した映画でした」と語った。

さらに浅野に対して「お芝居というような瞬間が一瞬もない。子供のようにむき出しで向かって来られる役者さんは初めてでした」 と振り返ると、浅野は「監督にさまざまな意見を出したり、どんどんわがままを言って困らせてしまって……」と申し訳なさそうな表情を見せた。そんな浅野に三島監督は「でもそれがよかったんです。一人ひとりの気持ちを確認しながら、ぶつかり合いの化学反応をとにかく記録していった」と答え、浅野がいたからこそ実現できた作品なのだと明かした。

また、浅野は「子供たちにすごく救われました。自分でも想像していなかったリアクションが飛び出るので夢中になりました」と現場を振り返り、 撮影当時は新婚2か月だった田中は「その頃は(役のように)パックして旦那さんを迎えるなんてありえないと思っていましたが、今は旦那さんの前でパックして髪をドライヤーで乾かしながら台本を読んでいるので、結婚ってそういうものなんだな」と自身の生活と重ねて語った。

宮藤は、「なかなかヒドい男の役で、好感度が下がるかも…嫌いにならないでください」と会場の笑いを誘いつつ、「奥さんや娘の悪口とか、思っちゃいけない事が(台本に)書いてあるので、逆に演じやすかったです」と苦笑い。劇中では初共演の浅野と対峙するシーンもあり「信(浅野)と沢田(宮藤)は表向きは正反対ですけど、多分共感していく部分がすごくあるんだろうなと思います」とコメント。

本作が演技初挑戦だという南は「不安な気持ちはあったが、温かい現場でリラックスして臨めた」と笑顔を見せ、その様子に三島監督も「リアルな感情のぶつかり合いを撮りたいと思ったときに、南さんみたいな反応力は重要。反射力が高く素晴らしい女優」と絶賛した。

幼な子われらに生まれ

また、この日はキャスト陣で、小学校に通う新井の夏休みの宿題を手伝うことに。算数の問題がだされると、浅野は「たぶん2千円で買える。おつりはおこづかいであげるっていうのがうちのやり方」と浅野家のルールを明かしながら冗談交じりに語り、新井たちを笑わせたが、その後には先生のように分かりやすく解説。その姿に「家に来てもらって全部、教えてもらいたい」と新井からオファーを受けてい た。

最後に浅野は「自分自身とても気に入っている作品なので、たくさんの人にみてもらいたい」と話し、宮藤も「どこの家庭にも起こりうること、誰もが誰かに感情移入しながら見れる作品」とアピール。三島監督は「もがきながら、格闘しながらできた作品。観ていただけたら何か心にのこるはず」と本作に込めた思いを会場に送った。


本作は、44歳の信と、元妻、現在の妻、妻の連れ子、元妻と暮らす実娘、そして新しく産まれくる命をめぐって不器用な大人たちが成長していくヒューマンドラマ。原作は重松清の同名小説。つぎはぎだらけのパッチワークのような家族の中で、成長していく大人たちをリアリティあふれるタッチで、かつ優しく見守るように描いた作品だ。

バツイチ子持ちで再婚した中年サラリーマンの主人公・信を浅野忠信が、二度目の妻・奈苗を田中麗奈がそれぞれ演じるほか、宮藤官九郎、寺島しのぶ、南沙良らが共演する。監督を『繕い裁つ人』『少女』の三島有紀子が務める。

映画『幼な子われらに生まれ』は8月26日(土)よりテアトル新宿・シネスイッチ銀座ほか全国公開

【CREDIT】
出演:浅野忠信 田中麗奈/水澤紳吾 池田成志 南沙良 鎌田らい樹 新井美羽/宮藤官九郎 寺島しのぶ
原作:重松清「幼な子われらに生まれ」(幻冬舎文庫刊)
監督:三島有紀子 脚本:荒井晴彦
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:Osanago-movie.com

(C) 2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会

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