松本穂香が長編映画初主演を務める映画『おいしい家族』が2019年秋に公開されることがわかった。
映画・脚本・小説と映像・文学とマルチな才能を持ち合わせた新鋭作家ふくだももこの初長編作品となる本作。原作は、ふくだももこ自身が監督を務めた前出の短編映画『父の結婚』。妻を亡くした父親が再婚するまでの親子の日々を描いた同作の長編化となる。
主演は、デビュー以降数々の映画・ドラマに出演し、女優としての実力はすでに折り紙付きの松本穂香。本作で長編映画初主演を果たす。
松本演じる主人公・橙花は東京で働くキャリアウーマン。母の三回忌に実家の離島に帰ると、なぜか父・青治(せいじ)が母の服を着て生活していることを知る。びっくりする橙花を気にせず父は続けて「この人と家族になる」とお調子者の居候・和生(かずお)を紹介。状況をのみこめない橙花と、人の個性を受け入れるおおらかな島の住人達との暮らしを、ときにクスッと、ときにハートフルに描いた物語。橙花は父を始め、様々な価値観や個性をもった人たちに出会うことで、自分が考える常識から解き放たれ、次第にそれぞれの個性を受け入れると共に、自分らしく生きることの大切さに気付いていく。
橙花の父・青治役には、お笑い芸人、俳優、映画監督と多方面で活躍し、ふくだの前作『父の結婚』でも同じ役どころを演じた板尾創路が続投。青治のパートナーであり、お調子者の居候・和生役には、在日ファンクのボーカル兼リーダーで、俳優としても数々の作品に出演する浜野謙太。
撮影は1日のみの東京での撮影を除き、すべて伊豆諸島 新島で撮影。出演者・スタッフは島に泊まりこみ撮影にのぞんだ。「常春の島」と称され、一年を通じて寒暖差が少なく、美しい海と砂浜をもつ新島の雰囲気が、本作に一味そえている。作品はすでに完成しており、公開は秋を予定している。
松本穂香 コメント
主演のオファーを受けて
主演のお話を受けて、経験もほとんどない私が主演で大丈夫かな?と撮影前は不安な気持ちがありましたが、監督やスタッフさん達と話をして作品と向き合っているうちに、みんなでいい物を作ろうという気持ちに変わっていました。
脚本を読んで
1ページ、2ページ、気付けばあっという間に読み終えていました。この世界に自分が行けるんだ、この役を演じられるんだ、とワクワクソワソワしたのを覚えています。
出来上がったものをみて
ふくだ監督は、これは愛の映画だと伝えてくれました。キャストだけでなく、監督、スタッフさん達、この映画に関わった全ての人の愛がつまっている映画です。皆さんにも、自分が思う愛と重ね合わせて、観て頂きたいです。
浜野謙太 コメント
脚本を読んで
和生はある意味、かき混ぜる存在なので真意はどこにあるのだろう?と思いながら読み進めましたが、かき混ぜた状態自体が愉快で幸せで。愛はかたちではなくて、感じればいいのだなと思いました。
出来上がった作品を見て
若い面々のパワーが弾けてる作品になっています。松本さんを筆頭に若く素晴らしい俳優の方々がたくさん、そしてももこさん。おっちゃん照れてしまうくらいのとこもありましたが、激しく弾けてるから感動するんです。
板尾創路 コメント
前作『父の結婚』に続き2度目のふくだもももこ作品への出演について
前回の短編の時はフイルム撮影という事もあったので監督のカットかけるのが早かったが、今回は長かったし、酒も強くなってたし、美人になってた。短編の「父の結婚」はショートケーキで、長編はバースデーケーキの様で、みんなに味わって欲しいと思える、おいしい映画になりましたとさ。
出来上がった作品を見て
風景があり、町があり、そこに人が居て、そしてドラマがある…映画の王道を捉えつつ、監督の理想郷アイランドを表現していて、家族や友人の事がまた好きになる作品です。その島に行ってみたくなったり、劇中の料理を食べたくなったりする経済効果も生んでしまったりしてる事に気付いているのは私だけでしょうか?
ふくだももこ監督 コメント
公開を受けて
自分の撮った短編映画が長編映画として公開されるなんて、めっちゃラッキー!!!信頼し、尊敬するスタッフ・キャストのおかげですべての作業が最高に楽しかったです!はやく色んな人に観てもらいたい!
本作について
思想のある映画が好きです。この映画では、小さな島のひとつの家族を通して、私の考えるユートピアを描こうと決めていました。どんな姿でも、何になりたくても、誰を好きでも、なんでもええやんって。必要なことは、自分を大切にして、人にやさしくすることだと思っています。たったそれだけのことがむずかしい世界ですが、これからも信じて映画をつくっていきたいです。
映画『おいしい家族』は2019年秋全国公開
(C)2019「おいしい家族」製作委員会