映画『ファーストラヴ』初日舞台挨拶が11日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、板尾創路、木村佳乃、堤幸彦監督が登壇した。
観客を前にした登壇は初めての機会となった初日舞台挨拶。上映終了直後の余韻冷めやらぬ観客からの大きな拍手に迎えられ、北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、板尾創路、木村佳乃、堤幸彦監督が登壇。この日は全国314劇場へライブビューイングの同時生中継も行われており、カメラに大きく手を振りながら、中村がさっそく「全国ー!」とざっくり全国へ呼びかけて笑いを誘うなど、観客とこの作品とようやく共有できる喜びに一同が笑顔を見せた。
北川は「お越しいただいた皆様、全国の皆さまも観ていただいてありがとうございます。一昨年に撮影をして、やっと今日お届けすることができました。久しぶりにお客様の前で、そしてこの映画で舞台挨拶ができて、本当に嬉しいです」と感無量の表情で挨拶をすると、中村も「元気ですかっ!」と投げかけながら、「公開初日、久しぶりにお客様に会えましたし、全国の皆さんもいて、幕が開いたんだなと実感しています。ぜひこれから見に来る方はハンカチのご用意を…花粉も飛びはじめたみたいですし(笑)」とユーモアあふれる挨拶で続け、芳根は「宣伝ではちょっと不安になりながら『2月11日公開です!』と言っていたのですが、今日こうして舞台に立てて本当に嬉しく思います。この作品で、少しでも皆さんにも希望の光が見えたらいいなと願っています」と安堵をにじませた。
窪塚は中継カメラに手を振りながら「板尾さーん!元気ですかっ!」と真横に立つ板尾へ呼びかけつつ、「本日は最高の晴天、青空で、この映画を撮影したときの青空も今日みたいな日だったと記憶しています」とコメント、木村は「本当は優しい普通のお母さんを演じたいんですが、鬼のような母を演じて…(笑)。監督とご一緒したかったのでなんとか食らいついて…演じてる間、本当に心が痛くて苦しかったんです。(娘役の芳根が)かわいそうで、本当だったら『ウチの子はやってません!』ってやりたかったんですけど…」と上映後とはいえ勢い余りそうな様子に、同じ所属事務所の中村から「先輩、ネタバレ気を付けてください!(笑)」と鋭い静止が入る一幕も。板尾は「元気ですね。」と窪塚の呼びかけに答えつつ「2019年に撮った作品で、寝かしてちょうど見ごろになってます。あのトイレが××××××…なぜ裁判で××××…」とこちらもネタバレ全開の勢いに、またも中村が「全部言いますね!(笑)」としっかり止めに入って会場を沸かせた。
<ファーストラヴ>のタイトルに秘められた真実をめぐり、“愛”の意味を問いかける作品とあって、この作品を通じて感じた“愛”について話が及び、北川が「つい最近、(木村)佳乃さんから『景子ちゃん大丈夫?疲れてない?』とお電話をいただいて、その声が凄く優しくて少し泣いてしまった。その電話のあと頑張ろうと思えました」と明かしたエピソードに、木村は「どうしよう内緒にしてた話が…恥ずかしい…汗かいちゃいました…」と動揺していると、なんと突如窪塚のポケットで携帯電話が鳴りだすハプニングが発生し、会場が盛り上がった。
続けて中村はエンドロールの背景で流れる映像について「ある日、台本にない十数行のセリフをポンと渡されて…ゾっとしたんですけど、迦葉の普段働いている姿、本編で描かれていない姿を救い上げてくれるところに監督の愛を感じました」と撮影中のエピソードを明かした。さらに芳根が「私自身北川さんから愛をいただいて、環菜も北川さん演じる由紀から愛をいただいた。あの時期ちょっと悩んでいたりもしていて、私の心を“景さん”が癒してくれた」と語ると、隣にいた中村から熱視線が…、芳根が「中村さんが北川さんのこと“景ちゃん”って呼んでるのがうらやましくて、私も“景さん”って呼ばせてもらってます!」と対抗心を燃やすと、中村は「(芳根は北川のことが)好きすぎるんですよ!」と芳根の“北川愛”の大きさにあらためて驚いていた。
窪塚は「堤監督と12年ぶりに一緒に仕事をさせていただいて、当時あった情熱、現場に向かう心意気みたいなものがより燃え盛ってて、北川さんや中村さんのお芝居も愛が無かったらやっていけないことだと思う。それを支えてくれる製作や現場のスタッフ、配給のために動いてくれているスタッフの皆さんの愛もあってこうして呼んでもらって話させてもらえるのが本当にありがたい。今この場所で愛を感じてます」と照れながらも熱いコメントを表した。
板尾も「打ち上げのとき、監督が裁判風のクイズと賞品には高級食パンを用意してくれて、スタッフに対する労いを感じた。僕はもらえなかったけどそのパンがとても優しそうなパンで、それがすべてを表している気がします」と監督の愛情を明かしていた。木村は「セットでの撮影が終わって車で帰っていたら、狭い道でドン詰まりになってしまって…。困って制作スタッフさんに電話してみたら、猛ダッシュで2人走ってきてくださって、ものすごい運転テクで抜けてくれた。惚れてしまいました」と撮影中のトラブルに対応したスタッフへの感謝を語った。
最後に改めて、堤監督が「このような日を迎えられて幸せです。こんなご時世で、明るくないように見えるかもしれないけれど、この作品は心の奥にある闇や影のその先にほっこり明るいものがあると信じて作っていた。仕上げは大変な時期と重なりましたが、たくさんの皆さんのご意見、スタッフの力、この素晴らしいキャストの皆さんの力で、自信をもってお届けできる作品だと信じております。全身全霊という言葉がぴったりの作品。」と力を込め、北川も「長い間宣伝活動もしてきて、ここが見所です、といろいろお話もしてきたんですけど、今日幕が開いて、皆さまの感じたいように感じて受け取っていただけたらそれ以上嬉しいことはないと思っています。届かなかった、受け取れるはずだった、すれ違った、いろんな”愛”の物語なのですが、私は皆さんとこの作品を作ることが出来て、主演をやらせていただけたことで本当にたくさんの愛をいただき感謝の気持ちでいっぱい。たくさんの人に届いたら良いなと思います」と感慨深げに締め、タイトルに相応しい“愛”にあふれた初日舞台挨拶となった。
映画『ファーストラヴ』は2月11日(木・祝)より全国公開
(C)2021『ファーストラヴ』製作委員会