山岳ドキュメンタリー『MERU/メルー』引っさげ監督ジミー・チン来日、馬目弘仁ら日本の名クライマーと対面

映画『MERU/メルー』ジャパンプレミアが8日、都内にて行われ、本作のPRため来日したナショナル・ジオグラフィックの山岳カメラマンであり、世界的トップ・クライマーでもある本作の監督 ジミー・チンが登壇。ゲストに、日本人として数少ないメルー峰の登頂者である登山家の馬目弘仁、世界の山々を征したレジェンドクライマー花谷泰広、平山ユージが駆けつけた。

MERU
(左から)平山ユージ、花谷泰広、馬目弘仁、ジミー・チン

2015年にサンダンス映画祭で観客賞を受賞した本作は、標高約6,250mを誇るヒマラヤ・メルー中央峰、ダイレクトルート完登のドキュメンタリー。多くのトップクライマーを拒絶してきたヒマラヤの世界最難ルート、メルー峰・シャークスフィンに、取り憑かれたように挑み続ける男たちの姿を、ナショナル・ジオグラフィックの山岳カメラマンでありクライマーのジミー・チンが描き出す。

「とても美しいメルーという山に登頂したという同じ経験を共有した方にお会いできてとても嬉しいです」と挨拶したジミー。本作を作った経緯を問われると、「一般の人には理解してもらえない『山に登る気持ち』を少しでも理解してもらい、経験をシェアしたいと思い作りました」と語る。出来上がったものを鑑賞した馬目は「私はメルー峰に4度挑戦して頂上には立ちましたが、ジミーのように岩壁をダイレクトには登れませんでした。私の登り残した気持ちを彼が達成したという嬉しい気持ちと、懐かしい気持ちでいっぱいでした」と感想をこぼしていた。

また、メルー峰での過酷な撮影に挑んだジミーは「山に詳しい人にも『これは本物だ』と思ってもらえるよう、2種類の観客に楽しんでもらえるような作品を作ることにとても苦労しました。僕にとって、15年間撮影も兼ねて登山にカメラ持って行くのは自然の事なんです。しかし、余計な荷物を持って行くことは負荷でもあり、本当ならばその分食事を持っていけるわけなので、自分にとっては大きなチャレンジです。毎日『途中で辞めたい』と思っていましたよ」と振り返っていた。

続けて、クライマーとして一番大切なものは「チームメイト同士の信頼感と共通のモチベーションを保つこと」だというジミー。「自分だけでなくチー ムメイトもどれほどリスクを冒す気持ちがあるのか、ギャップがあるとうまくいきません」と述懐し、最後に「僕にとってこの映画が日本で上映されることはとてもエキサイティングです。この映画 を見て何か得るものがそれぞれあればと願っています」とメッセージを残した。

映画『MERU/メルー』は12月31日より新宿ピカデリーほか全国順次公開

【CREDIT】
監督:ジミー・チン、エリザベス・チャイ・バサヒリィ
登場人物:コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズターク、ジョン・クラカワー、ジェニー・ロウ・アンカー、エイミー・ ヒンクリー、グレース・チン、ジェレミー・ジョーンズ、ショーン・アーロン
配給:ピクチャーズデプト

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