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『エターナルズ』
『ノマドランド』で、アジア系女性としては史上初となるアカデミー賞監督賞に輝いたクロエ・ジャオ監督がメガホンを取ったマーベル映画『エターナルズ』が、11月5日(金)から劇場公開される。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のその後の世界を舞台に、7000年もの間、歴史の裏側で地球を見守り続けてきた、“エターナルズ”の活躍を描いた物語。ワールドプレミアも迎えいよいよ公開を間近に控えるなか、本作の見どころをお届けする!(文/渡邊玲子)
◇アベンジャーズが誕生するはるか昔から地球に存在── 超人的な能力と不老の肉体を持つ種族“エターナルズ”
これまで、さまざまな脅威から地球を守ってきたアベンジャーズが誕生するはるか昔から地球に存在する、超人的な能力と不老の肉体を持つ種族“エターナルズ”。宇宙最凶最悪の敵として知られるサノスを超える未曽有の脅威が人類に迫ったことから、サルマ・ハエック扮するリーダー、エイジャックの呼びかけで、ロンドンや人里離れたアマゾンの奥地など、社会に溶け込む風貌で地球上のあちこちに散らばっていた個性豊かなメンバー10人が再結集。人類滅亡の危機に挑んでいく。
◇アンジェリーナ・ジョリー、マ・ドンソクら豪華キャストが集結!監督は“大のマーベルファン”クロエ・ジャオ
主演を務めた『クレイジー・リッチ!』のジェンマ・チャンをはじめ、大人気ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のリチャード・マッデンやキット・ハリントン、「マレフィセント」シリーズや『Mr.&Mrs.スミス』などで世界中を虜にし、本作でマーベル映画に初参加を果たすアンジェリーナ・ジョリー。そして『フリーダ』のサルマ・ハエック、『新感染 ファイナル・エクスプレス』のマ・ドンソクなど、国際色豊かな超豪華キャストが顔を揃えているほか、予告映像からもクロエ・ジャオ監督ならではの圧倒的な映像美とアクションが融合した、非常に稀有な作品であることが、ひしひしと伝わってくる。
また、日本版声優陣にも錚々たる面々が名を連ねているのも見逃せない。主人公セルシの吹替えを担当するのは、「機動戦士ガンダム00」のマリナ・イスマイール役などで知られる恒松あゆみ。リチャード・マッデン演じるイカリスは、「ゲーム・オブ・スローンズ」などでマッデンの吹替えを担当してきた川田紳司が務め、キット・ハリントンの吹替えも「ゲーム・オブ・スローンズ」につづいて花輪英司が担当する。また、アンジェリーナ・ジョリー演じるセナは、ジョリーの吹替えでおなじみの深見梨加。最も陽気な性格を持つメンバーのキンゴ役に杉田智和、人の心をコントロールすることができる能力をもつドルイグ役には内山昂輝。さらに、マ・ドンソク演じるギルガメッシュに稲田徹、サルマ・ハエック演じるエイジャックに戸田恵子など、字幕版だけではもったいないと思わせるほどの充実ぶりとなっている。
過去には「アイアンマン」シリーズのジョン・ファブロー監督や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガン監督、『ブラック・パンサー』のライアン・クーグラー監督、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督など、インディペンデント映画で頭角を現してきた監督を起用し、傑作を生み出してきたマーベル・スタジオだけあり、本作がクロエ・ジャオ監督の手に託されたこともまったく不思議はない。ジャオ監督自ら「大のマーベルファン」であることを明言していることからも、必ずや納得のいく仕上がりになっているに違いない。
◇これまでとは異なる多様性を感じさせる新時代のヒーロー集団!“エターナルズ”って何者?
注目すべきは、アベンジャーズの死闘すら影で見守り、超人的な能力を隠しながら現代社会に溶け込んで暮らしてきた“エターナルズ”の面々がまとう、明らかにこれまでとは異なる多様性を感じさせる新時代のヒーロー像である。今年公開された映画『ジャングル・クルーズ』のなかでも“不老の辛さ”は語られていたが、7000年もの長きにわたって、世の中の激しい移り変わりを目の当たりにしながら、決して死ぬことなく生き続けてきた“エターナルズ”たちが、それぞれのバックグラウンドをもとにいったいどんなストーリーを紡いでいくのか。公開されているキャラクター設定を垣間見るだけでも、非常に興味が湧いてくる。
たとえば、“エターナルズ”最強の戦士であるイカリスは、高潔でカリスマ性を持ち、チームの先頭を走る存在でありながらも、任務に対する想いが強さすぎるあまり、しばしばチームメイトと衝突することもある、“異端児”であったりもする。
一方、チームの中で最も力が強く、かつてのディヴィアンツとの戦いでは死闘を繰り広げ、その圧倒的な強さがいまなお伝説として語り継がれている巨漢のコズミックは、その見た目とは裏腹に、チーム中最も心優しい人物であり、人間たちにも親切な“エターナルズの良心”ともいうべき存在だ。
かと思えば、まるで本物に見える幻影を生み出し、自分の姿を自由自在に変化させることのできる能力をもつスプライトは、12歳の少女のような見た目から数千年に渡って人間たちから“子ども扱い”されていることに対し、孤独や疎外感を感じているが、実はそのパワーは思いのほか強大で、“エターナルズ”の中でも一、二を争う明晰な頭脳の持ち主なのだ。
つまり、“エターナルズ”の面々たちの多くは、見た目とは異なる内面や能力を持ち、複雑な思いを心に宿しているキャラクターであるからこそ、いわゆる一般的なヒーローたちとはひと味もふた味も違う、魅力的なヒーローチームたり得ることが、容易に想像できるのだ。
◇想像を遥かに超える感動を!新時代のヒーロー集団“エターナルズ”の活躍を見逃すな!
さらに本作には、交際中の彼女が、実は不老の種族“エターナルズ”であることや、その彼女に数世紀に渡って愛し続ける元恋人がいること。ましてや、この地球が残り7日間で滅亡するかもしれない危機に見舞われていることすら知らない人間の男性デインが、主要な登場人物の一人として絡んでくることにも注目したい。地球滅亡の危機を救うヒーローチームと共に、彼の存在がこの物語をきっとより見ごたえのあるものにしてくれるに違いない。
マーベル・スタジオ作品では恒例の、エンドクレジット後のシークエンスは今回も驚きの展開があるよう。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のその後の世界を舞台に、7000年もの間、歴史の裏側で地球を見守り続けてきた“エターナルズ”。彼らがどんなドラマを魅せてくれるのか、きっと想像を遥かに超える感動を与えてくれるだろう。11月5日(金)の公開初日に劇場に駆け付け、ぜひともその驚くべき全貌を目の当たりにしてほしい。
映画『エターナルズ』は11月5日(金)より全国公開
公式HP:https://marvel.disney.co.jp/movie/eternals.html
(C)Marvel Studios 2021