ミニシアターを救え!「休館がもし3ヶ月続くと必ず閉館に追い込まれる」“補償なき休業自粛”の現状、「ミニシアター・エイド基金」会見

クラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」無観客記者会見の模様がDOMMUNEにて配信された。

映画ランド

小規模映画館支援のためのクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」が、4月13日(月)よりMotion Galleryにてスタートするのに伴い、同日16時からDOMMUNEにて立ち上げの記者会見が行われた。深田晃司(発起人・映画監督)、濱口竜介(発起人・映画監督)、浅井隆(アップリンク代表)をはじめ、斎藤工(俳優・映画監督)、渡辺真起子(俳優)、全国の劇場支配人が中継で参加した。

「ミニシアター・エイド基金」は、ミニシアターに資金を送るためのクラウドファンディング。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令され、補償が不明瞭な中、政府からの自粛要請が続き、全国の小規模映画館「ミニシアター」もまた閉館の危機にさらされている。

「ミニシアター・エイド基金」小規模映画館支援のためのクラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

#SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」プロジェクト Change.Org:https://bit.ly/2yBA6gZ

斎藤工「ミニシアターが存続することを心から願っています」

深田監督は「この1〜2ヶ月が勝負。ミニシアターがあるおかげで、ハリウッド大作や娯楽性の高い映画だけでなく、世界各国の映画を比較的簡単に観ることができる。いま、その環境がギリギリ保たれている状態。映画の多様性を守るために、ミニシアターはとても重要な役割を果たしています。そのためには行政を動かさなければいけない。行政を動かしている間にも危機に瀕しているミニシアターのために何かできないかと、SAVE the CINEMAと連動して活動をしています。クラウドファンディングは最後の手段、本来は文化予算から補償がなされるべき」と明かす。

濱口監督は「なぜミニシアターなのか。一つは、ミニシアターという場所が、メジャーを経営しているシネマコンプレックスとは違って、即刻支援・助成が必要なこと。映画ファンのネットワークを利用して支援のネットワークを作っていく必要があるため、MiniTheaterAID(ミニシアターエイド)としています」と話した。13時からスタートした同クラウドファンディングは、16時現在ですでに500万円に達している。目標は1億円。

賛同者のひとりとして出席した斎藤は「本来は、例えばドイツのような芸術・文化助成がなされるべき。いまは人命や医療、インフラに関わるものが最優先だと思うのですが、長期戦になることを見越した場合、この困難が収まった時の拠点となる場所・戻ってくる場所・希望という場所はミニシアターだと思っています。僕はミニシアターで育ったと言っても過言ではない。スクリーンの窓からいろんな世界の景色、いろんな出会いをいただきました。学生時代に劇場のカラーがあることに気づき、『この映画館に行けばあの作品が必ず観れる』『この映画館ではあのタイプの映画が観れる』と。阪本順治さんとお仕事をした時に、作品が上映されるすべての劇場にお手紙を書いていることを知りました。それくらい、各劇場の支配人とのネットワークができていて、これが日本映画の歴史なんだなと思いました。映画館とフィルムメーカーの関係性、各劇場が才能を発掘して育てていることを目の当たりにしました。ミニシアターが存続することを心から願っています」と話した。

渡辺も「思春期の頃、自分の居場所が見つからない時、自分を迎えてくれる場所が映画館だった。今もなお、ただの映画ファン。新しい考え方をもらったりするために映画館に行っています。いまの世界のことを考えると、優先すべきは人の命。医療現場、大変な思いをして毎日働いている方々。働かざるを得ない人がたくさんいる。いろんな問題がたくさんあると思いますが、私にできることの一つに、このプロジェクトに賛同することがある。日本は本当に多種多様な映画が上映されている。うまく言葉がまとまりませんが、まだまだいいアイデアを取り入れて成長していくと思うので、ぜひご支援のほどよろしくお願いします」と声を時折詰まらせながら訴えた。

「ミニシアター・エイド基金」小規模映画館支援のためのクラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

#SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」プロジェクト Change.Org:https://bit.ly/2yBA6gZ

「休館1ヶ月でも、かなり苦しい」劇場支配人の声

アップリンク代表の浅井氏は、7都府県の緊急事態宣言がもたらす“補償なき休業自粛”の現状をふまえた上で「8割〜9割の来場者が減った。家賃が発生し、スタッフの人件費など、4月に入ってからはオープンしても赤字になる状態。緊急事態宣言が出て、補償なき休業自粛要請が続いている状況」とコメント。

アップリンク・クラウド:https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2311/
アップリンク・オンライン・マーケット:https://uplink-co.square.site

名古屋で「シネマスコーレ」を経営している劇場支配人の坪井氏は「愛知県は独自の緊急事態宣言のため、必ずしも閉めなければ行けない状態ではない。ですが、かなり緊迫・切迫している状況です。3月に入ってから、シネマコンプレックスでかかる映画がだんだん公開延期となり、地方のミニシアターは独自でプログラムを組むことが難しくなっています。また、シネマスコーレは舞台挨拶が人気でしたので、それが中止になっていくと来場者が減り、売り上げも減ります。シニアの方が新型コロナウイルスに敏感なこともあり、緊急事態宣言が愛知県で出される前から、徐々に来場者がゼロになっていきました。お恥ずかしい話ですが、1日の来場者数が10人、あるいは10人を切ることも。こういった状況が続き、自主休館ではなく閉館になることの怖さが出てきて…。休館1ヶ月でも、かなり苦しい。休館がもし3ヶ月続くと…シネマスコーレの話ですが必ず閉館に追い込まれると思います。3ヶ月の間に絶対継続していかなければいけないと僕らも考えますが、本当に早く収束してほしいと、願うばかりです」と、いま置かれている苦しい現状を語った。

京都の「出町座」を経営している田中氏は、「営業はしているのですが、ほぼほぼ開店休業状態。3月末にいきなりガクッと人の流れが落ちた。4月に入っても現状は変わらない。自主的に休業しなければならない状態は、明日・明後日いつ起きてもおかしくはない状態です。開業時に始めたクラウドファンディングとは全く違うものになりますが、海外の劇場がチケットの先売りを行っているというお話を聞いて、取り入れてみようと思って始めています」と話した。

出町座未来券:https://motion-gallery.net/projects/demachiza2020

大阪「シネヌーヴォ」劇場支配人の山崎氏は「3月末から急激にドーンッと落ちてしまい、史上最低の売上げを出してしまった。これが続くと、本当に劇場がもたないと危機感を感じていた中で、決まっていた上映作品がどんどん延期になっていった。続けていても、スタッフにとってもお客さんにとっても危険な中で映画を観てもらうことになってしまうので、安全な状態になってから戻って来てほしいので休館を決断しました。京阪神の取り組みとして応援Tシャツ(Save Our Local Cinemas)の販売を始めて、参加している13館は1ヶ月近く存続が伸びたと思っています。すごく力になって感謝しています」と明かした。

Save Our Local Cinemas(販売終了):https://localcinema.base.shop/

広島にある「シネマ尾道」を経営している河本氏は、「映写機を止めることは絶対にしたくないと思いますが、休館を選んだ苦渋の決断はすごく皆さんから伝わってきて、シネマ尾道もどうしたらいいか悩んでいます。いま休館をせずに営業を続けていますが、4月に入ってから急激にお客さんが減ってしまい、厳しい状況が続いています。どうしていくべきか日々自問していますが、先行きがみえない状況です。シネマ尾道 友の会の会員制度を募集していて、応援・支援という形で新たに50口近く集まっています。街の人たちがピンチを、映画館を支えてくれています。このミニシアター・エイドの活動が励みになっているのは間違いないです」とコメントした。

シネマ尾道 友の会:http://cinemaonomichi.com/友の会

コミュニティシネマセンター代表理事であり、大分シネマ5の田井氏は「様々な活動を通して、大変多くの方が気にかけてくれていることに感謝しかありません。本当にありがとうございます」とし、「本当は映画を観たい、映画館に行きたいのに来れない人がたくさんいる。そういう人たちにとって、休館した方が諦めがつくけれども、開館している以上は観たいけど行けない苦しみにある。休館は一つの選択肢としてあらざるをえないのではと思います。東京のほとんどが休館、1ヶ月新作が公開されないということは、収束後に地方でかける映画がなくなってしまう。そこに懸念もあります。収束後のことも大きな問題として考え続けています」と語った。

劇場支配人の声を聞いた斎藤は、「シネマバードという移動映画館をやっているのですが、その開催の折に各地方の劇場さんを調べて連絡して連携を取っています。まだミニシアター・エイドの存在を知らない方、利用していない劇場さん自体もあると思いました。地方での映画作り・地方の映画館の在り方を言及・追求し続けた大林宣彦監督、佐々部清監督がつなげてきたもの、僕も映画人として絶やさずに時間をかけて向き合っていきたい。シネコンも大変な状況にあるので、総合力で未来につなげていくために皆さんの力をお借りしたいと思いました」と真摯に語った。

渡辺も「ミニシアター・エイドという試みをご存知でない映画好きな人もたくさんいると思います。まず、この活動のことを知っていただくことが大切だと思うので、チャットでもSNSでも、情報を知らない人に伝えてほしい。俳優も仕事が止まっている状態で、この先どういうことが表現できるかを日々考えています。平時になった時により良い仕事ができるように頑張りたいと思います」とコメントした。

アップリンク代表の浅井氏は「今回をきっかけに映画をオンラインで観ることの面白さを発見した人もいるかと思いますが、“映画館で映画を観る面白さ”は、どんなにメディアやストリーミングの技術が発達しても“絶対に無くならない楽しさ”だと思います。文化の多様性・映画の多様性を担保しているのが僕らミニシアターだと思います。安心な生活状況になったら、街に出て映画館に映画を観に来て欲しいと、強く、強く思います。そのためにミニシアター・エイドの応援を強くお願いしたい」とメッセージを贈った。

「ミニシアター・エイド基金」小規模映画館支援のためのクラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

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是枝裕和監督「これはその小さな、しかし大切な一歩だと思います」

また、是枝裕和監督からのメッセージを斎藤が代読。「映画館は僕の人生の一部です。こっそり泣いたり、自身を奮い立たせたり、観終わった後に街の空気を一変させられたり。映画館は、そんな無数の人々の、無数の記憶を蓄積し発酵させ、次の世代へ受け渡していく場所です。このような危機的状況の中でも、その場所を維持し、未来に継承していくためには、まずはその場所を必要としてきた人たちが連帯する必要があると思います。ミニシアターを中心としたその連帯を、映画産業に関わるすべての人へ。そして、映画ファンの方々へ。さらには行政へと広げていく必要があると思います。これはその小さな、しかし大切な一歩だと思います。」

河瀬直美監督からのメッセージを渡辺が代読。「コツコツと実制作を重ねてきた私は、数々のミニシアターにお世話になってきました。公開の時には愛情深く自分の作品のように宣伝していただき、私たち映画に関わる側とお客さんをつないでくれました。ミニシアターと呼ばれる、それぞれの劇場には想いを持った顔があり、その方々が選び紹介される作品は非常に多様で膨大なもの。映画という芸術をこれからも楽しめる日本でありますように。」

片渕須直監督から「私が常々思うのは、映画とはそれを観てくださる観客の心の中で初めて完成するものだということです。そして、映画と観客との出会いを作り出してくれるのが映画館です。ミニシアターという存在は、上映する映画を独自性をもって選ぶ可能性を持つ場所です。かつて、私の映画も街の小さな映画館で上映してもらえて、観客の皆さんと出会うことができて救われました。ミニシアターを運営するのは平素からどんなに大変なことか。いま、この疫病がもたらす困難によって、そうした存在が風前の灯のような状態に陥っています。失われてしまえば、再興するのはさらに困難です。どうか皆さん、ミニシアターの維持に力をお添えくださいますように。」と、メッセージを斎藤が代読した。

「ミニシアター・エイド基金」小規模映画館支援のためのクラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

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ミニシアターを救え!応援する方法

同クラウドファンディングの特典として、「未来チケット」をはじめ、有志の参加劇場で使える「1000円パス」「フリーパス」など、新型コロナウイルス収束後の未来に「ミニシアターで映画を見る」ためのコースが存在する。中でも、特典「未来チケット」は基金に参加するすべての劇場で使用可能な映画鑑賞券。1枚につき、各劇場の一般料金1回分の映画が鑑賞できる。チケットは2022年末まで使用可能で、身近な映画館・大切な映画館を直接支援できるシステムだ。

また、「ミニシアター・エイド基金」特別ストリーミング配信サイト「サンクス・シアター」では、有志の映画人たちが提供した映画を鑑賞できる。有効期限は、クラウドファンディング終了後を予定している、配信提供開始から1年間。詳細が決まり次第、視聴方法と共にアップデート情報として案内される。

ラインナップには、片渕須直監督 『この世界の片隅に』の未公開ドキュメンタリー、冨田克也監督の『バンコクナイツ』、山戸結希監督の『おとぎ話みたい』、さらに行定勲監督の『うつくしいひと』や諏訪敦彦監督初期の傑作『2/デュオ』、発起人の深田晃司監督『東京人間喜劇』や濱口竜介監督『親密さ』などが並ぶ。賛同監督からの追加提供作品を随時受け付けており、クラウドファンディング期間中も本数はどんどん増えていく。

「ミニシアター・エイド基金」小規模映画館支援のためのクラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

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発起人である深田晃司監督、濱口竜介監督のステートメント

発起人:深田晃司(映画監督・独立映画鍋共同代表)

日本を訪れた世界の映画人が等しく感嘆と賞賛の声を挙げるのが、ミニシアター文化の存在です。なぜこれほどまでに国家の支援の少ない国で、シネコンとは違う、非常にローカルでユニークな映画館が日本中に存在できているのか、と。撮影所システムの崩壊後に広がったミニシアターの存在によって、私たちは娯楽大作だけではなく、様々な国、様々な時代の映画を鑑賞することが叶いました。

そこでの鑑賞体験がどれだけ映画を愛する人たちの人生を豊かにし、映画ファンを育てたか。また私たち映画監督や映画人にとっては作品を映画ファンに届けるための貴重な「場」をミニシアターが創出してくれたか、感謝してもしきれません。そのミニシアターが、今まさに危機的状況にあります。それはつまり、映画の多様性の危機であると言えます。

そもそもなぜ、映画の多様性は守られるべきなのでしょうか。その方が面白いから。それも大事ですが、さらにひとつ理由をあげるとすれば、それは民主主義を守ることにつながるからです。民主主義の本質は多数決ではなく、いかに多様な視点を掬い取り社会設計に取り込んでいくかですが、そのためにはまず、多様な価値観が社会に可視化されてなくてはなりません。耳に届かない声、目に見えない感情を可視化するのに、文化芸術の果たす役割はとても大きいと言えます。ある作家がカメラで世界を切り取り人間を捉え、そこにはいない誰かへと届けることのできる映画もまた、世界に多様性をもたらす強力な表現のひとつです。

日本においてミニシアターはその多彩なプログラムによって、世界の多様性に貢献し続けてきました。外国の映画人からミニシアター文化を無邪気に賞賛されると、我が事のように誇らしくなる反面、素直には喜べない複雑な思いもまた抱かされます。なぜなら、特に地方の多くのミニシアターが、経済的にギリギリの状況で、そこに携わる人々の人生を犠牲にするような覚悟によって成り立っていることを知っているからです。

今回のコロナウィルスのような有事に、まっさきに存続の危機に立たされるのは、大手の資本のバックアップもなく、ときに家内工業のような規模で営まれる多くのミニシアターです。平時においても、日本は諸外国と比べ映画館にはほとんど文化予算が降りることはありません。本来なら、こういったときこそ国が支援に乗り出すべきだと思いますし、私たちは文化芸術の公的価値に見合った支援を今後も要求し続けなくてはなりませんが、今はそれを待っている時間もありません。

ぜひ、映画の多様な文化を絶やさないためにも、ミニシアターの支援にご協力ください。

最後に。なぜ配信隆盛のこの時代に映画館なのか。簡潔に言えば、私たち映画製作者は、映画を作るときにスクリーンに上映されることを前提に、映画館で最高のポテンシャルが発揮されるように映像も音も設計するからです。配信やテレビで鑑賞するのも構いません。ただ、それはいわば画集のようなものです。画集はとても見易いですが、だからと言って美術館が不要になるわけではありません。

発起人:深田晃司(映画監督・独立映画鍋共同代表)


発起人:濱口竜介(映画監督)

深田さんが上に書いてくださっていることに、全く同意します。
なので、私(濱口)が書くのは蛇足ですが、個人的な思いのみ、書きつけます。

私はミニシアターの存在によって、映画ファンに、そして映画監督にしてもらった、という思いがあります。その「恩返し」のために今回の基金の発起人として名を連ねました。その誇るべき文化をなくすことは決定的損失です。今、動かなくてはなりません。同じ思いを持つ、映画ファンの皆さんの参加と協力をお待ちしています。

深田さんの書かれた通り、ミニシアターの多くは市民団体や、ときに一個人など「有志」とも言うべき人たちによって支えられています。劇場の規模が小さいということは、収益の規模もまた小さいということであって、利益を期待するのみで、運営することはできません。映画というメディアがこの世界において持つ価値を信じる人たちがいなくては、決して成立しない場です。ただ、志のみでは現在の状況を持ちこたえることはできないでしょう。

私が監督として参加した『うたうひと』というドキュメンタリー映画の制作中に、出演者である小野和子さんという方から、少なからぬ額のカンパを手渡されたことがあります。恥ずかしいことに、制作資金の不足を見通されてのことでした。小野さんはそのとき「お金なんかに負けちゃダメよ」と言いながら、そのお金を渡してくれました。このことが深く心に残っています。お金に負けずに志を持ち続けるには、最低限のお金がやはり必要なのです(ただそれは、何より志のために必要なのです)。

とは言え現在、大多数の人が日々、不安の中にいると思います。あくまで自分の生活を最優先に、物・心両面で支障がない範囲での支援をお願いしたいと思っています。相対的に「余裕のある人」が少しだけ、現時点でそれの「ない人」にシェアするだけでよいのです。「余裕」そのものを社会全体が保持するよう、個々に分配する、その方策の一つとして、この基金があるものとしてご理解ください。

公に向けたアクションを並行して進めることも、非常に重要です。あくまでこの基金は、劇場や関係者がまとまった公的補助を得るまでの「つなぎ」です。ただ公的機関が動くまでには一定の時間を要するでしょう。まずは緊急支援策として、1映画ファンとして映画ファンコミュニティでの「互助」を可能にするために、このプロジェクトを立ち上げました。

他の業種も等しく危機に瀕していることは重々理解をしています。同様の試みが、必要とされる、あらゆるジャンルで「有志」によって始まることを願っています(意外とここから、新たな経済の形が始まるかもしれません)。

目標金額は、私自身、一生で一度も見たことのないような金額です。本当に、お一人お一人の力が必要です。ご理解と、ご協力を賜われたら幸いです。何卒、よろしくお願いいたします。

発起人:濱口竜介(映画監督)


「ミニシアター・エイド基金」小規模映画館支援のためのクラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

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