本年度カンヌ国際映画祭パルムドール〈最高賞〉受賞、ジャック・オディアール監督『ディーパンの闘い』 が2016年2月12日より全国公開。日本版予告篇とポスタービジュアルが完成した。
今年のカンヌ国際映画祭でコーエン兄弟から「最高!」と絶賛され、グザヴィエ・ドランら気鋭審査員の満場一致のもと、『キャロル』など話題作を抑えて、最高賞のパルムドールに輝いた、鬼才ジャック・オディアールの最新作『ディーパンの闘い』。
内戦下のスリランカを逃れてフランスに入国するため、偽装家族となる元兵士ディーパンと女と少女の物語。人種・宗教・移民問題に揺れる欧州の今を背景 にしながら、暴力、戦いを捨て、愛を、新しい家族の絆を掴もうとする個の闘いを圧倒的且つ、スタイリッシュに描いた人間ドラマの傑作だ。
完成した予告篇では、燃え盛る炎をバックにしたディーパンの横顔、「嘘の夫、嘘の娘、すべて嘘...」と告白する女のモノローグ、団地での抗争シーンなどが重ねられていく。スリランカを脱出しパリ郊外の団地で不安げに暮しだした見ず知らずの3人の生活が、緊張感を漂わせながら映し出され、一時も目が離せない。オディアール作品の醍醐味である、サスペンスフルなフィルム・ノワールの雰囲気を存分に堪能でき、本篇への期待がさらに高まる。また孤独な顔を覗かせる麻薬密売人役で 『愛について、ある土曜日の面会室』(09)のヴァンサン・ロティエが登場しているのも見逃せない。
そして日本版のポスタービジュアルでは、“DHEEPAN”の アルファベットの文字のなかに、黒煙の立ちのぼる車や、スリランカの衣装に身を包んだ少女と女など、本篇のエッセンスを切り取った印象的な写真を配置。インターナショナル版ビジュアルのディーパンら3人が抱き合っているデザインとも全く違う、オリジナリティ溢れるクールなビジュアルだ。
【STORY】内戦下のスリランカを逃れ、フランスに入国するため、赤の他人の女と少女とともに“家族”を 装う元兵士ディーパン。辛うじて難民審査を通り抜けた3人は、パリ郊外の集合団地の1室に腰を落ち着け、 ディーパンは団地の管理人の職を手にする。日の射すうちは外で家族を装い、ひとつ屋根の下では他人に戻る 日々。彼らがささやかな幸せに手を伸ばした矢先、新たな暴力が襲いかかる。戦いを捨てたディーパンだった が、愛のため、家族のために再び立ち上がる――。
『ディーパンの闘い』
監督・脚本:ジャック・オディアール
出演:アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサン
配給:ロングライド
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