<こだわりのミニシアター特集8> 新宿シネマカリテ

「新宿シネマカリテ」(以後、シネマカリテ)は、現在の「新宿武蔵野館」(以後、武蔵野館)がある位置に、1994年10月〜2001年末までの約7年間、ミニシアターの作品などを上映。その後、「バラエティー豊かな映画も観たい」とのお客様からの要望もあり、およそ10年ぶりとなる2012年に復活を遂げた劇場。
今回、配給会社の劇場営業を経て、約3年前に母体となる武蔵野興業株式会社に入社された興業部の天野絵美子さんに、お話を伺った。

第8回 新宿にある「遊園地」のような映画館〈新宿シネマカリテ〉

JR新宿駅東南口より歩いて2分の好立地。GAPなどが入るショッピングビル・Flagsの並びを通過、スターバックスのちょうど向かいに位置するビルの地下1階にある「シネマカリテ」。劇場へと下る階段の壁には上映作品の関連ギャラリーが多数展示されており、早くも映画の世界に飲み込まれていく。

シネマカリテ★「シネマカリテ」の内観
清潔感ある館内には、上映作品のポスターや写真もたくさん!

──「シネマカリテ」が開業する以前、ここは居酒屋さんが営業してて、そもそも劇場として作られた空間ではないんです。けど、この独特でアングラな雰囲気が漂う空間が、かえってお客様の脳裏に焼付く劇場になっているんじゃないかと思ってます。

最大のポイントは「色を付けない作品選び」

──開館したのは良いものの、まずはカリテの存在を知ってもらうということが最大の課題でした。そこで、武蔵野館の番組編成も担う担当者が、武蔵野館にあるようでなかった「エッジの利いた」作品をチョイスするようにしていきました。

天野さん ★今回インタビューさせてもらった天野さん
とっても笑顔がステキな方でした!

シネマカリテのモットーは、“色”を付けない作品選びが最大のポイント。さまざまな年齢層やライフスタイルが行き交う新宿エリアだからこそ、ジャンルやターゲットを決めずに作品を上映することが大切なのだとか。

「来て観て気付く映画の素晴らしさ」を届けたい

──当劇場はコンセッションを設置してません。なので、自動販売機を設置したり、飲食の持ち込みも原則可能です。あと、母体の武蔵野興業がある山梨県にちなんで、桔梗屋の「信玄餅アイス」も密かにご用意してるんです(笑)。何かに縛られたり囚われたりせずに映画を楽しんでもらえる、そんな空間を提供できればと。

シネマカリテ★ベルサイユ宮殿でも使用されているフランス・キネット社の座席
ずっと座って居たくなるような、心地よい椅子!

信玄餅アイス ★密かなブーム?桔梗屋の「信玄餅アイス」
数量限定!足を運んだ際は、ぜひご賞味あれ!

──劇場に足を運んでもらって、観た作品を深く知ったり、次に観たい作品に気づいたりしてもらう場でもあると思うので。つい先日、お客様から「なんか遊園地みたいで、楽しいね!」と言ってもらいました。きっと、シネマカリテとして最高の褒め言葉だと思います(笑)。

アクアリウム★武蔵野興業といえば名物「ヒーリング・アクアリウム」
作品にちなんだ生き物や世界観を表す装飾を施している!

企画・装飾・展示の全てを、デパートにある生き物の展示などを扱う仕事をしていた天野さんの上司の方が担当しているのだそう。お客様はもちろん、天野さんやスタッフにも内緒で黙々と取り組むらしく、毎回ワクワクしながら天野さんも楽しみにしているんだとか!

シネマカリテの風物詩「カリコレ」


──シネマカリテの認知度を上げることを目的としてスタートした映画祭が「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション」(以後、カリコレ)です。作品本数が年々増加傾向にある一方で、劇場公開されないままビデオスルーになる作品も増えつつある現状を打破したいという想いからも発足されています。おかげさまで毎年、大好評を頂いており、2016年の今年も開催予定です!

カリコレ ★昨年、大好評の「カリコレ2015」ポスター
今年の「カリコレ2016」が待ち遠しい!!

カリコレは「シネマカリテ」同様に、“色を付けない”ラインナップで“映画そのものを楽しむ”ことがコンセプトなのだそう。配給や宣伝などで携わる映画業界の方々がゲストで登壇しQ&Aを行ったり、来場者へのプレゼントを多数ご用意したりと、とってもコアな内容と来場者を必ず満足させる裏切らない仕掛けが魅力の一つ!

ジャンルに囚われない良質な作品が集まる場所

──映画館で観る楽しさって、みんなと笑ったり泣いたりできる一体感があるからだと思うんです。その一体感で味わうものって、一人おうちで映画を観るよりも、はるかに高い満足度が得られるじゃないですか!観終わった後のお客様の表情なんかを見ると、映画館の冥利に尽きるなあ〜と、いつも泣きそうになっちゃうくらいで(笑)。それだけで、もう仲間って感じちゃうくらいなんです。

 

END

シネマカリテからのおすすめ

『モンスターズ ―新種襲来―』

■2016年1月9日(土)より上映
© Subterrestrial Distribution 2014

モンスターズ

地球外生命体、未だ増殖中。

全員戦闘配置につけ!
<安全地帯>を確保せよ!

 

『サウルの息子』

■2016年1月23日(土)より上映
© 2015 Laokoon Filmgroup

サウルの息子

極限状態での<倫理>
私はガス室の「特殊任務」をしていた…。

*各作品の詳しい情報や上映スケジュールは、シネマカリテ公式HPをご確認下さい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■新宿シネマカリテ/Cinema Qualite
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目37−12 新宿NOWAビルB1F
TEL:(03)-3352-5645

■HP
http://qualite.musashino-k.jp/

■Twitter
https://twitter.com/cinema_qualite

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で