第88回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。『レヴェナント:蘇えりし者』が最多ノミネートで12部門、次いで『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が10部門にノミネートされた。そのほか、『オデッセイ』が7部門、『ブリッジ・オブ・スパイ』『キャロル』『スポットライト 世紀のスクープ』が6部門、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』が5部門にノミネートされた。
注目は、これまで『ギルバート・グレイプ』(1993)、『アビエイター』(2004)、『ブラッド・ダイヤモンド』(2006)、『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』(2013)で4度アカデミー賞にノミネートされながら未だ一度も受賞経験のないレオナルド・ディカプリオ。昨年『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で作品賞を含む4部門を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督とタッグを組んだ『レヴェナント:蘇えりし者』で主演男優賞ノミネートを果たし、悲願の受賞となるか注目が集まる。
そして先日のゴールデン・グローブ賞で会場中からスタンディング・オベーションを受けたシルヴェスター・スタローン。前哨戦の中でもノミネート者からアカデミー賞受賞者が出る確率が非常に高い全米俳優組合賞のノミネートから漏れてしまったが、アカデミー賞では見事にノミネートを果たした。1976年『ロッキー』では果たせなかった、俳優としてオスカー像を手にすることができるか注目(『ロッキー』は1977年のアカデミー賞で6部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・編集賞の3部門を受賞。シルヴェスター・スタローンは主演男優賞と脚本賞でノミネートされていた)。
そのほかにも、70歳を目前にして撮り上げた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で賞レースを賑わせているジョージ・ミラー監督は、ゴールデン・グローブ賞を手にしたリドリー・スコット監督がノミネートから漏れたことで受賞への期待が高まった。また、映画において監督に次いで重要と言われる撮影監督を対象とした撮影賞では、2013年『ゼロ・グラビティ』、2014年『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で2年連続アカデミー賞を受賞しているメキシコ出身のエマニュエル・ルベツキが今年もノミネート。対する名撮影監督ロジャー・ディーキンスは、これまで12度候補になりながら無冠のままで、今回『ボーダーライン』で13度目のノミネート。日本からはスタジオジブリ製作・米林宏昌監督『思い出のマーニー』が長編アニメーション映画賞にノミネートされた。
俳優・コメディアンのクリス・ロックが司会を務める第88回アカデミー賞授賞式は、2016年2月28日(現地時間)に、ハリウッドのドルビーシアターで行われる。
全部門のノミネートは以下の通り。
■ 作品賞
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
『ブリッジ・オブ・スパイ』
『ブルックリン(原題)』
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『オデッセイ』
『レヴェナント:蘇えりし者』
『ルーム』
『スポットライト 世紀のスクープ』
■ 監督賞
アダム・マッケイ『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
ジョージ・ミラー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
アレハンドロ・G・イニャリトゥ『レヴェナント:蘇えりし者』
レニー・エイブラハムソン『ルーム』
トム・マッカーシー『スポットライト 世紀のスクープ』
■ 主演男優賞
ブライアン・クランストン『Trumbo』
マット・デイモン『オデッセイ』
レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』
マイケル・ファスベンダー『スティーブ・ジョブズ』
エディ・レッドメイン『リリーのすべて』
■ 主演女優賞
ケイト・ブランシェット『キャロル』
ブリー・ラーソン『ルーム』
ジェニファー・ローレンス『Joy』
シャーロット・ランプリング『さざなみ(原題:45 Years)』
シアーシャ・ローナン『ブルックリン(原題)』
■ 助演男優賞
クリスチャン・ベイル『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
マーク・ラファロ『スポットライト 世紀のスクープ』
マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』
トム・ハーディ『レヴェナント:蘇えりし者』
シルヴェスター・スタローン『クリード チャンプを継ぐ男』
■ 助演女優賞
ジェニファー・ジェイソン・リー『ヘイトフル・エイト』
ルーニー・マーラ『キャロル』
レイチェル・マクアダムス『スポットライト 世紀のスクープ』
アリシア・ヴィカンダー『リリーのすべて』
ケイト・ウィンスレット『スティーブ・ジョブズ』
■ 脚本賞
マット・シャルマン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン『ブリッジ・オブ・スパイ』
アレックス・ガーランド『Ex Machina』
ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー『インサイド・ヘッド』
トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー『スポットライト 世紀のスクープ』
ジョナサン・ハーマン、アンドレア・バーロフ『ストレイト・アウタ・コンプトン』
■ 脚色賞
ニック・ホーンビィ『ブルックリン(原題)』
フィリス・ナジー『キャロル』
エマ・ドナヒュー『ルーム』
マイケル・ルイス、アダム・マッケイ『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
ドリュー・ゴダード『オデッセイ』
■ 視覚効果賞
『Ex Machina』
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『オデッセイ』
『レヴェナント:蘇えりし者』
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
■ 美術賞
『ブリッジ・オブ・スパイ』
『リリーのすべて』
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『オデッセイ』
『レヴェナント:蘇えりし者』
■ 撮影賞
エドワード・ラックマン『キャロル』
ロジャー・ディーキンス『ボーダーライン』
ジョン・シール『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
ロバート・リチャードソン『ヘイトフル・エイト』
エマニュエル・ルベツキ『レヴェナント:蘇えりし者』
■ 衣装デザイン賞
『キャロル』
『シンデレラ』
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『リリーのすべて』
『レヴェナント:蘇えりし者』
■ 長編ドキュメンタリー映画賞
『エイミー(原題)』
『Cartel Land』
『ルック・オブ・サイレンス』
『ニーナ・シモン ~魂の歌』
『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への闘い』
■ 短編ドキュメンタリー映画賞
『A Girl in the River: The Price of Forgiveness』
『Body Team 12』
『Chau, Beyond the Lines』
『Claude Lanzmann: Spectres of the Shoah』
『Last Day of Freedom』
■ 編集賞
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『スポットライト 世紀のスクープ』
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
『レヴェナント:蘇えりし者』
■ 外国語映画賞
『A War』 デンマーク
『裸足の季節(原題:Mustang)』 フランス
『サウルの息子(原題:Saul fia)』 ハンガリー
『Embrace of the Serpent』 コロンビア
『Theeb』 ヨルダン
■ 短編映画賞
『Ave Maria』
『Day One』
『Everything Will Be Okay (Alles Wird Gut)』
『Shok』
『Stutterer』
■ 音響編集賞
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『ボーダーライン』
『オデッセイ』
『レヴェナント:蘇えりし者』
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
■ 録音賞
『ブリッジ・オブ・スパイ』
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『オデッセイ』
『レヴェナント:蘇えりし者』
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
■ メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『100歳の華麗なる冒険』
『レヴェナント:蘇えりし者』
■ 作曲賞
トーマス・ニューマン『ブリッジ・オブ・スパイ』
カーター・バーウェル『キャロル』
エンニオ・モリコーネ『ヘイトフル・エイト』
ヨハン・ヨハンソン『ボーダーライン』
ジョン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
■ 主題歌賞
“Love Me Like You Do”『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
“Manta Ray”『Racing Extinction』
“Simple Sound #3”『Youth』
“Til It Happens To You”『The Hunting Ground』
“Writing’s on the Wall”『007 スペクター』
■ 長編アニメーション映画賞
『Anomalisa』
『父を探して』
『インサイド・ヘッド』
『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』
『思い出のマーニー』
■ 短編アニメーション映画賞
『Bear Story』
『Prologue』
『Sanjay's Super Team』
『We Can't Live without Cosmos』
『World of Tomorrow』
アカデミー賞公式サイト ノミネート一覧はこちら http://oscar.go.com/nominees
via:The Guardian( http://www.theguardian.com/film/2016/jan/14/oscars-2016-full-list-of-nominations-awards-movies )