映画『柘榴坂の仇討』のプレミア試写会が9日、東京・丸の内で行われ、舞台挨拶に中井貴一、阿部寛、広末涼子、真飛聖、若松節朗監督らが登壇。また原作者の浅田次郎氏も駆け付け、本作への思いを語った。
映画『柘榴坂の仇討』のプレミア試写会が9日、東京・丸の内で行われ、舞台挨拶に中井貴一、阿部寛、広末涼子、真飛聖、若松節朗監督らが登壇。映画でも重要な演出の一つである雪が舞う演出の中、女性陣は艶やかな着物姿で登場した。
13日に滋賀県で先行公開される本作。県内各地の試写会場などで舞台挨拶を行ってきた中井は、「ひとりでも多くの方に映画を紹介したいと思い、地方周りをしております。地区ごとにいろいろな反応をいただいており、本当に怖いくらい反応がいいんです」と明かし、「真正面から日本人の心を映し出したつもりです」と映画の出来に自信を見せた。
中井演じる志村金吾の敵、佐橋十兵衛を演じた阿部は「敵役なので、貴一さんには事前に“現場では近寄らないようにします”とお話しして覚悟していたのですが、初日トイレで会ってしまいまして。この覚悟や緊張感が作品に出ているのではないかと信じています」と作品をPR。中井も「久々に寂しいと感じた」と明かすほど、その徹底ぶりがうかがわれた。
広末は、時代劇映画への出演は本作が初めて。「新人だと思って所作指導を付けてくださいとお願いして撮影に入りました」と語り、「違和感が映像に出ないよう、自分にプレッシャーをかけながら演じた」と振り返った。実は、金吾の妻であるセツ役を広末にと監督に提案したのは中井本人だそう。中井が飛行機の中で映画を見ていた際、劇中に出ていた広末のワンカットを見て「セツという役は広末さんだなと思った」という。
この日は原作者の浅田次郎氏も駆け付け、「原作は400字詰めの原稿用紙で50枚程度の、短くささやかな小説。それを素晴らしい脚色であんなに立派なストーリーにしていただけるなんて、作家冥利(みょうり)に尽きる」と喜びを語った。
浅田氏の小説「壬生義士伝」の映画でも主役を務めた中井は、「その時代に生きた偉人伝ではなくて、その時代に生きた一輪の花にスポットを当てて書いていらっしゃる」と浅田作品の魅力を語り、「飛び道具を一切排除して真っ向から日本人の心を捉えた映画」と本作の魅力をPR「もし面白くなければ、見た事を忘れてください(笑)。面白いと思ってくださる方がいれば、お友達にもお声がけしていただいて、映画館に足を運んでいただけたら幸せです」と呼びかけた。
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【Story】
幕末の安政7年、井伊直弼に仕えていた彦根藩士の志村金吾(中井貴一)は、桜田門外で主君の殺害を許してしまう。切腹も許されず、仇討ちを命じられた金吾は、時が明治へと変わり、政府によって仇討ちが禁じられてもなお、主君を殺した刺客を探し続ける。やがて、車引きとして生きながらえていた佐橋十兵衛(阿部寛)を見つけ出す。
配給:松竹
9月20日(土)より、全国ロードショー
公式サイト http://zakurozaka.com/
(C) 2014映画「柘榴坂の仇討」製作委員会