『蜜のあわれ』二階堂ふみが艶やかな着物姿披露、大杉漣らが芝居を絶賛「可能性の塊」

2016年3月14日

映画『蜜のあわれ』プレミア試写イベントが14日、都内・浅草橋ヒューリックホールにて行われた。この日、主演の二階堂ふみをはじめ、大杉漣、永瀬正敏、石井岳龍監督、約1000匹の金魚が泳ぐ巨大金魚鉢「花魁」を手がけたアクアリスト・木村英智が出席した。

金沢三文豪・室生犀星の同名小説を映画化した本作。室生犀星自身を想起させる老作家・おじさま（大杉漣）と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚・赤子（二階堂ふみ）、老作家への愛を募らせ蘇った幽霊・田村ゆり子（真木よう子）の三角関係を描く恋愛文芸ファンタジー。

艶やかな着物姿で登場したキャスト陣。二階堂の着物姿に大杉は「映画の衣装も素敵でしたけど、着物もお似合いで素敵です」と惚れ惚れ。赤子の本当の姿を知る金魚屋を演じる永瀬も「（後ろの金魚鉢「花魁」から）ポチョンと出てきたかのような感じで素敵ですね」と褒めちぎった。その言葉に、帯に金魚の装飾をつけた二階堂は「あたいです」と赤子のセリフを披露し、笑顔をみせた。

「高校生の頃に原作を読んだ」という二階堂は「すごく文学的で、言葉も綺麗。感覚的に会話が入ってくるところが好きで、『映画になったらどうなるんだろう』って純粋に思っていた。『いつか作りたい』っていう気持ちもその時からありました」と原作に対する想いを明かした。完成した作品を観て「胸がいっぱいになりました。ずっと想い続けていた作品を、監督はじめ、大杉さんや永瀬さん、いろんな方々と一緒に作り上げることが出来て本当に嬉しかった」と喜びを語った。

そんな二階堂との共演を、大杉は「刺激を受けたことが沢山あります。二階堂さんといつか共演できればいいなと思っていた。いろんな扉を開けてくれて、すごくいい時間を過ごさせていただきました」としみじみ振り返り、「すべてのやり取りが印象に残っている。逃げずにちゃんと向き合ってくれる方で、逆にいろんなことを教わった」とコメントした。

二階堂の印象に永瀬も「可能性の塊のような方。今後もいろんな役の顔を魅せていただきたいですし、僕もそれに関われれば嬉しい」と太鼓判を押した。また、石井監督は「完全に赤子さんになりきっていた。いろんな表情、その時々の魅力を見事に表現されていた。若いのに、高峰秀子さんのような大女優の雰囲気を持っている」と絶賛の嵐に。

最後に二階堂は「想い続けてた作品がこうして形になって皆さんにお届けできることを、すごく幸せに思います。ぜひ世界観に浸って下さい」と笑顔で締めくくった。