映画界最大級の祭典であるアカデミー賞。先日発表された本年度の作品賞は、カトリック教会の闇を暴く新聞記者たちを描いた『スポットライト 世紀のスクープ』でした。ところで本作の全米での興行収入は、昨年11月6日の限定公開から数えて約4341万ドルとなっています。同じく作品賞にノミネートされていたSF超大作『オデッセイ』の2億ドル超と比べるとやや寂しい成績です。
地味なドラマ映画が作品賞を受賞する。こうした傾向は近年特に強まっています。そこで今回は過去25年間のアカデミー作品賞受賞作で、全米での興行収入が低かったワースト5をご紹介します。
5位:『それでも夜は明ける』(2013年)…約5600万ドル
黒人監督の映画で初めて作品賞を受賞し、ブラッド・ピットもプロデューサーに名を連ねていた本作ですが、2013年の全米興行収入トップ50にもランクイン出来ませんでした…。
4位:『クラッシュ』(2005年)…約5400万ドル
より批評家からの人気が高かった『ブロークバック・マウンテン』を抑えて作品賞を受賞した本作。と言ってもそれが影響したわけでは無く、この年の作品賞ノミネート映画(『カポーティ』『グッドナイト&グッドラック』『ミュンヘン』と上記2作品)はいずれもヒットとは言えない成績でした。
3位:『アーティスト』(2011年)…約4400万ドル
第1回の作品賞受賞作『つばさ』以来となるサイレント映画の受賞でしたが、実は本作はフランス映画。そのためかアカデミー賞を獲るまで、ほとんどの人が観ていませんでした…。
2位:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)…約4200万ドル
記憶に新しい本作も残念ながらランクイン。落ち目の俳優が再ブレイクを果たすためブロードウェーデビューする内容ですが、全編カット無しに見せかけた映像が前衛的と思われたのか、観客からは敬遠されてしまったようです…。
1位:『ハート・ロッカー』(2009年)…約1700万ドル
無念のワースト1位となってしまった本作。なんとこの年同じく作品賞にノミネートされていたのは、史上最高の興行成績を打ち立てた『アバター』でした。
アカデミー賞授賞式のテレビ中継の視聴率が低くなった原因の一つとも言われるマイナーな映画の作品賞受賞。今後はどんな作品がその栄光を勝ち取るのでしょうか…。
via Entertainment Weekly (http://movies.about.com/od/awards/ss/The-Lowest-Grossing-Best-Picture-Oscar-Winners-1990-2015.htm#showall)