『地獄でなぜ悪い』『ラブ&ピース』の園子温監督が、構想25年「本当に撮りたかった」むきだしの作家性をぶつけた珠玉の野心作『ひそひそ星』が5月14日より公開される。本作の予告編と合わせて、鬼才・園子温という人物の生態に迫るべく376日に渡って彼を追い続けたドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』の予告編も解禁された。
常に時代を挑発し、世の常識に疑問符を投げかける映画監督・ 園子温 。鬼才自ら2013年に設立したシオンプロダクションの第一回制作作品にあたる『ひそひそ星』は、アンドロイド・鈴木洋子(マシンナンバー722)が、昭和風のレトロな内装の宇宙船「レンタルナンバーZ」に乗りこみ、いくつもの寂しい星に降り立っては、すでに滅びゆく絶滅種と認定されている人間たちに日用品などの荷物を届ける。静寂に包まれた宇宙を何年も旅する彼女の姿を描くモノクロームSF作品。
アンドロイド・鈴木洋子を演じるのは園監督の妻である女優・神楽坂恵。人間の記憶と時間、距離への焦燥と憧れを、構想25年を経て結実したモノクロームのSF作品として美しく描き出す。解禁となった予告編では、星から星へと移動する宇宙船の中の、蛇口の水滴やマッチの点火といった様々な“音”や、お茶をすすり丁寧に掃除をし、ぼんやり外を見るなどして過ごす鈴木洋子の宇宙空間での暮らし。届けるのは、1枚の写真やフィルムの切れ端といったささやかなものばかり。行き着く先は、“30デシベル以上の音を立てると人間は死ぬおそれがあります”というナレーションで紹介される“ひそひそ星”に降り立つ。
『園子温という生きもの』は、2014年にMBS「情熱大陸 映画監督・園子温」を手掛けたドキュメンタリー監督・大島新が、テレビには収まりきらない規格外のその人物の魅力を描きたいという想いで放送後の2014年9月から一年にわたって撮影を敢行したもの。
解禁となった予告編では、冒頭で「人間っていうものは “いい”とか“悪い”じゃないんです」と自身のアトリエで自由奔放な絵を手に熱弁する姿が。ほか、目を閉じ考え込む姿やライブハウスでのパフォーマンス、渋谷駅のハチ公像前で警官に事情聴取される姿など、映画監督にとどまらない園の活動をつぶさに追っていく。また、「若い頃の園子温役とか絶対やりたい」と熱く語る染谷将太や、「自分のことをよくやったなと思う」と涙ながらに語る妻・神楽坂といった、関係者による貴重な証言も収められている。
映画『ひそひそ星』/『園子温という生きもの』は5月14日より新宿シネマカリテほか公開
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