キューバで撮影中のオダギリジョー、 主演映画の初日欠席も“手紙”で笑い誘う「あ〜味噌汁の味」

映画『オーバー・フェンス』初日舞台挨拶が17日、都内・テアトル新宿にて行われ、蒼井優、松田翔太、北村有起哉、満島真之介、松澤匠、山下敦弘監督が出席。主演のオダギリジョーはキューバで映画の撮影中のため、異例の欠席となった。

オーバー・フェンス

『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く、孤高の作家・佐藤泰志の函館三部作最終章「オーバー・フェンス」を同名タイトルで映画化。佐藤自身が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校で過ごした自身の経験を描いた愛の物語。『苦役列車』『味園ユニバース』の山下敦弘監督がメガホンを取り、主人公・白岩にオダギリジョー、白岩と恋に落ちる女性・聡を蒼井優、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島を松田翔太が演じる。

キャスト陣登場とともに、満島がオダギリジョーの等身大パネルを持って幕が開けた本イベント。満島が「オダギリさんが今日来られないので、みんなでパネルをだそうぜって翔太さんが提案して」と明かすと、松田は「劇中は4Kで撮影してるから(画質がいい)って言ってたのに、いざパネルを見たら画質が良くない(笑)でもオダギリさん、来てくれました!」と会場を沸かせた。続けて、「この作品に参加できて本当に心がいっぱいです。撮影中、実は代島という役を演じるのに何かモヤモヤしていました。でも映画を観たらすごくポジティブになっていて、本当に好きな映画になりました。嬉しい限りです」と挨拶。

8月23日に31歳の誕生日を迎えた蒼井は「よく映画の取材で『この映画は蒼井さんにとってどんな映画ですか?』と聞かれて、その時はあまりよく分からなかったけど、 何が好きで何があまり好きではないかを教えてくれた作品になりましたとコメント。「私はこの映画と同じくらいの規模の映画からキャリアがスタートしましたが、改めて、小さな幸せのお話が好きなんだなと思いました。オダギリジョーさんの主演としての立ち位置を拝見していたら、もし次に主演をやらせていただく機会があれば、こんな距離感でやりたい、と思いました」と意欲をのぞかせた。

オーバー・フェンス

イベントでは、キューバにいるオダギリからのメッセージを松田が代読。「すべりそうになっても僕のせいじゃないですよ(笑)」と前置きした松田は「お気付きの方も多いと思いますが…この晴れの日に重要な人物が不在です。この作品になくてはならない、魅力が溢れて止まらない、この作品を代表する俳優、その名も常吉《つねきち》が不在です」と共演した鈴木常吉の名前が。「いや、どこかにいるのかな?常吉さんもそうですが、僕が行くことが出来なくて本当にすいません…」と改め、会場からは笑いが起こった。

「公開初日に主演がいないというのは聞いた事がない、まさに前代未聞の状況で、謝ることしか出来ませんが…この事態をもしも良く捉えようとするならば…ある意味マンネリ化していた初日舞台挨拶の在り方に新たな光を射したのかもしれませんね……」と主演不在を前向きに捉え、「もしも少しでも笑える雰囲気でこのコメントが読まれているならば、オーバーフェンスも同様に暖かく迎え入れられる事と確信しています」とどこかで見ているかのような絶妙なコメントで、会場をドッと沸かせた。

続けて、「そして函館での合宿生活。朝市に行った時のこと。カニの味噌汁を頼んだらサービスで付いて来たのがシンプルな味噌汁でなぜか味噌汁がふたつになった事も今となっては大感謝です。今まさにキューバで体重を10キロ落としゲリラ戦を撮影している最中なので余計にふたつの味噌汁なんて大大感謝です。あ〜味噌汁の味」とオダギリの心境を松田が代読して読み上げ、会場は笑いの渦に包まれていた。

映画『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国公開中

【CREDIT】
監督:山下敦弘 脚本:高田 亮
出演:オダギリジョー/蒼井 優/松田翔太
配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区)
公式HP:overfence-movie.jp

©2016「オーバー・フェンス」製作委員会

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