没後20周年を迎える藤沢周平が、庶民派俳諧師・小林一茶とその家族の物語を綴った名作小説「一茶」の映画化が決定。主演にリリー・フランキー、監督を吉村芳之が務めることが発表された。
没後20周年を迎える藤沢周平の原作「一茶」は世間に知られる一茶のイメージを刷新し、長年にわたる家族との愛憎、世間との埋まらない溝への葛藤、時に執拗なまでに求めた愛情を綴った物語。
『凶悪』『そして父になる』など邦画界で欠かせない俳優として知られるリリー・フランキーが、一茶を個性溢れる1人の男として軽妙に、時に滋味深く演じる。また、一茶との確執を持ちながらも彼の作品に強い影響を与え続けた母・さつを中村玉緒、一茶思いの異母弟・仙六を伊藤淳史、父・弥五兵衛を石橋蓮司、最初の妻・菊を佐々木希が演じるほか、水川あさみ、立花美優、高橋かおり、内野聖陽、奥田瑛二らが名を連ねる。監督を『かぶき者慶次』『ナイフの行方』『テンペスト』で知られる吉村芳之が務め、脚本を『武士の献立』『武士の家計簿』など時代劇を得意とする柏田道夫が担当する。
リリー・フランキー コメント
一茶の句が、何故、今も人々に愛されるのかを、自分なりに考え、一茶自身の愛しさを伝えることができたらと、恐縮しながら、真摯に向き合いたいと思います。一茶のように、低い目線で、人間臭く生きてゆくこと。その在り方と、挫けない気持ちを少しでも定着できるよう、無欲の欲で、作品に献身したいと思います。
吉村芳之監督 コメント
人は自分の思うままに生きようとすると周囲と衝突し迷惑をかけときには非難を浴びる。で、つい気持ちが萎え遠慮することになる。老いてくるとますますその傾向が強くなる。しかし一茶は、居場所を求め愛を求め思いのままに生涯を貫いた。そこから彼の句が生まれる。「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」、「露の世は露の世ながらさりながら」・・・。正反対に見える作風の根っ子は実はひとつなのだ。愛おしい男の物語である。
映画『一茶』は2017年公開
【CREDIT】
出演:リリー・フランキー 伊藤淳史 石橋蓮司 佐々木希 水川あさみ 立花美優 高橋かおり 内野聖陽 奥田瑛二 中村玉緒
原作:藤沢周平 「一茶」(文春文庫)
監督:吉村芳之 脚本:柏田道夫
配給:KADOKAWA
©2017「一茶」製作委員会