『舟を編む』『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』などで知られる、33歳の気鋭・石井裕也監督最新作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が2月9日(現地時間)に開幕される第67回ベルリン国際映画祭フォーラム部門へ正式出品されることがわかった。
2016年に出版された最果(さいはて)タヒの同名詩集を原作に描く本作は、2017年の東京を舞台に、看護師として病院に勤務する傍ら夜はガールズバーで働く美香と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じている慎二を軸に繰り広げられるラブストーリー。
主演に池松壮亮、石橋凌と原田美枝子の次女で本作が映画初主演となる石橋静河が抜擢。言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香を石橋が、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年・慎二を池松がそれぞれ演じる。共演に佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン、市川実日子、松田龍平、田中哲司が名を連ねる。
ベルリン国際映画祭は、ドイツの首都ベルリンで開催される国際映画製作者連盟公認の国際映画祭で、カンヌ映画祭、ベネチア映画祭と並び、世界三大映画祭のひとつに数えられ、開催67回を誇る歴史と権威を併せ持った映画祭。今回本作が決定した同部門は、映画研究会の有志たちが「ヤングフォーラム」という名前で始めた、先鋭的な監督を紹介する熱い部門で、フィクション、ドキュメンタリー、実験映画等、意欲的な映画を紹介する部門となっている。昨年は園子温監督、塚本晋也監督ら日本人監督7人が、8ミリで撮った自主映画11本が出品され話題となった。
2月9日(現地時間)に開幕される第67回ベルリン国際映画祭の会期中、13、15、16日に行われる舞台挨拶とQ&Aに、主演の石橋と池松、石井監督が登壇する。
石井裕也監督 コメント
詩を映画化するというのは、僕にとって全く新しいチャレンジングな試みでした。この映画には「今の東京」がふんだんに写っています。「どうしてもあまり好きになれない東京、でも少し素敵な東京」が、海外の人たちにどう見られ、どう受け止められるのか、今からとても楽しみです。
石橋静河 コメント
必死でもがいた日々が一つの作品になることは、
映画の世界に入ったばかりの私にとって大きな衝撃であり、喜びでした。
そしてその作品が海を越えてベルリンに行くことは、想像を超えた喜びです。
東京の街で懸命に生きる人々の姿を、より多くの人に観ていただきたいと思います。
池松壮亮 コメント
この度はベルリン国際映画祭フォーラム部門に選んで頂いたということでとても嬉しく思っております。石井監督が切り取った、石井組が切り取った今の東京というものがベルリンの観客にどう映るのか、とても興味深く楽しみです。初めてのベルリン映画祭を体感すると共に、日本公開に向けて海外の反応を静かに観察してきたいと思っております。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、5月27日(土)より全国公開
【CREDIT】
監督・脚本:石井裕也
原作:最果タヒ(リトルモア刊「夜空はいつでも最高密度の青色だ」)
出演:石橋静河 池松壮亮 佐藤玲 三浦貴大 ポール・マグサリン/市川実日子/松田龍平/田中哲司
エンディング曲:The Mirraz「NEW WORLD」
製作:テレビ東京、東京テアトル、ポニーキャニオン、朝日新聞社、リトルモア
配給:東京テアトル、リトルモア
公式HP:http://www.yozora-movie.com/
(C)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会