『キングコング』監督が来日、『シン・ゴジラ』樋口真嗣「正統派の怪獣映画」「監督の美学を感じる」と大絶賛

映画『キングコング:髑髏島の巨神』の監督ジョーダン・ボート=ロバーツが緊急来日。マスコミ、興行関係者に向けて全世界初となる本編映像プレゼンテーションイベントが7日、都内にて開催され、『シン・ゴジラ』の監督・特技監督を務めた樋口真嗣とともに出席した。

キングコング

2014年に『ゴジラ』シリーズをリブートして世界的に成功を収めたレジェンダリー・ピクチャーズとワーナー・ブラザースが再びタッグを組み、大自然の真の“キング”を新たな視点で描く本作。神話の中だけに存在すると思われていた島が実際にあることが分かり、派遣された遠征隊が、地図に載っていない“楽園”の驚異と危険を体感する。

監督をジョーダン・ヴォート=ロバーツが務め、調査遠征隊のリーダー・コンラッド役を『マイティ・ソー』シリーズのロキ役で知られるトム・ヒドルストンが演じ、『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンが戦争写真家ウィバーに扮する。共演にサミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリーが名を連ねる。すでにシリーズ化も決定し、2019年3月には『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ(原題)』、2020年には“GODZILLA(ゴジラ)”と対峙することも発表されている。

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今回が3度目の来日となったロバーツ監督は「私が敬愛する日本に、自信作を携えて来日できたことを光栄に思います。日本が大好き、焼酎も大好きです。幼い頃から日本のアニメやゲーム、怪獣映画を観て育った僕には、日本文化のDNAが組み込まれています!」と喜び。宮崎駿をはじめとするアニメやゲーム、怪獣映画を生んだ日本のサブカルチャーに対する愛をあらわにしていた。

本作を監督するにあたって「多メディア時代の今、なぜこの映画を作られなければならなかったか。今までとは違った作品を目指して、今回の映画化に挑んだ」と話す。「いつまでも待たされる映画ではなく、コングはいきなり出てくる」と自信をのぞかせた。

本編映像によるプレゼンテーションは、映画の冒頭シーンから始まる。南太平洋のどこか、ある島に日本とアメリカの戦闘機が不時着、パイロットは命がけの戦いを繰り広げる。このシーンにカメオ出演しているのは、“サムライ・ギタリスト”MIYAVI。その役名はグンペイ・イカリだが、「グンペイ」はゲーム開発者の第一人者・横井軍兵、イカリは「新世紀エヴァンゲリオン」の碇ケンドウに由来することを明かした。このシーンはベトナム、オーストラリア、ハワイと長期間にわたって撮影されたという。

キングコング

続いての映像は、1970年代を舞台にした本作で、髑髏島の調査に向かった遠征隊がキングコングに遭遇する圧巻のシーンが上映された。ロバーツ監督は「荒々しくも美しい、『地獄の黙示録』や『プラトーン』を意識して、ナパーム弾のイメージも効果的に使った。コングがヘリコプターにメガトンパンチをぶちかます。そして、燦々と太陽が照りコングのシルエットが映し出されるところに、ヘリが飛んでいる。本作の象徴的なシーン」と解説。

全長31.6メートルを誇るキングコングの体長に関する質問には、「ゴジラと戦わせたいからだろう…とよく言われるが、そうではない。人が見上げたときに、“まさに神”と感じるスケール感を考えた。1933年の『キングコング』に原点回帰し、二足歩行にもこだわった」とコメントした。

続いて巨獣が登場する2映像が紹介。ロバーツ監督は「荒々しくも美しい、そして少し怖いような光景に、様々なクリーチャーも出てきます。見た目は美しいのですが殺されるかもしれないという恐怖を登場人物たちが感じる」と説明し、「モンスターたちの墓場で死闘が繰り広げられます。ベトナム戦争時代の兵士たちに、巨大な骨が散らばる場所で戦ってほしいと思った。骨というのは殺されたコングの両親の骨です」と紹介した。

調査隊の前に水中から突如現れる巨大なバッファロー。巨大な髑髏が横たわり、ガスが発生する区域では、巨大な巨獣《スカイ・クローラー》が襲いかかる。これには「バッファローとクモの巨獣、この2つのデザインを決定して髑髏島のクリーチャーの方向性が確定した。宮崎駿の作品に出てくるようなクリーチャー、というのがポイントです。精神性があり、美しくパワフルで重みがあり、恐ろしい。そういった要素が混ざったものにしたかった」という。また、巨獣《スカル・クローラー》の造型は、「顔が白くて皮膚が黒い、これは『千と千尋の神隠し』に出てくるカオナシを彷彿とさせます。また、エヴァンゲリオンに登場する白い髑髏のキャラクター(サキエル)も彷彿とさせます」と語った。

キングコング

本編映像のプレゼンテーションの後、社会現象化した『シン・ゴジラ』の監督・特技監督を務めた樋口真嗣が登場。樋口は「怪獣映画が好きな僕らの世代にドンピシャの映画。映画館で見るべき超大作、一人でも多くの方に劇場で体験して欲しい」と興奮しきり。さらに特撮のスペシャリスト、ジョン・ダイスクトラのILMへの帰還に狂喜する一幕も。また、ロバーツ監督が影響を受けたという上田文人によるゲーム「ワンダと巨像」を紹介していた。

樋口監督と対面したロバーツ監督は、「『シン・ゴジラ』は大傑作、大好きです。樋口監督が『シン・ゴジラ』で成し遂げたことをこの作品でやりたいと考えている。ゴジラ映画を更に新しく面白くしていくというチャレンジがあり、日本の官僚主義に怪獣の要素が入ってくる。新鮮で、今の時代にあった映画」と絶賛した。

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また、怪獣画師・開田裕治が手がけた、日本オリジナルのイラストポスターが初披露された。完成したばかりのポスターを見たロバーツ監督は「素晴らしいポスターです。映画作りというのは長く孤独な作業で、本当に大変なものです。ただ、時折このようなとてつもなく素晴らしい瞬間があり、それらの大変だった経験を全て忘れさせてくれるのです。このポスターはまさにその瞬間の一つです。死ぬまで壁に飾りたいくらい素晴らしい。自分が作った映画が、他の人をインスパイアしてこのような新たな作品ができるというのは、非常に嬉しいことです。ありがとうございます」と感銘を受けていた。

キングコング

3月の日本公開に向けてメッセージを求められた樋口は「正統派の怪獣映画だという予感がしています。怪獣映画でありながら、戦争映画でもあるという…そこに貫かれる監督の美学を感じます。こういう映画を一人でも多くのお客さんに、大きなスクリーンで見てもらえたら嬉しい」とコメント。

最後にロバーツ監督は「日本も日本の文化も大好きです。この映画は日本の文化に大いにインスパイアされて作った作品です。なぜ2017年にキングコング映画を作らなければならないのか、そして映画館で観るべき映画とは何か。とにかく面白い旅になっていると思いますので、早く日本の皆さんにご覧いただきたいです」と締めくくった。

日本オリジナルポスターを描き下ろした開田裕治コメント


私が子ども頃に怪獣映画のポスターを見て感じた高揚感を蘇らせようと思いました。特に今回のコングの巨大さ、人間など歯牙にも掛けない圧倒的な強さ、存在感が感じられるように描きました。

映画『キングコング:髑髏島の巨神』は3月25日より全国公開

【CREDIT】
出演:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリー、他
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
公式サイト:www.kingkong-dokuro.jp

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