原作者・羽海野チカ、神木隆之介主演の実写『3月のライオン』を絶賛!「本当に密度が濃かった」

漫画家・羽海野チカの大人気コミックを、神木隆之介主演×大友啓史監督で実写映画化した『3月のライオン』が2017年【前編】3月18日、【後編】4月22日に全国公開される。この度、原作者である羽海野チカから絶賛コメントが届いた。

3月のライオン

本作は、幼い頃に両親と妹を交通事故で亡くし、孤独を抱え、すがりつくように将棋を指し続けてきた17歳のプロ棋士・桐山零が、同じ下町に住む三姉妹との出会いや数々の対局から人生を取り戻していくさまを描く。

主人公・桐山零を神木隆之介が演じるほか、島田開役に佐々木蔵之介、後藤正宗役に伊藤英明、宗谷冬司役に加瀬亮、川本あかり役に倉科カナ、川本ひなた役に清原果耶、川本相米二役に前田吟、幸田香子役に有村架純、幸田柾近役で豊川悦司、神木扮する零のライバルであり“心友”二海堂晴信役で染谷将太が共演する。前編主題歌をぼくのりりっくのぼうよみ、後編主題歌を藤原さくらが務める。

3月のライオン

2007年から青年コミック誌「ヤングアニマル」(白泉社)にて連載を開始し、17歳の将棋のプロ棋士を主人公としながら、男女・年齢を問わず幅広い読者層の心をつかみ、深く長く愛され続けている「3月のライオン」。原作者は、アニメ化・実写映画化でも人気を博した名作「ハチミツとクローバー」を生み出した羽海野チカ。可愛らしい絵柄とは相反して、<家も家族も居場所も何もない>という過酷な状況下にある17歳のプロ棋士・桐山零と彼をめぐる人々が、愛を求めて迷い、ためらい、ひるみながらも、それぞれの闘いへと突き進む姿が描かれている。

記念すべき連載10年目を迎える本年に実写映画が完成し、羽海野は完成した映画をいち早く鑑賞。「もの凄い密度でした」と語り出すと、「気づくと作品の世界に引き込まれている」と絶賛。主人公・桐山零を演じた神木隆之介はじめ、原作で島田開八段のモデルとなった佐々木蔵之介、川本3姉妹(倉科カナ、清原果耶、新津ちせ)や幸田香子(有村架純)の率直な感想を述べ、興奮気味に語った。

羽海野チカ インタビュー全文


──完成した映画(前・後編)をご覧になった感想を聞かせてください。

もの凄い密度でした。私は漫画を描くときに密度を濃く描くことで(本を)ずっと手元に置いてもらえるのではないかと心がけていますが、映画も本当に密度が濃かった。それがとても嬉しかったです。たとえば川本家の食卓シーンは、料理・洋服・家具・そしてみんなの表情……ワンシーンのなかにもの凄い情報が入っていて、何度も観たくなります。気づくと作品の世界に引き込まれている…そういう力がこの映画にはありました。大友監督は本当に凄い、大友さんが監督を引き受けてくださって良かったと心から思いました。また監督が「桐山零を見ていて、自分がこの仕事をすると決めて一本立ちをしたときのことを思い出しました」とおっしゃってくれたことも嬉しかったです。

──桐山零役の神木隆之介さんはじめ、キャスティングについて感想を聞かせてください。

神木さんは、指し方が美しくて棋士そのものです。演じているというよりも役として生きているというか、まるでプロ棋士の対局を見ているのかと思うくらい、手つきも仕草も本物の棋士でした。髪はボサボサで、神木さんが本来持っているかっこ良いところを少しも見せない、そういう風に映ろうとか微塵も考えていないような姿で、なんてすごい俳優なんだろうと思いました。

実は、島田開八段のモデルは佐々木蔵之介さんです。漫画を描くときは、蔵之介さんの頭蓋骨を頭のなかに思い浮かべて描いています。その蔵之介さんが島田役を引き受けてくれた!漫画本のなかから現実世界にそのまま出てきたようで、夢のようでした。

男性キャラクターたちの対局がとびきり格好良く描かれているのに対して、川本3姉妹や幸田香子、女性キャラクターたちは、何とも愛しく描かれていました。あかり役の倉科カナさんは原作の体型よりずっとスタイルが良いのですが、あの衣装も髪形も居方もあかりさんそのもの、ずっと見つめてしまうほど素敵な女性です。ひなちゃんは本当は零ちゃんよりも強い心を持った女の子、清原果耶さんがその強さをしっかりと演じてくれたので、零ちゃんにはこの人がいれば大丈夫だって思いました。モモ役の新津ちせちゃんは可愛すぎです!まだ4つなのに中身はとても大人で、しっかりしたレディでした。笑顔と仕草が最高でした!!

香子は後藤正宗九段(伊藤英明)のことが本当に好きなんだ……という純粋で複雑な感情を、有村架純さんが素晴らしく演じてくださった。また香子と零の2人の関係性については、原作でまだ描いていない部分もありますが、この2人は過去にいろいろあったんだなぁということがちゃんと伝わってきた。零と香子のシーンを観るとこの漫画が映画になって良かったと、しみじみ思います。

3月のライオン

──特に印象に残っているシーンはどこですか。

全体を通して兎にも角にもロケーションが素晴らしかったです。実際にプロ棋士の方々が対局している将棋会館や椿山荘といった場所に加えて、映画ではドラマチックな場所がたくさん登場します。特にラストシーンは絶景、感動しました。川本家も幸田家も島田の家もセットではなくロケ撮影で、漫画のなかのあの家を現実に探し出してくれたんだ!と思うと、もう驚きと感動の連続です。

島田の自宅での研究会のシーンもお気に入りです。二海堂や桐山、みんなを自分の家に招いて、彼らと接しているときの島田さんの人柄がとても良かった。こんな人が先輩だったら男の子はついて行きたくなるんだろうなぁというあの雰囲気は、格好いいだけでは出せない、蔵之介さんだからこそ出せた雰囲気だと思います。

ある対局の後に、零ちゃんが大声で叫ぶシーンも感動しました。「将棋しかねぇんだよ!」っていう張り裂けそうな声、追いつめられて心から叫んでいるあの声に胸を掴まれましたね。そして神木さんは、こんなに桐山零のキャラクターを深く掘り下げてくれたのかと、すごく嬉しくなったシーンのひとつです。

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3月のライオン
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映画『3月のライオン』は2017年【前編】3月18日、【後編】4月22日より全国公開

【CREDIT】
監督:大友啓史
主演:神木隆之介 有村架純 倉科カナ 染谷将太 清原果耶 佐々木蔵之介 加瀬亮 前田吟 高橋一生 岩松了 斉木しげる 中村倫也 尾上寛之 奥野瑛太 甲本雅裕 新津ちせ 板谷由夏 伊藤英明/豊川悦司
原作:羽海野チカ「3月のライオン」(白泉社刊・ヤングアニマル連載)
制作プロダクション:アスミック・エース、ロボット
配給:東宝=アスミック・エース

©2017 映画「3月のライオン」製作委員会

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